共産主義

悪霊ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『悪霊』あらすじと感想~革命家達の陰惨な現実を暴露したドストエフスキーの代表作

この作品の持つ魔術的な力は計り知れません。

あくが強い人物たちが一つの舞台でぶつかり合い、自らの存在を主張し合います。

まさに「悪霊」に憑りつかれたごとく、悪役たちは巧妙にそして残酷に社会を混乱に陥れていきます。その過程があまりにリアルで、読んでいてお腹の辺りがグラグラ煮え立ってくるような感情が私の中に生まれてくるほどでした。

やがてそれは生きるか死ぬかの究極の思想対決へと進んで行き、一体これからどうなるのか、彼らの心の中で何が起こっているのかと一時も目が離せぬ展開となっていきます。

これは恐るべき作品です

ジェルミナールブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラ『ジェルミナール』あらすじと感想~炭鉱を舞台にしたストライキと労働者の悲劇 ゾラの描く蟹工船

『ジェルミナール』では虐げられる労働者と、得体の知れない株式支配の実態、そして暴走していく社会主義思想の成れの果てが描かれています。

社会主義思想と聞くとややこしそうな感じはしますが、この作品は哲学書でも専門書でもありません。ゾラは人々の物語を通してその実際の内容を語るので非常にわかりやすく社会主義思想をストーリーに織り込んでいます。

難しい専門書を読むよりずっとわかりやすく、面白く学ぶことができることかと思います。

おすすめキリスト教ドストエフスキーとキリスト教

ドストエフスキーとキリスト教のおすすめ解説書一覧~小説に込められたドストエフスキーの宗教観とは

ドストエフスキーとキリスト教は切っても切れない関係です。

キリスト教と言えば私たちはカトリックやプロテスタントをイメージしてしまいがちですが、ドストエフスキーが信仰したのはロシア正教というものでした。

そうした背景を知った上でドストエフスキーを読むと、それまで見てきたものとは全く違った小説の世界観が見えてきます。

キリスト教を知ることはドストエフスキーを楽しむ上で非常に役に立ちます。

フーデリドストエフスキー論

フーデリ『ドストエフスキイの遺産』~ソ連時代に迫害されたキリスト者による魂のドストエフスキー論

フーデリの『ドストエフスキイの遺産』は、私の目を開かせてくれた書物でありました。

内容も読みやすく、伝記のようにドストエフスキーの生涯に沿って作品を論じています。作品理解を深めるという意味でも非常に懇切丁寧でわかりやすいです。

ロシア正教の宗教者としてのドストエフスキー像を知るにはこの上ない一冊です。

ぜひおすすめしたい一冊です。

カラマーゾフの兄弟親鸞とドストエフスキー

『カラマーゾフの兄弟』大審問官の衝撃!宗教とは一体何なのか!私とドストエフスキーの出会い⑵

『カラマーゾフの兄弟』を読んで、「宗教とは何か」「オウムと私は何が違うのか」と悩んでいた私の上にドストエフスキーの稲妻が落ちます。

私は知ってしまいました。もう後戻りすることはできません。

これまで漠然と「宗教とは何か」「オウムと私は何が違うのか」と悩んでいた私に明確に道が作られた瞬間でした。

私はこの問題を乗り越えていけるのだろうか。

宗教は本当に大審問官が言うようなものなのだろうか。

これが私の宗教に対する学びの第二の原点となったのでした。

キューバキューバ編

ガイドさんの語るキューバの現状~経済危機と共産主義体制の弊害とは キューバ編⑮

農家さんの小屋を訪ねる今回のローカルツアーでは、私はこれまでとは違ったキューバの姿に触れることになりました。

キューバ人の陽気な姿の中から時折ちらりと見え隠れする現実の重い闇・・・

ガイドさんの話を聞き、私はキューバの抱える問題に頭を抱えたのでした。

車窓から見えるキューバの濃い緑の景色を眺めながら私はキューバ最後の日程を終えていくのでありました。

キューバキューバ編

「インバウンド頼みのキューバの現状と格差、教育問題」日本も他人事ではない! キューバ編⑫

「キューバにはいいところも悪い所もあります。いいところは教育と医療システムのすばらしさです。私もハバナ大学を6年、日本留学も1年しました。すべてタダです。誰にでも学ぶチャンスがあることはすばらしいことです。ですが現在のキューバには深刻な問題があります。経済と観光の問題です。」

現地ガイドはこう切り出し、私にキューバの厳しい現状を語ってくれました。観光業によって経済を成り立たせようとするあまり国の基盤が崩れかかっている恐ろしい現実をこの記事ではお話ししていきます。そしてこれは日本も全く他人事でありません。私はガイドの話を聞き戦慄を覚えたのでありました。

キューバキューバ編

サンタクララ市街地と装甲列車襲撃記念碑~チェ・ゲバラゆかりの地、サンタクララ⑵ キューバ編⑧

チェ・ゲバラの霊廟でお参りをした後、次に私が向かったのはサンタクララ中心部。

サンタクララ市街地に到着すると、年季が入ったカラフルな建物にキューバらしさを感じます。

街の中をぶらぶらしながら近くにある装甲列車襲撃記念碑に歩いて向かいます。キューバ革命においてここサンタクララでの勝利が革命軍の勝利を決定的なものにしました。そのきっかけとなった戦闘がまさにここで行われたということで私はここにやって来たのでした。

キューバキューバ編

サンタクララのチェ・ゲバラの霊廟とドン・キホーテの意外な関係 キューバ編⑦

サンタクララはチェ・ゲバラと切っても切れない関係のある街。

キューバの歴史を学ぶ中で知ることになったチェ・ゲバラの存在。

理想を追い求めた革命の戦士。 世界で最も尊敬される革命家。

どうして彼はこんなにも世界中の人を惹き付けるのでしょうか。

彼のことを調べているうちに、私はあることを知ることになりました。

チェ・ゲバラの愛読書が『ドン・キホーテ』であり、彼はドン・キホーテの生き様に大きな影響を受けていたという事実だったのです。

この記事ではそんなゲバラと『ドン・キホーテ』の関係とゲバラのお墓参りをした私の体験をお話ししていきます。

キューバキューバ編

社会主義と資本主義、そして宗教のつながり~ぼくがキューバを選んだ理由 キューバ編⑥

ここまで4本の記事にわたってキューバの歴史をお話ししてきましたが、みなさんの中には次のような疑問をお持ちになった方もおられるかもしれません。

「なぜいきなりキューバの歴史をここまで話し出したのだろう。いや、そもそもなぜキューバ?キューバと宗教って何か関係はあるの?」と。

たしかにキューバは宗教の聖地ではありません。

ですが、私にとっては宗教を学ぶ上で非常に重要な国がキューバだったのです。

今回の記事ではその「なぜ私が宗教の聖地でもないキューバを選んだのか」ということについてお話ししていきます。