エンゲルス

フリーフォールマルクス・エンゲルス著作と関連作品

スティグリッツ『フリーフォール』~新自由主義を厳しく批判したノーベル経済学者の提言!

著者のスティグリッツは2008年のリーマンショックを引き起こしたアメリカの新自由主義を批判したノーベル経済学者です。

私がこの本を手に取ったのはマルクスを学んだのがもともとのきっかけでした。資本主義を批判したマルクス。そして現代もマルクス主義者は資本主義を批判しますが、何もマルクス主義だけが行き過ぎた資本主義を批判しているわけではありません。前回の記事でも紹介した、日本の誇る経済学者、宇野弘文もアメリカ的な資本主義に強い警鐘を鳴らしていたのでありました。

しかもなんと、今作の著者ノーベル経済学者スティグリッツは若き頃この宇沢弘文の指導を受けていたというのです。これには私も驚きました。

というわけでぜひ宇沢弘文の薫陶を受けたスティグリッツの本も読んでみたい、そんな思いでこの本を手に取ったのでありました。

資本主義と闘った男マルクス・エンゲルス著作と関連作品

佐々木実『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』~日本を代表する経済学者のおすすめ伝記!

アメリカ式新自由主義、環境問題、格差の問題を「社会的共通資本」という視点から論じていく宇沢弘文。机上の理論ではなく水俣病の現場に赴きその現実と向き合って闘い続けたその姿・・・

経済学者でありながら現場で実践し続けるその姿にも私は心打たれました。

若い頃の禅寺での体験が生涯に影響を与えていたことも見逃せません。

とにかくあまりに巨大なスケール!

何をどうお話ししていいのか私も混乱しています。それほど強烈な人生を歩まれています。

ぜひ一人でも多くの方に読んでほしい名著中の名著です。読めばきっと皆さんも頭がスパークすること間違いなしです。こんなにすごい方が日本におられたんだと驚くことでしょう!

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

松村昌家編『『パンチ』素描集 19世紀のロンドン』~風刺絵で見る産業革命のロンドン!マルクス・エンゲルスは何を見た?

この作品は19世紀、産業革命下のロンドンの姿を知るのにうってつけの作品です。

この作品の特徴は何と言っても多数の風刺画を見ていける点にあります。『パンチ』誌は当時のイギリスの生活を鋭く風刺し、社会批評をしていきます。

当ブログではこれまでマルクス・エンゲルスについても学んできましたが、彼らのイギリス生活や思想背景を知る上でもこの作品はありがたいものがありました。

パヴロフ産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 パヴロフ』「条件反射」やパヴロフの犬で有名なロシアの偉大な科学者のおすすめ伝記!

「条件反射」や「パブロフの犬」といえば現代の脳科学や神経の研究とも直結してくる内容です。ですのでもっと最近のものであったり、イギリスやドイツ辺りで研究されていたものとすっかり思い込んでいました。

それがまさか19世紀のロシアだったとは!

ドストエフスキーやトルストイが科学をほとんど感じさせない心理的、宗教的著作を描いていたまさにその時、パヴロフが科学的研究に勤しんでいた・・・

これはロシア文学のことだけを考えていると、正直なかなかイメージできないものがありました。そういう意味でこの伝記は当時のロシアを科学といういつもとは違った切り口から見ることができたありがたい作品でありました。

エジソン産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 エジソン』アメリカの天才発明家エジソンのおすすめ伝記!読書家エジソンの一面も

この作品は誰もがその名を知る発明家トーマス・エジソンの伝記になります。

エジソンは学校にほとんど通っていません。ですが彼は猛烈な読書家でディケンズやシェイクスピア、『レ・ミゼラブル』など様々な文学作品に親しみその想像力を耕していたのでありました。

この伝記ではそんなエジソンの波乱万丈の生涯を知ることができます。エジソンについては名前は知っていてもいざどんな時代に生きてどんな生涯を送ったかはほとんど知らなかったので、この本は非常に興味深いものがありました。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『オックスフォード 科学の肖像 ファラデー』~電気文明の基礎を作った19世紀初頭のイギリス人天才科学者のおすすめ伝記

ファラデーは1791年にロンドンで生まれた科学者です。

ファラデーといえば、理系の科目が苦手だった私でも「ファラデーの法則」という言葉をなんとなく覚えていました。

ですが科学界のビックネームというイメージがあったものの、この人物がどの時代に生き、どんな生涯を送ったのかということは全く知りませんでした。

そんな私にとってこの伝記は驚きの連続でした。

19世紀イギリスの雰囲気も知れるこの伝記は私にとってもありがたいものがありました。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

A・ワーナー『写真で見るヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』~ホームズ人気の秘密や時代背景も知れるおすすめ本!

この本ではシャーロック・ホームズの魅力や「なぜこんなにも人気になったのか」ということが余すことなく説かれています。たくさんの写真や資料と共に解説されるので読みやすさ、イメージのしやすさも抜群です。

マルクスの生きた時代背景を知るために元々手に取ったこの本ですが、その狙い通りヴィクトリア朝後期のイギリスの社会情勢を知る上でも非常に役に立ちました。

これはぜひぜひおすすめしたい作品です!

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

中嶋洋平『社会主義前夜-サン=シモン、オーウェン、フーリエ』~マルクスによる空想的社会主義者のレッテルは不当だった?

マルクス・エンゲルスによって「空想的社会主義者」のレッテルを張られたサン=シモン、オーウェン、フーリエ。この本はそんな三人がはたして本当に空想的な社会主義者だったのかということを見ていく作品になります。

上の本紹介にもありますように「空想的でも社会主義でもない」その実態を知ることができる刺激的な作品です。

愛すべき遍歴の騎士ドン・キホーテ

チェ・ゲバラ『マルクス=エンゲルス素描』~ゲバラはマルクス主義に何を思う?あのゲバラがマルクスの伝記を書いていた!

この作品はチェ・ゲバラのマルクス主義に対する立場がどこにあるかが非常に重要なポイントです。

まず、私たちはマルクス主義というとソ連を思い浮かべてしまいますが、ゲバラからするとソ連式マルクス主義は本来のマルクスから歪められているように見えていたようです。ソ連は硬直した官僚主義になっており、その実態はゲバラの理想とするマルクス主義とは異なっていました。

この記事ではゲバラがマルクス主義をどう考えていたか、そしてそれに対して私が何を思うのかをお話ししていきます