(16)ローマ・ボルゲーゼ美術館でベルニーニの初期作品やカラヴァッジョの名画を堪能!

この記事ではベルニーニの最初のパトロン、シピオーネ・ボルゲーゼの美術館であるボルゲーゼ美術館をご紹介します。

ここにはベルニーニの初期の作品がずらりと展示されています。彼の芸術家としてのスタートを学ぶのにこれに勝る場所はありません。若くしてすでに天才のきらめきを見せるその作品たちに私もただただ驚くしかありませんでした。

またこの美術館はカラヴァッジョのコレクションでも有名です。それらの名画もこの記事では紹介していきます。

(15)モーツァルト級の才能と驚異の頭脳を発揮する神童ベルニーニ~16世紀ローマの特殊な社会状況も紹介

ベルニーニの神童ぶりには驚くしかありません。ベルニーニはこの時代には珍しい長寿の人生を送りました(これもくしくもミケランジェロとも同じだ)。

そしてその長い人生の始まりからしてすでに傑出した才能を示していました。

審美眼の鋭いパトロン、ボルケーゼの目に留まったというだけでも驚異的なことです。しかも彼の手引きで様々な有力者に出会っても全く物怖じせずやり取りができてしまうその機知。末恐ろしい子どもです。

ベルニーニがいかに飛び抜けた存在だったかがこの記事で伝わることでしょう。

ハーヴィ

『オックスフォード 科学の肖像 ウィリアム・ハーヴィ』~シェイクスピアと同時代を生きた科学者のおすすめ伝記!

ウィリアム・ハーヴィはイングランド生まれの科学者で血液循環説を唱えたことで知られています。

シェイクスピア好きな私にとってこの時代の雰囲気を知ることができたのはとてもありがたいことでした。しかも文学という切り口ではなく、科学を切り口にこの時代を見れたというのは非常に興味深いものがありました。これは面白い本です。

16世紀末から17世紀イングランドの流れを知るのにもとてもおすすめです。シェイクスピアファンにもぜひおすすめしたい作品です。

(14)ローマバロック芸術の王ベルニーニとは!ローマの美の鍵はこの男にあり!この旅行記の主役をいよいよご紹介!

これより先バロックの天才ベルニーニの作品とその美の秘密についてじっくりと見ていきます。

芸術とはそもそも何なのか。なぜ私はこんなにもローマに惹き付けられるのか。その鍵がベルニーニにある。そしてそれを確かめんがために私はローマでベルニーニ詣でを決行したのでありました。

ベルニーニについて知ればもっともっとローマが楽しくなるのは間違いありません。現に私は今回のローマが楽しくて楽しくてなりませんでした。ローマはこんなにも奥深い所だったのかと驚嘆せずにはいられませんでした。

(13)関係者以外立入禁止のバチカン市国内部を特別に見学!サン・ピエトロ大聖堂の貴重な裏側も!

バチカン市国といえば世界最小の国家として有名です。その中にはサン・ピエトロ大聖堂やバチカン美術館という言わずもがなの大建築がありますが、バチカン市国には国家としての機構も当然あります。銀行や郵便局、裁判所などなど様々な施設が領内に存在します。ただ、大聖堂や美術館以外のエリアは関係者以外は立ち入り禁止のため、それらを目にすることは一般観光客にはできません。

ですが、なんと!そこに私は入場できることになったのでした!

この記事ではそんな私の体験をお伝えします。普段見ることのできないバチカンの姿を皆さんにご紹介します。

扇田昭彦『蜷川幸雄の劇世界』~長年舞台を追い続けた批評家から見た蜷川演出の真髄とは

この本では蜷川さんをずっと追い続けた扇田さんだからこそ見える蜷川さんを知ることができます。演出家デビューから円熟していくにつれてどう演出が変わっていったのか。そしてそれを貫く彼の演劇の本質はどこにあるのかということを深く掘り下げていきます。

ただ、この本は蜷川さんの入門書としてはちょっと難しいです。蜷川さんの舞台作品をいくつか観たり、他の本でその人となりや作品制作の流れを知っておいてから読むのがおすすめです。

蜷川幸雄演出やその人となりについてもっと知りたい方にこの作品は非常におすすめです。ものすごく刺激的な一冊でした。

(12)マデルノの聖セシリア像に感動!~サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂の傑作彫刻をご紹介

マデルノは天才か・・・!私はこの像の前で凍り付いてしまいました。何が私をここまで惹きつけるのかはわかりません。ですがただただこの像に釘付けになってしまいました。

ローマにはベルニーニやミケランジェロなどの優れた彫刻が数多あります。ですが今回のローマ滞在で私が最も衝撃を受けたのはこの『聖セシリアの殉教』でした。時間の都合上一回しかこの聖堂を訪れることができなかったのが心残りで仕方ありません。もう一度でいいからこの像を見たいと、この記事を書いている今も胸が苦しくなります。

あまりに素晴らしい作品です!ローマで最もおすすめしたい彫刻の筆頭です!

(11)美しすぎるサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂を訪ねて~現存するローマ最古のバシリカ様式と聖母信仰

サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂は単なる古の歴史建造物としてではなく、今も生きた信仰の場として大切にされています。

私もここに足を踏み入れた瞬間驚きで一瞬息が止まってしまいました。こんなに美しい場所だとは想像もしていませんでした。整然とした列柱、聖堂内のシンプルな構造、さらに天井や柱の上の四角い装飾にいたるまで非常に美しいです。

この聖堂はテルミニ駅からかなり近いです。来ようと思えばアクセスは容易なのでローマ滞在の折にはぜひ訪れてみてほしい場所です。非常に素晴らしい聖堂なのは間違いありません。

扇田昭彦『舞台は語る』~日本のシェイクスピア・ブームの背景を知れる1冊!現代演劇の流れを知るのにもおすすめ!

この本は前回の記事で紹介した『日本の現代演劇』と対になる作品です。

劇団四季や『レ・ミゼラブル』など私も大好きなミュージカルの話も聞けるのは嬉しい限りでした。

そして何と言っても日本におけるシェイクスピア演劇の流れを知れたのが大きかったです。シェイクスピアが日本でブームになっていった歴史的背景は非常に興味深かったです。翻訳家の小田島雄志や演出家出口典雄の登場、あの吉田鋼太郎さんも所属していたシェイクスピア・シアターの存在。ピーター・ブルックやトレバー・ナンら海外の著名な劇作家の影響。そして蜷川幸雄さんの斬新な演出。

こうした流れを扇田さんの名解説で聴くことができます。

(10)サン・カリストのカタコンベを訪ねて~カタコンベの歴史と死と祈りの街としてのローマを考える

「ローマは死の思い出に満ち満ちている」 「実際、ローマは墓の都市だといっていいだろう。そしてキリスト教も「死の宗教」であり、「死への勝利の宗教」である。」 キリスト教の街ローマを考える上でやはり「墓」という存在は大きな意味を持ちます。 サン・ピエトロ大聖堂もそもそもの始まりは聖ペテロの墓です。 ローマという街は墓を中心として発展を続けてきた歴史があります。この記事ではそんな「墓の都市」ローマについて考えていきます。