産業革命

インド思想と文化、歴史

シューマッハー『スモール・イズ・ビューティフル』~仏教経済学を提唱!経済成長至上主義の現代のあり方に警鐘を鳴らした作品

シューマッハーはイギリスを拠点にした経済学者で、際限なく拡大する経済に警鐘を鳴らし、自然との共存を前提とした経済に移行することを提唱しました。

そしてなんと、シューマッハーは「仏教経済学」なるものをこの本で説きます。仏教的な世界の見方を通して持続可能な経済を求めていく、そうした説を彼は提唱するのです。

西欧をまるまま「理想視」する傾向が未だに強いように感じる昨今、こうした問題提起を与えてくれる本書はとても貴重なものなのではないでしょうか。ぜひおすすめしたい一冊です。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『ワットとスティーヴンソン 産業革命の技術者』~蒸気機関と鉄道の発明者のおすすめ伝記!

この本は蒸気機関で有名なジェームズ・ワットと鉄道の発明者ジョージ・スティーヴンソンの伝記です。

ワットというと蒸気機関を発明したというイメージがありましたが、正直それがいつのことでどのようなものだったのかは意外とわかりませんでした。

そんな中この伝記ではワットやスティーヴンソンの生涯をわかりやすくコンパクトに語られます。2人の生涯を100ページ弱でまとめているこの本には正直驚きました。

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C・ウォルマー『世界鉄道史 血と鉄と金の世界変革』~鉄道が戦争をもたらした?世界規模で鉄道の歴史を学べるおすすめの参考書

今回ご紹介する『世界鉄道史 血と鉄と金の世界変革』はタイトル通り、ヨーロッパだけではなく、世界中にまで範囲を広げて鉄道の歴史を見ていきます。当然アメリカも出てきますし、日本や中国、アフリカまで出てきます。この本はグローバルな視点から鉄道の歴史を見ていけるので、世界史の流れを学ぶ上でも非常に参考になる作品です。

これはありがたい本でした。産業革命の歴史を追う上でも非常に参考になります。

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W・シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史』~鉄道の発明は人間の意識を変えた!仏文学者鹿島茂氏も絶賛の名著!

当ブログでもすでにお馴染みのフランス文学者鹿島茂先生が「メチャンコにおもしろい」と大絶賛しているのがこの本です。これは面白いに違いない!

私はわくわくしながらこの本を開いてみたのですが、やはり鹿島先生はすごい!この本は本当に「メチャンコにおもしろい」です。

鉄道が生まれたということは単に便利な移動・輸送手段ができたという話ではなく、人間の価値観、世界観を根本から変えてしまったのだということがこの本からわかります。

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マルクスの誤算?ヴィクトリア朝ロンドン市民の生活とは!19世紀のロンドンに思う

ヴィクトリア朝のロンドンはあのマルクスがいた時代になります。マルクスはまさしくこの時代のロンドンで生活し、人々の姿を見、大英博物館の図書室にこもって研究に没頭していたのでありました。

マルクスはどんな世界を見て『資本論』を書いていたのか、そして彼と同時代人のロンドン人はどんな生活をしていたのか、そうした面からも『ヴィクトリア朝英国人の日常生活 貴族から労働者階級まで』は私にってものすごく興味深いものでありました。

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『ヴィクトリア朝英国人の日常生活 貴族から労働者階級まで』~19世紀後半のロンドン市民の生活を知るのにおすすめ!

この本ではヴィクトリア朝の人々の日常生活が描かれます。100年以上も前のロンドン市民がどんな生活を送ってたかがかなり詳しく語られます。しかも日常生活に密着していますので小説や映画などでもなかなか見られない部分まで知ることができます。

意外な発見がたくさんあります。これは面白いです!

19世紀後半のロンドン市民の生活を知れるおすすめの1冊です!

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ヘンリー・メイヒュー『ヴィクトリア時代 ロンドン路地裏の生活誌』~ロンドンの下層民の生活を取材したルポ作品!

この本はイギリスヴィクトリア朝、特に1800年代半ばのロンドンの下層民の生活に密着し、彼らがどんな生活をしているのかを描いた作品です。まるで小説のように描かれたこの作品を読んでいると、彼らが当時のロンドンでどんな生活をしていたかが目の前に浮かんでくるかのようです。イラストも豊富な点もありがたいです。

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松村昌家『幕末維新使節団のイギリス往還記―ヴィクトリアン・インパクト』~幕末明治の日本人が見たイギリスとは!

この作品では、幕末維新期の使節団から見たヴィクトリア朝、万国博覧会を見ていくことになります。鎖国していた日本から飛び出て、初めて見るヨーロッパの機械文明を見た我らが使節団はどのような反応をしたのでしょうか。普通のイギリス史とは違った視点から見るヴィクトリア朝をこの本では知ることができます。

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松村昌家『大英帝国博覧会の歴史 ロンドン・マンチェスター二都物語』~万博とマンチェスターのつながりを知れる1冊!

この本はロンドン万博とマンチェスター名宝博のつながりを大きな視点で見ていき、さらにはそこから日本とのつながりも見ていく作品になります。

産業革命の悲惨な結果として見られがちなマンチェスターですが、実はこのマンチェスター名宝博こそ、国民の生活向上を目指す運動とも関わってくるものでした。

マルクスは1849年から、エンゲルスに関してはそれよりもはるかに長くイギリスに滞在しています。彼らの思想が生まれてくる背景にはイギリスの社会情勢があります。そうしたイギリスの社会事情を知る上でもこの本は非常に参考になりました

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スマイルズ『自助論』概要と感想~イギリスヴィクトリア朝の道徳観に多大な影響!『西国立志編』としても有名

スマイルズの『自助論』はイギリスの労働者に多大な影響を与え、日本でも『西国立志編』として翻訳されると福沢諭吉の『学問のすすめ』と並ぶ明治の聖書として大ブームになりました。

この本は一九世紀イギリスヴィクトリア朝の人々のメンタリティーを知る上で非常に重要な作品です。

この記事では『自助論』の内容や、イギリス社会における『自助論』の意義について見ていきます。マルクスの『資本論」が生まれてくる背景としてもこの作品は重要な意味を持っています。