キリスト教

イタリアルネサンスと知の革命

ダンテ『神曲 煉獄篇』あらすじと感想~煉獄はいつから説かれるようになったのか。中世ヨーロッパの死生観とは

前作『地獄篇』で案内人ウェルギリウスと共に地獄を巡ったダンテは、今作で煉獄という場所を巡ることになります。 煉獄は天国でも地獄でもなく、いわばその中間にある場所です。天国へ入る前に身を清めるための場として煉獄はあったのでした。 この記事では作品の流れと、その煉獄とはいかなるものかについてお話ししていきます。

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ダンテ『神曲 地獄篇』あらすじと感想~仏教の地獄との比較も面白いイタリア文学最高の古典

『神曲』といえば誰もがその名を知る古典。ですがこの作品がいつ書かれて、それを書いたダンテという人がどのような人物だったのかというのは意外とわからないですよね。

この記事ではダンテはどんな時代に生き、どのような背景の下この作品を書いたのか、また、この作品で描かれる地獄の最下層がなんと氷漬けのキンキンの世界だったことに衝撃を受けた私の感想をお話ししていきます。仏教の地獄と対比して読んでいくと非常に興味深い作品です。

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ボッカッチョ『デカメロン』あらすじと感想~ペスト禍を舞台にしたルネサンス文学の傑作ーダンテ、ペトラルカとのつながりも

ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョはイタリアルネサンス文芸の三巨星と呼ばれる存在です。

この三人の生涯や思想のつながりを考えながら読んでいくとものすごく面白いです。かつて漠然と読んでいた『デカメロン』が全く違う作品のように感じられました。

現在も続くコロナ禍ではありますが、この作品もペストという悲惨な疫病が広まった世界が舞台となっています。そういった意味でもこの作品は注目されることになるかもしれません。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

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ペトラルカ『無知について』あらすじと感想~ルネサンス人文主義とは何かを知るのにおすすめ!

この作品はペトラルカの実体験から生まれた作品です。いわれなき中傷を受けたペトラルカがそれに対する反論として発表したのが今作であり、しかもそれがルネサンス文学の宣言書でもあるというのですからペトラルカの文才には驚くしかありません。

『無知とは何か』はルネサンスとは何かを知る上でも非常に重要な示唆を与えてくれる作品です。ペトラルカその人だけでなく、ルネサンスに興味ある方にもぜひぜひおすすめしたい作品です。

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近藤恒一『ペトラルカ-生涯と文学』~読書のカリスマ!ルネッサンスをもたらしたイタリアの大文学者の生涯と思想とは

ルネサンスの始まり、「読書のカリスマ」ペトラルカ。このお方は非常に興味深い人物です。

そんなペトラルカの生涯や思想を知るのに近藤恒一著『ペトラルカ-生涯と文学』は最高の一冊です。

ルネサンスだけでなく、読書とは何かということも感じられる名著です。読書人の皆様にはぜひおすすめしたいです。読書狂の先達がここにいます。読書のカリスマがここにいます。ぜひペトラルカという人物と出会ってみてはいかがでしょうか。

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A・ペティグリー『印刷という革命 ルネサンスの本と日常生活』~活版印刷の起源とルターのつながりを知るのにおすすめ!

今回ご紹介する『印刷という革命 ルネサンスの本と日常生活』では、グーテンベルクの発明だけでなく、活版印刷術が生まれてくるはるか前の時代、つまり手書き写本全盛時代のお話からグーテンベルクの発明以後の出版業界の流れまでかなり広い範囲で「本と出版の歴史」を学ぶことができます。

これは本好きにはたまらないものとなっています。

550ページを超える大作ですが読み応え抜群の名著です。

当時の時代背景と絡めて学べるおすすめの作品です。

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A・モンロー『紙と人との歴史』~紙の発明と普及が世界をどのように変えたのか~仏教や中国、日本の歴史を知るためにも

この作品はとにかく情報量がはんぱないです!

2世紀前半に中国で発明された紙がいかに普及していったのか、そしてそれが世界に広がっていく過程でどんなことが起こったのかというのをこれでもかというくらい詳しく見ていきます。

そもそも紙が発明される前の段階、つまり文字がどのように生み出されたのかというお話しから中国の歴史、道教、仏教、イスラム教、キリスト教などとにかく多岐にわたって紙の歴史が語られます。

この本はとにかくスケールが大きいです。読めばきっと驚くと思います。ぜひおすすめしたい逸品です!

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C・ハメル『中世の写本ができるまで』~意外と知らない中世の筆記具や本の作り方!本好きにおすすめ!

この本では中世の写本に関する様々な豆知識をたくさん知ることができます。写真が多数掲載されていますので非常にイメージしやすいのもありがたいです。

この本の前半では羊皮紙の作り方も写真で見れるのですがこれはかなり衝撃です。「こうやって作るのか!」と私も驚きました。ぜひぜひ見て頂きたい写真となっています。

私たちが愛する本はかつてどのように生産されていたのか。これは意外と目が行かない部分ではありますがいざ知ってみるとものすごく面白いです。

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マイケル・ポワード『グーテンベルク 伝記 世界を変えた人々15』~活版印刷機を発明したドイツの偉人。ルターの宗教改革にも絶大な影響

この作品はヨーロッパ初の活版印刷術を発明したグーテンベルクの伝記になります。

この伝記では時代背景だけではなく、書物や紙の歴史や、印刷術の発展についてもわかりやすく解説してくれます。この辺の歴史はややこしくて難しい印象が強かったのでこの解説はありがたかったです。

この本は活版印刷術を知るための入門書としてとてもおすすめな一冊です。

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サマセット・モーム『昔も今も』あらすじと感想~マキャヴェリの『君主論』のモデル、チェーザレ・ボルジアを知るのにおすすめ!

2人の天才、マキャヴェリとチェーザレ・ボルジアが織りなす濃密な人間ドラマ!そして彼らが生きたイタリアの時代背景も知れます。ドラマチックなストーリー展開の中に『君主論』を思わせる名言が出てきたり、人間臭いマキャヴェリの姿も知れたりと非常に盛りだくさんな作品となっています。

『昔も今も』はそれ自体でも極上の歴史小説ですが、『君主論』の手引書としてもぜひおすすめしたいです。非常に面白い作品でした。ルネッサンスの時代背景を知る上でもとても参考になります。