イタリア

石の客ロシアの偉大な作家プーシキン・ゴーゴリ

プーシキン『石の客』あらすじと感想~プレイボーイの代名詞「ドン・ファン」をロシア流に翻案した名作悲劇

プーシキンは既成のドン・ファン像をそのまま採用することはしませんでした。

彼の描くドン・ファンはたしかにプレイボーイではあるのですが、スペインやイタリア、フランスのように女をもてあそんでは捨てるというような軽薄な男ではありません。

ドストエフスキーがプーシキンを高く評価するのも、こうした彼の独特な世界の見方とそれをロシア人の心に響くものにまで磨き上げた点にあるのでした。

プーシキンは読めば読むほどその革新性や後代に与えた影響力の大きさを感じさせられます。

この作品もとても面白い作品でした。非常におすすめです。

マッカーターロシアの歴史・文化とドストエフスキー

R・マッカーター『名建築は体験が9割』~建造物に込められた意味を知るのにおすすめの解説書

建築は外観だけではなく、内部空間で感じる体験こそ人を感動させるのだということをこの本では教えてくれます。

写真や映像で見るだけでなく実際にその場に行ってみないとわからない感覚がある。

だからこそ現地に行って直接体験することには大きな意味がある。

そのことをこの本を読んで改めて感じました。

カラマーゾフの兄弟ドストエフスキー作品

『カラマーゾフの兄弟』あらすじと感想~ドストエフスキーの最高傑作!!神とは?人生とは?自由とは?

『カラマーゾフの兄弟』が発表されてから120年。これだけの月日が経っても変わらずに多くの人から愛され続けているのはそれなりの理由があります。

この物語が持つ魅力があるからこそ、読者に訴えかける何かがあるからこそ、こうして読み継がれているのだと思います。

『カラマーゾフの兄弟』はドストエフスキー作品の中でも私が最も好きな、そして思い入れのある作品です。

長編小説ということでなかなか手に取りにくい作品ではありますが、心の底からおすすめしたい作品です。

未成年ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『未成年』あらすじと感想~晩年の隠れた名作!「私はロスチャイルドになりたいのだ」

ドストエフスキーが描くロシアの混沌は、まだまだ未熟な「未成年」アルカージイを木っ端微塵に打ち砕くほど複雑怪奇なものでした。

ドストエフスキーのかつての理想郷「ヨーロッパ」の没落と、ロシアの混沌。

そんな八方ふさがりの悲惨な状況の中で何が人々を救いうるのか。それをドストエフスキーはこの作品で読者に問いかけます。

そしてこの作品で提出された問題はその後ますます熟成し最後の大作『カラマーゾフの兄弟』へと組み込まれていきます。

『未成年』は他の作品と比べると影が薄い作品となってしまっていますが、思想的な意味では非常に重要なものを含んだ作品です。

白痴ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『白痴』あらすじと感想~キリストの創造~ドン・キホーテやレミゼとの深い関係

「無条件に美しい人間」キリストを描くことを目指したこの作品ですが、キリスト教の知識がなくとも十分すぎるほど楽しむことができます。(もちろん、知っていた方がより深く味わうことができますが)

それほど小説として、芸術として優れた作品となっています。

『罪と罰』の影に隠れてあまり表には出てこない作品ですが、ドストエフスキーの代表作として非常に高い評価を受けている作品です。これは面白いです。私も強くおすすめします。

冬に記す夏の印象ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『冬に記す夏の印象』あらすじと感想~西欧社会を厳しく批判!異色のヨーロッパ旅行記

この『冬に記す夏の印象』はドストエフスキーのヨーロッパ観を知る上で非常に重要な作品です。

また「奇妙な旅行者」ドストエフスキーの姿を見ることができる点もこの作品のいいところです。小説作品とはまた違ったドストエフスキーを楽しむことができます。

文庫化された作品ではありませんが、『冬に記す夏の印象』はもっと世の中に出てもいい作品なのではないかと強く感じます。

日本人には特に共感できる内容なのではないかと思います。

おすすめドストエフスキードストエフスキー論

おすすめドストエフスキー解説書一覧~これを読めばドストエフスキー作品がもっと面白くなる!

この記事ではこれまで紹介してきましたドストエフスキー論を一覧できるようにまとめてみました。

それぞれの著作にはそれぞれの個性があります。

また、読み手の興味関心の方向によってもどの本がおすすめかは変わってくることでしょう。

簡単にですがそれぞれのドストエフスキー論の特徴をまとめましたので、少しでも皆様のお役に立てれば嬉しく思います。

アンナの日記ドストエフスキー伝記

ドストエーフスカヤ『ドストエーフスキイ夫人 アンナの日記』~ドストエフスキーのギャンブル中毒による悲惨な生活を知れる第一級の資料

この日記にはドストエフスキーの狂気がとことんまで描かれています。

賭博に狂い、有り金全てを賭けては負け、挙句の果てに結婚指輪まで質に入れ賭博場へと駆け出していくドストエフスキー。

アンナ夫人の日記にはそんな夫を見送る悲しさややるせなさ、憤りが涙と共に記されています。この時のドストエフスキーはまさしく究極のダメ人間です。

もはや壮絶としか言いようがないです。並の小説を読むよりはるかに劇的でショッキングなものになっています。

回想のドストエフスキードストエフスキー伝記

アンナ・ドストエフスカヤ『回想のドストエフスキー』~妻から見た文豪の姿とは。これを読めばドストエフスキーが好きになる!

こちらはドストエフスキーの奥様アンナ夫人によって書かれた回想記で、私はこの本を読んでドストエフスキーを心の底から好きになりました。

ギャンブル中毒になりすってんてんになるダメ人間ドストエフスキー。生活のために苦しみながらも執筆を続けるドストエフスキー、愛妻家、子煩悩のドストエフスキーなど、意外な素顔がたくさん見られる素晴らしい伝記です。ぜひ読んでみて下さい。きっとドストエフスキーのことが好きになります!

イタリア・バチカン編

ローマ通がおすすめする絶品エスプレッソ!バチカンでの日々とイタリア出国 イタリア・バチカン編⑦

ローマと言えばエスプレッソ。

ボスニアのガイド、ミルザさんに教えて頂いたCastroniというお店。

ミルザさんは10年以上もローマに住んでいたローマ通。

その方が「ここが1番美味しいです。地元の人がみんな行きます」とおっしゃられるのだからこれは間違いありません。