インドの歴史・宗教・文化について知るのにおすすめの参考書一覧~知れば知るほど面白いインド沼へ
この記事では私がおすすめするインドの参考書をご紹介していきます。
当ブログでは現在『【インド・スリランカ仏跡紀行】仏教聖地を巡る旅~インドに呼ばれた私はそこで何を感じたのか』を連載していますが、これから紹介する本達には私も強い影響を受けています。
この記事では私がおすすめするインドの参考書をご紹介していきます。
当ブログでは現在『【インド・スリランカ仏跡紀行】仏教聖地を巡る旅~インドに呼ばれた私はそこで何を感じたのか』を連載していますが、これから紹介する本達には私も強い影響を受けています。
本作『南方熊楠と猫とイスラーム』は従来の南方熊楠に関する参考書とは一線を画す作品となっています。
南方熊楠といえば「天才的な資質をもった博物学者、民俗学者」として知られており、粘菌や植物の研究でも有名です。
南方熊楠は超人的な資料収集や研究範囲の広さによって後の研究者からも尊敬を集めるようになります。そしてその研究者たちによって語られた南方熊楠はまさに時代を先取りした天才、偉人として讃美されることになりました。
ただ、この南方熊楠という人物ははたしてその通りの偉人であったのか。後の研究者たちの讃美に満ちた南方熊楠像は本当に正しいものだったのかということを本書では丁寧に見ていくことになります。
今話題の清水俊史著『ブッダという男』の南方熊楠版ともいえる刺激的な作品です!
何も知らずに無邪気に美味い美味いと飲むことの何たる気楽さか。
そのほうが心理的負担は明らかに少ないです。
ですが全ての人がそうなってしまったらどうなってしまうのか。いや、現に世界は新自由主義でどうなってしまったか。
厳しいかもしれませんが、コーヒー好きだからこそ勇気を持ってこの本は読んでほしい一冊だと思います。
マハトマ・ガンディーといえば誰もが知るインド独立に大きな役割を果たした偉人中の偉人です。
本作ではそんなガンディーの思想や人柄、そして社会に与えた影響についてわかりやすくかつ詳しく見ていけるおすすめの参考書になります。
ガンディーの有名な「非暴力」は私達もよく知る言葉です。しかしこの「非暴力」がはたしてどういうものなのかというのが実はあまり知られていない、いや誤解すらされている。そんな問題提起が本書ではなされていきます。
特にガンジーの宗教観、そして家庭問題について説かれる第5章、6章は衝撃です。私も「え?そうだったのか!?」と驚いてしまいました。
ですがこの本は単なるゴシップのようなものではありません。ガンディーの思想や人柄を様々な資料によって明らかにしていきます。
今作はヒンドゥー教やイスラーム、中国文化とのつながりから大乗仏教を見ていくというユニークな論集となっています。
そしてこの本の中で次のような指摘がなされます。
「大雑把な言い方をすれば、葬式仏教的な要素がインド以来、現実の仏教の場で強く働いていたことが知られる。従来しばしば、インドの本来の仏教は生者のためによりよい生き方を教えるもので、死者のためのものではないと主張され、日本の葬式仏教を否定するような言説がなされてきたが、それはまったく実態にそぐわないことが、明白に示されたのである。」
このようなショペンの刺激的な論文を読むことができるおすすめの参考書です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
実際の生活には「本音と建て前」があります。これを無視してどちらかだけを取り上げてしまうと全く別のものが出来上がってしまうという著者の指摘にはたしかに「なるほど」と頷けるものがありました。
本書ではこうした宗教面だけでなく、カーストや芸術、カレーをはじめとした食べ物、政治、言語、都市と農村、性愛などなどとにかく多岐にわたって「インドの生活」が説かれます。仏教が生まれ、そしてヒンドゥー教世界に吸収されていったその流れを考える上でもこの本は非常に興味深い作品でした。
この本はインダス文明から現代インドまでの美術史を一冊で概観できる驚くべき作品です。この本の特徴は写真が豊富ですべてオールカラーで掲載されている点にあります。また、時代ごとに並んでいるのでインドの美術がどのような流れで変遷していったのかを知れるのもありがたいです。
私は特に仏教美術に関心があったのですが、初期の仏像や仏教彫刻を綺麗な写真で見れたのはとてもありがたかったです。解説もわかりやすく、これはぜひおすすめしたい作品だとすぐに感じました。
中世インドは仏教やヒンドゥー教が栄えた古代インドと比べるとマイナーなジャンルかもしれませんが、仏教やヒンドゥー教そのものを考える上で大きな示唆を与えてくれます。私もこの本で語られるインドイスラームの歴史を興味深く読ませて頂きました。これは面白いです。
あまり話題にならない中世インドの話ではありますが、あえて手に取ってみるのもありだと思います。面白いです。
この本を読めば日本とは何なのか、私たち日本人は海外からどう見られているのかというのがよくわかります。
この本を読んでいて特に感じたのはやはり「私達日本人も見られているのだ」ということでした。
私はここ数か月、インドについて学んでいます。インドについて語られた本をひたすら読み、この後には実際にインドを訪れる予定です。
そうして私はインドを読んで見て知ろうとしています。
ですがニーチェの「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という言葉ではないですが、インドも私のことを見ているのだということを改めて実感したのでした。
今作『インド思想史』は仏教研究における古典中の古典とも言える名著です。
中村元先生の著書の特徴は、単に思想や哲学理論を語るのではなく、時代背景や実際の現地での生活と絡めて説く点にあります。今作『インド思想史』もまさにそうした中村節を堪能できる名著となっています。
インダス文明から始まりアーリア人の侵入、バラモン教の始まり、仏教の興隆、ヒンドゥー教の定着、そしてイスラーム侵入から現代へという、あまりに盛りだくさんなインド思想史をこの本一冊で概観することができます。