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おすすめマルクス・エンゲルス伝記

ウルリケ・ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ よみがえる危機の処方箋』~古典経済学の流れを知るのにおすすめ!

マルクス以前とマルクスはどこが違うのか。マルクス以後とマルクスは何が違うのか。

この本はそうしたことを比べながら見ていくことができるので非常にわかりやすいです。やはり比べてみて初めて見えてくることもありますよね。

マルクスのことを歴史の流れ、時代背景と絡めながら見ていけるこの本は素晴らしいです。非常に広い視野で書かれた逸品です。

これはぜひぜひおすすめしたい1冊です。マルクスだけでなく、アダム・スミスやケインズを学びたい方にもおすすめです。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

『神話なきマルクス―その生涯と著作に関する編年史研究』~マルクスが何を参考にしていたかを知るのに最適!

この本のありがたい点はマルクスが何に影響をうけていたのか、何を参考にどのような研究をしてきたかということが詳細に解説されているところです。

しかもそれが年代順にリスト化もされているので、マルクス研究において非常にありがたい作品となっています。私もこの作品のおかげでこれから先何を読んでいこうか参考にすることができました。

マルクスは猛烈な読書家、勉強家として有名ですが彼が何を読んでいたのかが一目瞭然なのでこれは非常に興味深かったです。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

ジャック・アタリ『世界精神マルクス』~フランス人思想家による大部の伝記

ジャック・アタリはフランスのジャーナリストで、ミッテラン政権のブレーンもこなしたフランス社会党党員として知られています。
著者は立場的には「私はマルクス主義者」ではないと言いつつも、マルクスのことが大好きなのは伝わってきます。マルクスをかなり評価して書かれた伝記です。何事も完全な中立は難しいことではありますが、マルクス擁護的な雰囲気を感じます。中立で歴史的事実に基づいているというポーズで、結果的にマルクスを弁護し、かなり讃美する形になっているなというのが私の感想です。

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

E・H・カー『カール・マルクス その生涯と思想の形成』~「マルクス主義はなぜ人を惹きつけたのか」の分析が秀逸なおすすめ伝記

この伝記の最大の魅力は何と言っても「マルクスがなぜこんなにも人々を惹きつけたのか」という分析です。

この分析を読むだけでもこの本の価値はものすごくあります。いや、むしろこの分析を読むためにこの本を手に取るべきとすら言えるかもしれません。それほど鋭い分析です。これはぜひおすすめしたいです!

おすすめマルクス・エンゲルス伝記

ジョナサン・スパーバー『マルクス ある十九世紀人の生涯』~人間マルクスを描いた中立的でバランスのよいおすすめ伝記!

この本はマルクスを歴史的人物として学ぶ際に非常に役に立つ伝記となってます。

マルクス関連の本はどうしてもそれぞれの主義主張が入り込んでしまう度合いが大きくなってしまいますが、この本に関しては、著者は歴史学者としてなるべくそうしたステレオタイプに基づいた研究から距離を置こうとしています。

マルクスがどのような過程を経て『資本論』へと進んで行ったかがわかりとても興味深かったです。

マルクスの生涯を学ぶならこの伝記が一番読みやすかったなというのが私の印象です。

マルクスは宗教的な現象か

歴史家トニー・ジャットによるマルクス主義への見解~「伝統的なキリスト教の終末論との共通点」とは

世界的な歴史家トニー・ジャットは「マルクス主義は世俗的宗教である」という決定的な言葉を述べます。

その理由は記事内で述べる通りですが、マルクス主義は宗教的な要素がふんだんに取り込まれており、それがあるからこそマルクス主義が多くの人に信じられたという見解が語られます。

マルクスは宗教的な現象か

歴史家E・H・カーによるマルクス主義への見解~なぜマルクス主義は人を惹きつけるのか

E・H・カーはこの伝記においてマルクスの『資本論』における問題点を指摘していきます。そして有名な「剰余価値説」や「労働価値」などの矛盾点を取り上げ、そうした問題点がありながらもなぜマルクスはここまで多くの人に信じられているかを分析していきます。

経済学や思想、イデオロギー面だけではなく、世界全体との関わりという視点からアプローチするのは、歴史家たるE・H・カーならではの一歩引いた視点と言うことができるかもしれません。

マルクスは宗教的な現象か

マルクス主義者ではない私がなぜマルクスを学ぶのか~宗教的現象としてのマルクスを考える

マルクスは宗教を批判しました。

宗教を批判するマルクスの言葉に1人の宗教者として私は何と答えるのか。

これは私にとって大きな課題です。

私はマルクス主義者ではありません。

ですが、 世界中の人をこれだけ動かす魔力がマルクスにはあった。それは事実だと思います。 ではその魔力の源泉は何なのか。 なぜマルクス思想はこんなにも多くの人を惹きつけたのか。 そもそもマルクスとは何者なのか、どんな時代背景の下彼は生きていたのか。 そうしたことを学ぶことは宗教をもっと知ること、いや、人間そのものを知る大きな手掛かりになると私は思います。

奇跡の音楽家メンデルスゾーンの驚異の人生

ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン記事一覧~驚異の家系とその生涯、作品を知るのにおすすめの書籍もご紹介

スメタナの伝記から始まった私とクラシックとの出会い。

これまで全くクラシックに関心のなかった私でしたが、まさかこんなにはまるとは思ってもいませんでした。

そしてその中でもやはりメンデルスゾーンと出会えたのが何より大きかった・・・!

なぜ私はこんなにも彼に惹かれたのか。

音楽はもちろん、彼の生涯、性格、そして文学とのつながりなどなど、考えてみればきりがないのですが、この記事で紹介した内容を読んで頂ければその魅力がきっと伝わってくれるのではないかと思います。