産業革命

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ロバート・オウエン『オウエン自叙伝』~イギリスの空想主義的社会主義者の第一人者による自伝

社会主義者というとマルクスやエンゲルスなどのイメージで革命家とか経済学者、哲学者のイメージがあるかもしれませんが、オーウェンは全く違います。彼は根っからの商人であり、実業家でした。

彼が自分の工場でなした改革は今でも評価されるほど人道的でした。

資本家はあまねく強欲であり、労働者を搾取する悪人だという考え方には明らかに収まりきらないものがオウエンにはあります。

この『オウエン自叙伝』ではそんなオウエンがなぜそのような思想に至るようになったのか、彼の原動力とは何だったのかを知ることができます。読めばきっと驚くこと間違いなしです

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

石井洋二郎『科学から空想へ よみがえるフーリエ』~ユートピアを描いた有名な空想的社会主義者フーリエとは

フーリエについての参考書はほとんどなく、私達が手に取れるものは限られています。ですがその中でもまず入門として読むにはこの本はおすすめです。フーリエ自身が非常に難解な人物でありますので、この本の内容でも難しい部分があるのですが、それでも全体図を知るにはありがたい1冊だと思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

サン・シモン『新キリスト教』概要と感想~教会への鋭い批判と理想世界の構築を説くサン・シモンの絶筆

神の教えを信じ、社会福祉の向上を目指す道徳的な産業者が世を導いていく。これがサン・シモンが目指す理想社会でした。

サン・シモンはこの作品で教会批判や持論を展開し続けます。驚くような発想も何度も出てきますし、現代を生きる私たちですら唸らせるような言葉が出てきます。

マルクス・エンゲルスによって空想的社会主義者のレッテルを張られたサン・シモンですが、非常に興味深い思想家でした。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

サン・シモン『産業者の教理問答』概要と感想~空想主義的社会主義者の一人サン・シモンの主著

「世の中は生産者、つまり産業者によって成り立っている。だからこそ産業者の地位が認められなければならない。」

産業者こそ世界を担っていくのだという思想は後の弟子たちに引き継がれ、1852年からのナポレオン三世第二帝政期ではその思想が花開くことになります。

そうした意味でも「産業者こそ世を作るのだ」と宣言したこの著作は大きな意味があります。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

「マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」記事一覧~マルクスは宗教的な現象なのか、時代背景と思想形成から考える

今回の記事では「マルクスとエンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ」シリーズと題して紹介してきた全69回の記事をまとめていきます。

これらを読めばマルクスとエンゲルスの思想が生まれてきた背景をかなり詳しく知ることができます。 そしてこれはマルクス・エンゲルスを知るだけではなく、宗教、思想、文化、政治、いや人間そのもののあり方についても大きな示唆を与えてくれることでしょう。

関連記事も合わせると70記事以上の大所帯になりますが、このシリーズの目次としてこの記事を利用して頂けましたら嬉しく思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

エンゲルスの代表作『空想より科学へ』~マルクス主義の入門書としてベストセラー!マルクス主義は宗教的現象か

難解で大部な『資本論』と、簡単でコンパクトな『空想から科学へ』。

この組み合わせがあったからこそマルクス主義が爆発的に広がっていったということができるかもしれません。

「マルクスは宗教的な現象か」というテーマにおいてこの記事では私の結論を述べていきます。エンゲルスはこの作品においてとてつもないことを成し遂げました。

この作品はマルクス思想を考える上で『資本論』と並んで決定的な意味を持つ作品です。ぜひ読んで頂きたい記事となっています

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

エンゲルス『反デューリング論』概要と感想~マルクス主義伝播に巨大な影響を与えたエンゲルスの代表作

『反デューリング論』はマルクス主義の重要解説書として非常に重視されてきました。マルクスの著作、特に『資本論』は膨大で難解過ぎました。そんな書物のエッセンスを抽出し、マルクス主義をわかりやすく解説したものとして出版されたのがこの本です。

たしかにこの本は読みやすいです。

超難解な『資本論』に対してこうしたわかりやすくてドラマチックな物語が書かれた『反デューリング論』という存在があったことがマルクス主義の伝播にどれほど役に立ったかは計り知れません。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス『資本論』を読んで~これは名著か、それとも・・・。宗教的現象としてのマルクスを考える

『資本論』はとにかく難しい。これはもはや一つの慣用句のようにすらなっている感もあります。

この作品はこれ単体で読んでも到底太刀打ちできるようなものではありません。

時代背景やこの本が成立した過程、さらにはどのようにこの本が受容されていったかということまで幅広く学んでいく必要があります。

私がマルクスを読もうと思い始めたのは「マルクスは宗教的現象か」というテーマがあったからでした。

ここにたどり着くまで1年以上もかかりましたが、マルクスとエンゲルスを学ぶことができて心の底からよかったなと思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ジャック・バーザン『ダーウィン,マルクス,ヴァーグナー 知的遺産の批判』~なぜ彼らは世界を席巻したのか!その秘密に迫る名著!

この本は「ダーヴィンとマルクスがなぜこんなにも世界を席巻したのか」という、私が最も知りたかったことを解説してくれる刺激的な作品でした!これは面白いです!

この作品については以前マルクスの『資本論』を読んだ際にも参考にしました。

『資本論』はあまりに難解で膨大な作品ですが、「その理解不能さが逆に世の中から聖書のように扱われる大きな理由となった」という著者の説は非常に興味深いものがありました。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

マルクス『賃労働と資本』概要と感想~マルクスの代名詞「剰余価値」とは。『資本論』の入門書として評価される作品

たしかにこの作品を読んでいて「なるほどなぁ」と思う点もありますし、いかにして搾取が行われているかわかりやすい流れで書かれています。

しかし、それが本当に正しい理論なのかというと、それはかなり厳密に検証していかなければならないものだと思います。

簡単に矛盾を指摘できたりするようなやわな理論だったらここまで世界に影響を与えることなどできなかったでしょう。やはりマルクスの理論は難しい。ですがそれにも関わらず人を動かす圧倒的な煽動力がある。ここにマルクス思想の強さがあるように感じました。