ツルゲーネフ『父と子』あらすじと感想~世代間の断絶をリアルに描いた名作!あまりに強烈!
ツルゲーネフがバザーロフというニヒリストを生み出すと、それ以降現実世界においてそのような人は「バザーロフ的人間」とか「ニヒリスト」と呼ばれることになりました。
この影響力たるやすさまじいものがあります。
これをやってのけたツルゲーネフの観察者、芸術家としての能力はやはりずば抜けているなと感じました。
『父と子』は読みやすく、とてもおすすめな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
ツルゲーネフがバザーロフというニヒリストを生み出すと、それ以降現実世界においてそのような人は「バザーロフ的人間」とか「ニヒリスト」と呼ばれることになりました。
この影響力たるやすさまじいものがあります。
これをやってのけたツルゲーネフの観察者、芸術家としての能力はやはりずば抜けているなと感じました。
『父と子』は読みやすく、とてもおすすめな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
この小説はツルゲーネフの実際の体験をもとにして書かれています。自分が恋した女性が実は父の愛人だったという、もし実際にそういう場面に直面したらかなりショックを受けそうな内容です。
物語としても非常に面白い『初恋』ですが、ツルゲーネフの恋愛観を知る上でも非常に興味深い作品となっています。
分量も文庫で100ページ少々と気軽に読めるものとなっています。 ツルゲーネフの代表作『初恋』、とてもおすすめな作品です。
この作品が発表された1860年はまさしく1861年の農奴解放令の前夜でした。
世の中の流れが農奴解放へと向かって行く中で、青年たちはどのようなことを思い、何をしようとしているのか。それをツルゲーネフは凝視します。
そしてツルゲーネフはそうした青年たちの中でも、社会に積極的に関わり行動していこうという女性を描こうと思い立ちます。
この作品はツルゲーネフにとっては苦い記憶となってしまいましたが、現代日本人たる私が読んだ感想としてはそこまで非難されるべき作品ではないと思いました。
国によって、そして時代によって評価がこうも異なるのかというのを感じられた作品でした。
跳魚さんの『天使のためのウヴェルテュール前編 』ではあの無敵のナポレオンを敗走させたアレクサンドル1世について彼の波乱万丈の生涯をわかりやすく漫画で紹介して下さっています。
ロシアの皇帝というとかなりいかついイメージがあるかもしれませんが、跳魚さんのイラストは非常に繊細で美しくて、とっつきにくいロシア史のイメージが変わると思います。
ツルゲーネフを学ぶまで『貴族の巣』という小説はまったく知らなかったのですが、この作品がツルゲーネフの作品中屈指の人気があるというのは驚きでした。
ロシア中から大喝采をもって迎えられるほどこの作品はロシアで大人気となり、ドストエフスキーもこの作品に対して賛辞を送っています。
たしかにこの小説はとても読みやすかったです。展開もどんどん動きますし、小説としてかなり面白いです。
この小説はアーシャとN・Nの恋物語が主軸ですが、『猟人日記』時代からのツルゲーネフの最大の魅力である美しい情景描写がこれでもかと出てきます。
次に何が起こるかわからない混沌とした心理ドラマを描くドストエフスキー。
ため息を誘うほど美しい世界の中、甘くも苦しい恋に身を焦がす二人のドラマを描くツルゲーネフ。
この違いがとてもくっきりするような作品でした。
ツルゲーネフの後半生の作品は憂鬱な気分にさせるものが多いです。そのきっかけとなった時期がまさにこの頃であると言われています。
ここから「あきらめなければ」という諦念がツルゲーネフを強く覆っていくことになります。
この辺りも激情家ドストエフスキーとの大きな違いを感じさせられます。
ツルゲーネフは時代を俯瞰し、達観した賢者のごとく静かな憂鬱に身を任せます。
こうした違いが文学の上にも明らかに出てくるのだなと思いながら私はこの作品を読んだのでありました。
今本当に見るべきことは何か。問題の本質はどこなのか。私たちは目先の不安や憎悪に流されることなく、冷静にこの事態を見ていかなければなりません。
伊藤計劃さんの『ハーモニー』はそんな今の日本に警鐘を鳴らしてくれている作品だと私は思います。こういう時代だからこそ文学の力、言葉の力は私達に大きなものの見方を与えてくれるのではないかと私は信じています。
この作品は『あひびき』と同じく二葉亭四迷によって翻訳され、早くから日本においても知られていた作品です。
この作品の主人公ルーヂンは洗練された立ち振る舞いや圧倒的な弁舌の才によって田舎の人々をあっという間に魅了してしまう魅力的な好男子です。
しかしその正体はなんと悲しきかなや、単なる空っぽな人間だったのです。彼には確固たる意志もなく、社会のどこにいてもうまくやっていけない社会不適合者だったのです。
この作品はツルゲーネフ作品の中でもトップクラスにドラマチックな作品なように私は感じます。
ゲラーシムの素朴な善良さ、そしてそれに対置される女地主や執事。
そして何より子犬ムムーとの心温まる日々。
ですが、そんな幸せな日々が女地主の横暴で不意に終わりを迎えます。
犬を殺せと命じられたゲラーシム。彼は一体どうするのか、街から一人離れて川に船を浮かべた彼はどうなってしまうのか、ムムーはどうなってしまうのか。
読んでいるこっちは恐ろしくて心臓がばくばくしてしまいました。