パリでギロチン処刑を見てショックを受けるトルストイ~非暴力主義の源泉とユゴー、ドストエフスキーとの共通点
クリミア戦争から帰還したトルストイはしばらくロシアに滞在したものの、そこで知識人や上流階級の人々に嫌気がさし、1857年にパリに向けて出発します。
そしてそこで目にしたギロチン処刑にショックを受けたのでありました。
19世紀ヨーロッパを代表する3人の文豪、トルストイ、ユゴー、ドストエフスキー。
この3人に「死刑」という共通点があるというのは非常に興味深いものがありました。
クリミア戦争から帰還したトルストイはしばらくロシアに滞在したものの、そこで知識人や上流階級の人々に嫌気がさし、1857年にパリに向けて出発します。
そしてそこで目にしたギロチン処刑にショックを受けたのでありました。
19世紀ヨーロッパを代表する3人の文豪、トルストイ、ユゴー、ドストエフスキー。
この3人に「死刑」という共通点があるというのは非常に興味深いものがありました。
この作品では多種多様な観点からドレフュス事件を見ていきます。
エミール・ゾラとドレフュス事件についてのつながりもこの本では知ることができます。
そして嬉しいのは映画『オフィサー・アンド・スパイ』についても言及がある点です。この映画はフランスで2019年に公開されたものなので、その映画の内容も踏まえて加筆されたのが邦訳出版された今作になります。
映画を観た時の記憶と重ね合わせながらこの本を読むのは非常に興味深いものがありました。これはぜひおすすめしたいです!
ここまでエンゲルスの生涯を見てきましたが、やはり彼は実務に非常に長けていて、社交的才能もあるということで実業界ではかなり優秀な人物でした。だからこそマンチェスターの社交界でも信頼され数々の役職を果たすことになりました。
矛盾に満ちた奇妙な人物ですが、やはりスケールの大きさと言いますか、魅力的なものがあるなというのはどうしても感じざるを得ません。
エンゲルスのブルジョワ社交家としての顔を見れたこの箇所は非常に興味深いものでした。
驚くことに、この作品は今となっては非常に有名ですが、出版直後はほとんど反響がなかったようです。
今から数十年前までバイブルのごとく読まれていた『共産党宣言』ですら、出版直後はほとんど反響がなかったくらいです。この作品があまり広まらなかったのは仕方ないことかもしれません。
ただ、そこから時を経てマルクスが亡くなった後から彼の作品が異様なほど評価されていったというのは注目に価します。生前評価されなかった作家が死後になって巨大な存在になって君臨する。その典型がマルクスと言えるかもしれません。
文書改竄 証拠捏造
‟あなたが知らない世紀のスキャンダル”
巨大権力と闘った男の命がけの逆転劇
この作品はフランスの文豪エミール・ゾラによる「私は弾劾する!」の言葉で有名なドレフュス事件を描いた映画になります。
ぜひ観に行きましょう!ゾラファンは必見です!そうでない人にも、特に若い世代にも見てほしい作品です!
文学史上、ゾラほど現代社会の仕組みを冷静に描き出した人物はいないのではないかと私は思っています。
この伝記はそんなゾラの生涯と特徴をわかりやすく解説してくれる素晴らしい一冊です。ゾラファンとしてこの本は強く強く推したいです。ゾラファンにとっても大きな意味のある本ですし、ゾラのことを知らない方にもぜひこの本はおすすめしたいです。こんな人がいたんだときっと驚くと思います。そしてゾラの作品を読みたくなることでしょう。
この本はゾラとセザンヌに造詣の深い著者が、親友であったゾラとセザンヌが本当に絶交していたのかということを検証していく作品です。
この本ではそのことについて驚きの事実が語られます。私もこの本を読んで仰天しました。
印象派絵画に興味のある方にも、ゾラの小説に興味のある方にもぜひぜひおすすめしたい作品です。印象派とゾラがつながる素晴らしい作品です。
エンゲルスがいた頃(1843-44年)のマンチェスターはこの世の地獄のような場所でした。そんな悲惨な環境を告発したのが彼の著書『イギリスにおける労働者階級の状況』でした。この作品はマルクスにも絶賛され『共産党宣言』や『資本論』にも大きな影響を与えました。
しかし、50年代にも入るとそのような描写はすっかり時代遅れなものになっていました。エンゲルスが不在だった数年間にイギリスは激変してしまったのです。
ゲーテが単なる詩人ではなく、有能な役人として働いたり、科学の分野でも才能を発揮していたことはA.ビルショフスキによる伝記『ゲーテ その生涯と作品』のおかげで知ってはいましたが、今回フェルメールを学んだことでいよいよフェルメールとゲーテが繋がってきました。
思わぬところで大好きなゲーテとフェルメールがつながり、私としては嬉しい発見となりました。
絵を描くというと、「ありのままに描けばいいじゃない」と簡単に考えてしまいがちですがこれがいかにとてつもない技術なのかということを思わされます。そもそも3D世界を網膜で2Dに映し取り、それを脳で3Dに再構成し、それをさらに2Dの平面に3Dの絵として描くのですから「ありのまま」どころの話ではありません。とてつもない情報処理がそこで行われているのでした。
当たり前といえば当たり前のことなのかもしれませんが、この本を読んで目の仕組みというものについて改めて考えさせられました。