鹿島茂『怪帝ナポレオンⅢ世 第二帝政全史』~ナポレオン三世の知られざる治世と実態に迫る一冊!
ナポレオン三世のフランス第二帝政という日本ではあまりメジャーではない時代ですが、この時代がどれだけ革新的で重要な社会変革が起きていたかをこの本では知ることになります。人々の欲望を刺激する消費資本主義が発展したのもまさしくこの時代のパリからです。その過程を見ていくのもものすごく興味深いです。
非常におすすめな一冊です。ぜひ手に取って頂けたらなと思います。
ナポレオン三世のフランス第二帝政という日本ではあまりメジャーではない時代ですが、この時代がどれだけ革新的で重要な社会変革が起きていたかをこの本では知ることになります。人々の欲望を刺激する消費資本主義が発展したのもまさしくこの時代のパリからです。その過程を見ていくのもものすごく興味深いです。
非常におすすめな一冊です。ぜひ手に取って頂けたらなと思います。
ディケンズの小説を読めば当時のイギリスの社会状況や、イギリス人のメンタリティーを知ることができます。
19世紀のイギリスといえば、産業革命も進み、イギリスの国力は世界を席巻するものでした。ですがその反面労働環境は悲惨を極め、経済格差は広がり、環境公害も起こっていました。
そんな社会の闇をディケンズは冷静な目で描きます。ですがそんな闇を描きつつも彼は持ち前のユーモアや善良なる救い手の力によって物語に光を差し込ませます。
この絶妙なバランス感こそディケンズ小説の面白さの秘訣なのではないかと思います。
神野氏の本はいつもながら本当にわかりやすく、そして何よりも、面白いです。点と点がつながる感覚といいますか、歴史の流れが本当にわかりやすいです。
ロシア革命を学ぶことは後の社会主義国家のことや冷戦時の世界を知る上でも非常に重要なものになります。
著者の神野氏は社会主義に対してかなり辛口な表現をしていますが、なぜ神野氏がそう述べるのかというのもこの本ではとてもわかりやすく書かれています。
この本はロシア革命を学ぶ入門書として最適です。複雑な革命の経緯がとてもわかりやすく解説されます。
この本は前回ご紹介した佐藤清郎著『観る者と求める者 ツルゲーネフとドストエフスキー』と共にものすごい本でした。ぜひ2冊セットで読むことをおすすめします。そうするとこの本の持つ意味がより深まると思います。
ソ連時代にドストエフスキーがいかにしてソ連化していったのかがとてもわかりやすいです。そしてドストエフスキーが非信仰者であるという論説がどのようにして生まれてきたのかも知ることができます。これはドストエフスキーとキリスト教を学びたいと思っていた私にとっては非常に興味深かったです。あまりに面白かったので夜寝る時間が大幅に遅れてしまったほどです。読んでいて途中で切り上げるなんて到底できなくなりました。それほどこの本はすごいです。
ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』と鹿島茂氏の『デパートを発明した夫婦』を読めば百貨店の誕生の過程やその繁栄の秘密をかなり詳しく知ることができます。
私は経済学者でもビジネスの専門家でもありませんのでこうしたことを言うのは僭越なこととは思いますが、文学、思想、社会という視点から百貨店を見ていくのも非常に興味深いことなのではないかと思います。
ニュースを見て改めてゾラの視点というのは現代にも必ず生きてくると感じた今日この頃でありました。
『オリヴァー・ツイスト』は単に「小説として面白かったね」で終わらずに、社会そのものに強い影響を与えました。なんと、実際に多くの人がこの作品を読んで社会改善を唱え、制度も改革されていったのです。
こうした「善を呼び覚ます小説の影響力」。
これはものすごいことであります。
ドストエフスキーが多くの人、特に子どもたちにディケンズの小説を勧めるのはこういうところにもその理由があるのかもしれません。
ディケンズの代表作『オリヴァー・ツイスト』、読みやすく物語展開も目まぐるしい面白い作品でした。
『獲物の分け前』で主に土地投機によって巨額の金を稼いだ主人公のサッカールでしたが、今作では巨大銀行を設立することで新たな戦いに身を投じていく様子が描かれています。サッカールのライバルのユダヤ人はあのロスチャイルド家がモデルになっています。フランス第二帝政期では実際に新興銀行とロスチャイルド銀行との金融戦争が勃発していました。ゾラはこうした事実を丹念に取材し、この作品に落とし込んでいます。
理性で殺したラスコーリニコフ、本能で殺したジャック。
この二人の主人公の対比はドストエフスキーとゾラの人間観の違いを最も明確に示しているのではないでしょうか。
『罪と罰』にはまった人ならぜひともこちらの作品も読んで頂けたらなと思います。
バルザックの『ゴリオ爺さん』(以下の記事参照)と共におすすめしたい一冊です。
『大地』はフランスの地方農民の生活を描いた作品です。そしてこれまで見てきた作品からわかりますように、フランスは急速な経済発展を迎え、『ボヌール・デ・ダム百貨店』で描かれたように人々のライフスタイルが変わっていく時代でした。
この小説は読んでいて辛かったです。あまりの生々しさ、そして悲惨さ、救いのなさに何度ため息をつかされたことか…
ゾラはそれだけ農村が抱える問題を真摯に、ストレートに表現したかったということなのでしょう。名作と言われるだけの価値は十分すぎるほどあると思います。
『ジェルミナール』では虐げられる労働者と、得体の知れない株式支配の実態、そして暴走していく社会主義思想の成れの果てが描かれています。
社会主義思想と聞くとややこしそうな感じはしますが、この作品は哲学書でも専門書でもありません。ゾラは人々の物語を通してその実際の内容を語るので非常にわかりやすく社会主義思想をストーリーに織り込んでいます。
難しい専門書を読むよりずっとわかりやすく、面白く学ぶことができることかと思います。