アントニー・ワイルド『コーヒーの真実』~コーヒーの歴史と現在も続く不平等な貿易システムに警鐘を鳴らす一冊!
何も知らずに無邪気に美味い美味いと飲むことの何たる気楽さか。
そのほうが心理的負担は明らかに少ないです。
ですが全ての人がそうなってしまったらどうなってしまうのか。いや、現に世界は新自由主義でどうなってしまったか。
厳しいかもしれませんが、コーヒー好きだからこそ勇気を持ってこの本は読んでほしい一冊だと思います。
何も知らずに無邪気に美味い美味いと飲むことの何たる気楽さか。
そのほうが心理的負担は明らかに少ないです。
ですが全ての人がそうなってしまったらどうなってしまうのか。いや、現に世界は新自由主義でどうなってしまったか。
厳しいかもしれませんが、コーヒー好きだからこそ勇気を持ってこの本は読んでほしい一冊だと思います。
本書『コーヒーが廻り世界史が廻る』は副題に「近代市民社会の黒い血液」とありますように、コーヒーが近代社会にいかに影響を与えたのかということを見ていける作品です。
そしてイギリスだけでなくフランスやドイツなどにおけるコーヒー事情も詳しく語られますのでとても刺激的です。フランス革命やナポレオンにもコーヒーは大きく絡んできます。
「コーヒーを通して見る世界史」と言うべき素晴らしい作品です。これは面白い!コーヒー好きの私にとって非常に刺激的な一冊でした。
私達にも身近なチョコレートは近代化の産物です。特にイギリスの産業革命によってチョコレートはそれまでとは大きく違った意味を持ち始めます。その流れを知れる本書は非常に刺激的です。
また、本記事のタイトルにも書きましたが私達もよく知るキットカットの歴史もこの本では知ることができます。
本書を読めばこうしたチョコ菓子が人気になっていくのもまさに近代化の影響だったということがよくわかります。
私達の身近な生活にも直結するチョコレートの成り立ちを知るのにこの本はとてもおすすめです。前回紹介した『チョコレートの歴史』とセットで読めばさらに理解が深まること間違いなしです。
本書は私達にも身近なチョコレートの歴史をなんと、紀元前のマヤ文明にまで遡り見ていくという大スケールの作品となっています。
私が本書を手に取ったのはスリランカの歴史を学ぶ中で紅茶とコーヒーの西洋流通について調べていたのがきっかけでした。紅茶とコーヒーとチョコレートはほぼ同時期に西洋に入り、飲み物として親しまれていた。そしてこのプランテーションや貿易の展開はヨーロッパとアジアの思想を考える上でも非常に大きな意味があると考え私はチョコレートの歴史も学んでみたいと思ったのでした。
そんな時に出会ったのが本書『チョコレートの歴史』です。私はこの本に一目惚れでした。
砂糖もはじめから今のように人々の間で消費されていたわけではありません。
ヨーロッパで流通しはじめた頃には香料や薬として使用され、王族などの圧倒的な権力を持つ極一部の人しか所有することができませんでした。
私達の身近に当たり前のように存在している砂糖を通して世界の成り立ちを考える非常に刺激的な作品です。砂糖が当たり前の存在になるにはとてつもない変遷があったのでした。私達の当たり前を問う素晴らしい作品です。「モノを通して世界史を語る先駆けとなった世界的名著」と紹介されていたのも大いに納得です。
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
この本では巨像インドがイギリスの東インド会社に支配されていく流れを詳しく見ていく作品です。
この本はあまりに衝撃的です。読んでいて恐怖すら感じました。圧倒的な繁栄を誇っていたムガル帝国がなぜこうもあっさりとイギリスの貿易会社に屈することになってしまったのか。この本で語られることは現代日本に生きる私たちにも全く無関係ではありません。この本はまさに私達現代人への警告の書とも言えるでしょう。
私はこの本を読んでつくづく今の日本が怖くなりました。
今回の記事では私がこれまでに最も影響を受けた小説をご紹介していきます。
「名刺代わりの小説10選」という名の通り、これらの作品は私の思考形成に強力な作用を与えています。私という人物のまさに自己紹介的な本達の紹介になりますので、正直少し恥ずかしいと言いますか、できれば紹介しないままでもいいのではないかとも思ったのですが思いきって記事にしてみることにしました。
これまで41回にわたってローマの旅行記を更新してきました。
この旅行記の序文でお伝えしたように、私は「ローマカトリックが嫌いなドストエフスキーではあるが、その本山サンピエトロ大聖堂やローマのベルニーニの舞台芸術に心奪われずにいられるだろうか」という問いを立てローマを巡りました。
私にとってはこのローマの滞在中、片時もドストエフスキーを忘れたことはありませんでした。私はこのヨーロッパ滞在中常にドストエフスキーと共にいました。
ではこのローマ滞在においてドストエフスキーは実際にローマをどう思ったのでしょうか。
本当のところはドストエフスキーが何も書き残していない以上わかりません。ですが、そうではあるものの、私は「ドストエフスキーはローマを好きだけども嫌いになったであろう」という結論に至りました。
著者のスティグリッツは2008年のリーマンショックを引き起こしたアメリカの新自由主義を批判したノーベル経済学者です。
私がこの本を手に取ったのはマルクスを学んだのがもともとのきっかけでした。資本主義を批判したマルクス。そして現代もマルクス主義者は資本主義を批判しますが、何もマルクス主義だけが行き過ぎた資本主義を批判しているわけではありません。前回の記事でも紹介した、日本の誇る経済学者、宇野弘文もアメリカ的な資本主義に強い警鐘を鳴らしていたのでありました。
しかもなんと、今作の著者ノーベル経済学者スティグリッツは若き頃この宇沢弘文の指導を受けていたというのです。これには私も驚きました。
というわけでぜひ宇沢弘文の薫陶を受けたスティグリッツの本も読んでみたい、そんな思いでこの本を手に取ったのでありました。
今回の記事では小説作品とは一味違う歴史書、ノンフィクション作品をご紹介していきます。
この記事では特に「世界の見方」を問う作品を重視してチョイスしました。