フランス

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(39)マルクス・エンゲルスのイギリス亡命生活の始まり

フランス二月革命を経てマルクス・エンゲルスは共に政治犯として追われる身になっていました。

そこでマルクスは政治犯でも受け入れてくれるイギリスを亡命先として選ぶことになります。

エンゲルスもそうしたマルクスを追い、イギリスへと向かうことになったのでした。

そしてそこでのエンゲルスの決断がまた驚きです。やはり彼は矛盾をものともしない図太い神経があったのでした。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(38)1848年フランス二月革命の衝撃と革命の戦場に向かうエンゲルス

革命を待ちに待っていたマルクス・エンゲルスはブリュッセルにいてその場に立ち会うことができませんでしたが、彼らは歴史の必然としてやってくるであろうプロレタリアート革命に向けて政治活動を熱心に行います。

しかし1848年のフランス二月革命をきっかけにヨーロッパ各地で起きた革命はマルクス・エンゲルスが予想していた展開とは全く異なる動きを見せ始めるのでした。

イタリアルネサンスと知の革命

W・アイザックソン『レオナルド・ダ・ヴィンチ』~映画化決定!人間ダ・ヴィンチを知れるおすすめ伝記!

ダ・ヴィンチがある種の巨大な才能を持っていたことは確かです。ですがだからといって私たちが彼を圧倒的な超人として遠ざけてしまっては大切なことを見逃してしまうことになります。私達はダ・ヴィンチから学ぶことができる。私たちも彼に習ってできることがあるのではないか。

そのような立場から著者はダ・ヴィンチを論じていきます。スティーブ・ジョブズの伝記を書いたアイザックソンらしい非常に刺激的な一冊でした。

光の画家フェルメールと科学革命

元木幸一『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザー名画に潜む笑いの謎』~笑顔とキリスト教とのつながりまで知れるおすすめ解説書

この本はタイトルにありますように、フェルメールとモナ・リザの笑顔を主題に、絵画史における知られざる笑顔の意味を探究していく作品です。

この作品で私が印象に残ったのはキリスト教における笑顔の意味です。

これは絵を観ただけではなかなか気づけないものではありますが、一度知ってしまったらその見え方が一変してしまうほどです。ぜひおすすめしたい作品です。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(36)マルクスの『共産主義者宣言』が出版直後には世間から無反応だったという驚きの事実

「ヨーロッパに亡霊が出没する―共産主義という亡霊が」

「万国の労働者、団結せよ!」

という言葉で有名なマルクス・エンゲルスの『共産主義者宣言(共産党宣言)』ですが、実は発刊当時はほとんど反響がありませんでした。

20世紀で最も読まれた書物のひとつとして有名なこの作品がなぜそんなことになってしまったのかをこの記事では見ていきます。

光の画家フェルメールと科学革命

宮下規久朗『フェルメールの光とラ・トゥールの炎―「闇」の西洋絵画史』~ダ・ヴィンチからフェルメールへと続く光と闇の探究とは

窓から差し込む美しい光を描いたフェルメール。それに対し闇を照らすろうそくの火を描いたラ・トゥール。

この2人の対比はそれだけでも興味深いですよね。

そしてさらに興味深いのはこうした「光と闇」の探究があのレオナルド・ダ・ヴィンチに遡り、そこからカラヴァッジョの独特な光線による描写が生まれてきます。

こうしたフェルメールへと繋がっていく光の探究を流れをわかりやすく知れるおすすめの作品です

光の画家フェルメールと科学革命

アンソニー・ベイリー『フェルメール デルフトの眺望』~時代背景と生涯を詳しく知れるおすすめ伝記!

この作品はフェルメールの生涯を詳しく知るのにとてもおすすめな伝記となっています。

『「キャンヴァスに向かう画家を間近に見る思い」と絶賛された評伝』と絶賛されるように、17世紀オランダの時代背景と共にフェルメール周辺の出来事がかなり詳しく語られていきます。しかもそれが読みやすく面白く書かれていますので、フェルメールをもっと知りたいという方にうってつけの伝記となっています。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(35)エンゲルスのパリでの矛盾に満ちた私生活とは~マルクス・エンゲルスは本当は何を求めていたのだろうか

前回の記事の最後でエンゲルスの理想が「労働者にもっと貧しく、どん底にいてほしかった」というものだったということをお話しました。

そしてマルクス・エンゲルスが人々の生活が悪くなればなるほど喜ぶような節を見せるのに対し、私が違和感を感じていたこともお話ししました。

彼らははたして本当に労働者のために動いているのだろうか?そう思わざるをえない行動を彼らはこの後も取り続けます。そのひとつの例が今回紹介する箇所になります。

マルクス・エンゲルスの生涯と思想背景に学ぶ

(34)エンゲルスの理想が「労働者にはもっと貧しく、どん底にいてほしかった」という現実

今回の記事ではマルクスとエンゲルスの思想において決定的に重要な指摘がなされます

マルクス・エンゲルス関連の様々な本を読んできて、私が薄々感じていた違和感をはっきりと言葉にしてくれたのが今回読んでいく箇所になります。

ぜひ読んで頂きたい内容となっています。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『セヴァストーポリ物語』あらすじと感想~クリミア戦争の最激戦地で戦ったトルストイの戦場ルポ

トルストイはあのクリミア戦争に従軍しています。そしてそこでの体験をルポ的に書いたもの、そしてそこからフィクションと結びつけて小説化したものが今作『セヴァストーポリ物語』になります。

天才的な芸術家トルストイによって描かれる戦争の実態はすさまじいものがあります。戦場ルポの先駆けという側面もあったこの作品が発表後すぐに大絶賛されたのもわかる気がしました