トルストイ

ロシアの巨人トルストイ

バーリン『ハリネズミと狐』概要と感想~トルストイの『戦争と平和』についての貴重な参考書

トルストイを学んでいてつくづく思うのですが、ドストエフスキーと比べてトルストイの参考書は明らかに数が少ないです。しかもそれぞれ個々の作品に特化したものとなればほとんどなくなってしまいます。

そんな中今回ご紹介する『ハリネズミと狐』は非常に貴重なトルストイ作品の参考書となっています。

この作品ではトルストイの特徴と『戦争と平和』を題材にした彼の歴史哲学を学ぶことができます。刺激的で面白い本ですのでぜひぜひおすすめしたい参考書です。

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ホメロス『オデュッセイア』あらすじと感想~トロイア戦争の英雄、知略縦横のオデュッセウスの帰国冒険物語

『イリアス』が圧倒的なスケールで無数の英雄や神々の姿を語っていったのに対し、『オデュッセイア』はオデュッセウスを中心に主要人物の動きをじっくりと追っていきます。ですので誰が誰だかわからないという混乱も起きにくく、非常に読みやすい物語展開となっています。

そして故郷の家にたむろする悪漢たちを策略と剛力で成敗するという筋書きは非常に爽快です。物語の王道中の王道と言ってもいいでしょう。

とても面白い作品でした!

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ホメロス『イリアス』あらすじ解説と感想~ギリシャ神話の代表作。トルストイ『戦争と平和』に巨大な影響!

トルストイの『戦争と平和』をきっかけに読んだホメロスの『イリアス』でしたが、これは非常に興味深い体験でした。

トルストイがどのような点に感動し、自身の作品にそのエッセンスを組み込んでいったのかを考えながら読むのはとても楽しかったです。

そしてそもそも作品として『イリアス』がものすごく面白く、すいすい読めてしまったというのも驚きでした。戦闘シーンの独特の言葉遣いも新鮮で、思わず唸ってしまうような表現がどんどん出てきます。

これは読む価値ありです。ぜひおすすめしたい作品です。

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阿刀田高『ホメロスを楽しむために』~ギリシャ神話『イリアス』、『オデュッセイア』のおすすめ入門書!

この本は非常におすすめです。とにかく面白く、わかりやすい!しかも深い所まで連れて行ってくれます。内容はかなり本格的です。巻末の里中満智子氏による解説でもそのことは絶賛されていました。

これを読めば『イリアス』『オデュッセイア』の流れをかなりがっちりつかむことができます。逆に言えばもしこの本を読んでいなければ『ジュリアス・シーザー』の時と同じように挫折していたかもしれません。この本のありがたさが身に沁みます。

ぜひぜひおすすめしたい作品です。

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トルストイ『戦争と平和』あらすじ解説と感想~ナポレオン戦争を舞台にしたトルストイの代表作

ドストエフスキーが人間の内面の奥深く奥深くの深淵に潜っていく感じだとすれば、トルストイは空高く、はるか彼方まで広がっていくような空間の広がりを感じます。

深く深く潜っていくドストエフスキーと高く広く世界を掴もうとするトルストイ。

二人の違いがものすごく感じられたのが『戦争と平和』という作品でした。

万人におすすめできる作品ではありませんが、凄まじい作品であることに間違いはありません。一度読んだら忘れられない圧倒的なスケールです。巨人トルストイを感じるならこの作品です。

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川端香男里『100分de名著 トルストイ『戦争と平和』』~あの大作をコンパクトかつわかりやすく解説した奇跡の参考書!

この本は『戦争と平和』を読む際の必読書と言っていいのではないでしょうか!

トルストイの『戦争と平和』は名著中の名著として名高い作品です。

ですが川端香男里先生のこの解説書も素晴らしい名著だと私は思います。この大作をここまでコンパクトかつわかりやすく解説したこの本は奇跡です!しかも単にわかりやすいだけでなく、ものすごく深い所まで連れて行ってくれます。「すごい!」としか言いようがありません。この記事の最初でも申しましたが私はこの本を読んで感動しました。もう脱帽です。

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トルストイ『ルツェルン』あらすじと感想~スイスの有名保養地でトルストイ大激怒の事件発生。上流階級を激しく非難する告発の書

ルツェルンは当時世界的に有名な保養地で、多くの著名人もここに滞在しています。トルストイもその一人です。

今作『ルツェルン』ではここを訪れたトルストイが遭遇した「ある事件」がもとになって書かれました。

トルストイが大激怒したルツェルン事件。

短編ながらも非常に大きな意味を持った作品となっています。

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パリでギロチン処刑を見てショックを受けるトルストイ~非暴力主義の源泉とユゴー、ドストエフスキーとの共通点

クリミア戦争から帰還したトルストイはしばらくロシアに滞在したものの、そこで知識人や上流階級の人々に嫌気がさし、1857年にパリに向けて出発します。

そしてそこで目にしたギロチン処刑にショックを受けたのでありました。

19世紀ヨーロッパを代表する3人の文豪、トルストイ、ユゴー、ドストエフスキー。

この3人に「死刑」という共通点があるというのは非常に興味深いものがありました。

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小林登志子『シュメルー人類最古の文明』~メソポタミア文明初期に繁栄したシュメル人とは何者なのかを知るのにおすすめの入門書

シュメル文明単独で書かれた本というのは意外と少ないです。そんな中でシュメル文明とは何かということの全体像をわかりやすく語ってくれる本書は非常にありがたい作品です。

今から5000年前にこんな世界があったのかと読んでいて驚くばかりでした。

楔形文字の発明や神話というメジャーな話題だけでなく、気候や地理、政治経済などそれらが生まれてくる背景も語られるのでこれは非常に興味深いものがありました。

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『シュメール神話集成』~「人間の創造」や「洪水伝説」「イナンナの冥界下り」など世界宗教に影響を与えた神話を堪能できる1冊!

この本では様々なシュメール神話を読むことができます。

この中でもやはり気になるのは「人間の創造」、「洪水伝説」、「イナンナの冥界下り」です。

前の2つは聖書に直接関わるものであり、後者は『古事記』のイザナギ・イザナミの物語を彷彿とさせるものです。これにはとても驚きました。