資本主義

水晶宮物語フランス文学と歴史・文化

松村昌家『水晶宮物語 ロンドン万国博覧会1851』~世界初の万国博覧会とドストエフスキーのつながり

ロンドン万博は世界で初めて開かれた万国博覧会で、1851年にその歴史は始まりました。

その頃ドストエフスキーはというと、シベリアのオムスク監獄で流刑生活を送っていました。

ドストエフスキーは1862年に初のヨーロッパ旅行に出かけています。そしてその時にロンドンを訪れており、第一回ロンドン万博後も残されていたこの水晶宮も見たと言われています。

この記事では松村昌家著『水晶宮物語 ロンドン万国博覧会1851』を参考にお話を進めていきます。

ナポレオンフランス文学と歴史・文化

ナポレオン三世とフランス第二帝政の特徴6つをざっくりと解説!現代社会を形作ったユニークな改革とは

ナポレオン三世はあのナポレオン・ボナパルトの血を引き、フランス二月革命後の政治混乱に乗じて1851年にクーデターを実行、そして1852年からフランス皇帝となった人物です。

この記事では鹿島茂氏の『怪帝ナポレオンⅢ世―第二帝政全史』を参考に、後期ドストエフスキー時代に大きな影響を与えたフランス第二帝政についてざっくりとお話ししていきます。

キューバキューバ編

「インバウンド頼みのキューバの現状と格差、教育問題」日本も他人事ではない! キューバ編⑫

「キューバにはいいところも悪い所もあります。いいところは教育と医療システムのすばらしさです。私もハバナ大学を6年、日本留学も1年しました。すべてタダです。誰にでも学ぶチャンスがあることはすばらしいことです。ですが現在のキューバには深刻な問題があります。経済と観光の問題です。」

現地ガイドはこう切り出し、私にキューバの厳しい現状を語ってくれました。観光業によって経済を成り立たせようとするあまり国の基盤が崩れかかっている恐ろしい現実をこの記事ではお話ししていきます。そしてこれは日本も全く他人事でありません。私はガイドの話を聞き戦慄を覚えたのでありました。

キューバキューバ編

サンタクララ市街地と装甲列車襲撃記念碑~チェ・ゲバラゆかりの地、サンタクララ⑵ キューバ編⑧

チェ・ゲバラの霊廟でお参りをした後、次に私が向かったのはサンタクララ中心部。

サンタクララ市街地に到着すると、年季が入ったカラフルな建物にキューバらしさを感じます。

街の中をぶらぶらしながら近くにある装甲列車襲撃記念碑に歩いて向かいます。キューバ革命においてここサンタクララでの勝利が革命軍の勝利を決定的なものにしました。そのきっかけとなった戦闘がまさにここで行われたということで私はここにやって来たのでした。

キューバキューバ編

サンタクララのチェ・ゲバラの霊廟とドン・キホーテの意外な関係 キューバ編⑦

サンタクララはチェ・ゲバラと切っても切れない関係のある街。

キューバの歴史を学ぶ中で知ることになったチェ・ゲバラの存在。

理想を追い求めた革命の戦士。 世界で最も尊敬される革命家。

どうして彼はこんなにも世界中の人を惹き付けるのでしょうか。

彼のことを調べているうちに、私はあることを知ることになりました。

チェ・ゲバラの愛読書が『ドン・キホーテ』であり、彼はドン・キホーテの生き様に大きな影響を受けていたという事実だったのです。

この記事ではそんなゲバラと『ドン・キホーテ』の関係とゲバラのお墓参りをした私の体験をお話ししていきます。

キューバキューバ編

共産主義と資本主義、そして宗教のつながり~ぼくがキューバを選んだ理由 キューバ編⑥

ここまで4本の記事にわたってキューバの歴史をお話ししてきましたが、みなさんの中には次のような疑問をお持ちになった方もおられるかもしれません。

「なぜいきなりキューバの歴史をここまで話し出したのだろう。いや、そもそもなぜキューバ?キューバと宗教って何か関係はあるの?」と。

たしかにキューバは宗教の聖地ではありません。

ですが、私にとっては宗教を学ぶ上で非常に重要な国がキューバだったのです。

今回の記事ではその「なぜ私が宗教の聖地でもないキューバを選んだのか」ということについてお話ししていきます。

キューバ編

カストロの改革とソ連崩壊後のキューバ~キューバの歴史を解説⑷ キューバ編⑤

前回の記事「革命政権とミサイル危機~キューバの歴史を解説⑶ キューバ編④」でお話ししましたが、1962年、キューバ・ミサイル危機で世界は破滅までぎりぎりのところでなんとか踏みとどまることができました。

アメリカはキューバへの軍事侵攻計画を取り止め、ソ連はミサイル基地を撤去するという合意の下それは速やかに実行されました。

世界中の人々は安堵のため息をついたところでしたが、キューバからすれば煮えきらないものが胸の内に残ることとなりました。この記事ではそんなキューバのその後の展開についてお話ししていきます。

アメリカアメリカ編

911メモリアルミュージアムと夜のニューヨークに思う アメリカ編③

クルーズを終えると今日の一番の目的地、911メモリアルミュージアムへ。

いつか見てみたいとずっと思っていたグラウンドゼロ。 犠牲者の名前が刻まれた石。そこに花束や国旗が供えられています。水の流れる音の中、私は黙祷を捧げました。

僧侶として宗教に携わる身として、宗教が絡んだ争いはどうしても深く考えざるをえません。イスラエルでも、ボスニアでもそうでした。

答えの出ない、重い問い。

ここニューヨークでも同じように、そんな問いを目の前に突き付けられたように感じました。

アメリカアメリカ編

エンパイアステートビルとニューヨークの摩天楼~トトロの魔法と人間の魔法 アメリカ編②

今回の記事では摩天楼についてお話ししていきます。

唐突にトトロが出てきて戸惑われた方もおられたかもしれません。

ですが、私はあの摩天楼を見てトトロのあのシーンを連想せずにはいられませんでした。

そしてひとりでにあっという間に成長していく植物のイメージがまさにここニューヨークにぴったりなような気がしたのです。

ニューヨークアメリカ編

資本主義教の神殿ニューヨーク・フェデラルホールとウォールストリート アメリカ編①

20日間かけて周遊したスペインともいよいよお別れ。

次に向かうはアメリカ、ニューヨーク。

まず向かうのはウォール街。 私がニューヨークで1番見たかったもの、フェデラルホールもそこにあります。1789年、まさしくその場所でジョージ・ワシントンがアメリカ合衆国初代大統領に選出され、就任演説を行いました。

いわばアメリカ合衆国建国の象徴であり、アメリカの自由と平等という理想がこの建物に込められています。ここを訪れる観光客でそのことを考えている人はほとんどいないかもしれません。

しかしアメリカの歴史や思想を知る上で、この神殿のような建物とワシントンの像がここウォールストリートにあるという意味は見逃せないことだと思います。