フェルメール

光の画家フェルメールと科学革命

ティモシー・ブルック『フェルメールの帽子』~西洋「東インド会社」と中国・日本・アジア貿易から考えるオランダ絵画とは

フェルメールが生きた17世紀オランダは1602年に設立された東インド会社の繁栄によって黄金時代を謳歌していました。

その莫大な財とグローバルな市場があったからこそフェルメールの絵はフェルメールの絵たりえたのです。

そしてフェルメールの絵に出てくる数々の「もの」はまさしく中国やアジアからやって来たものです。これらの「もの」に注目することで17世紀のグローバルな世界を概観することができる。

それがこの本の大まかな流れになります。

光の画家フェルメールと科学革命

岡部紘三『図説 ヒエロニムス・ボス』ダ・ヴィンチと同世代の天才画家を知るのにおすすめのガイドブック!

ヒエロニムス・ボスはあのレオナルド・ダ・ヴィンチとほぼ同時代に生き、ルネッサンス全盛の時代の中でも独自の立場を築き上げた画家と言えます

この本はそんな奇妙な絵を描いたボスの解説や時代背景も知れるおすすめのガイドブックです。写真や絵のズームも多く、視覚的に学べるのもありがたいです。

ボスの不思議な世界観にはただただ驚くしかありません。ダ・ヴィンチともまた違った絵画世界を味わうのも非常に楽しいものがあります。ぜひぜひおすすめしたい入門書です。

光の画家フェルメールと科学革命

G・シュヴァルツ『フェルメールの世界 拡大図でたどる静謐の物語』~細部の細部まで堪能できるおすすめガイドブック!

読めばきっと驚くと思います。「フェルメールはこんな風に描いていたのか」と度肝を抜かれること間違いなしです。改めてフェルメールの化け物ぶりが感じられます。すごすぎます。この本を読んでからフェルメールのオリジナルに会った時はどんな風に見えてくるのだろうとわくわくしてしまいます。それくらい見え方が変わって来るのではないでしょうか。

これは非常におすすめな作品です。ぜひぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

新関公子『セザンヌとゾラ その芸術と友情』~親友セザンヌ・ゾラは本当に絶交したのかを考察したおすすめ作品! 

この本はゾラとセザンヌに造詣の深い著者が、親友であったゾラとセザンヌが本当に絶交していたのかということを検証していく作品です。

この本ではそのことについて驚きの事実が語られます。私もこの本を読んで仰天しました。

印象派絵画に興味のある方にも、ゾラの小説に興味のある方にもぜひぜひおすすめしたい作品です。印象派とゾラがつながる素晴らしい作品です。

ドイツの大詩人ゲーテを味わう

ゲーテ『色彩論』~万能の詩人ゲーテは光の研究者でもあった!光の画家フェルメールとのつながりを考える

ゲーテが単なる詩人ではなく、有能な役人として働いたり、科学の分野でも才能を発揮していたことはA.ビルショフスキによる伝記『ゲーテ その生涯と作品』のおかげで知ってはいましたが、今回フェルメールを学んだことでいよいよフェルメールとゲーテが繋がってきました。

思わぬところで大好きなゲーテとフェルメールがつながり、私としては嬉しい発見となりました。

光の画家フェルメールと科学革命

藤田一郎『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』フェルメールのリアルな絵画がいかに高度な技術なのか考えてみた

絵を描くというと、「ありのままに描けばいいじゃない」と簡単に考えてしまいがちですがこれがいかにとてつもない技術なのかということを思わされます。そもそも3D世界を網膜で2Dに映し取り、それを脳で3Dに再構成し、それをさらに2Dの平面に3Dの絵として描くのですから「ありのまま」どころの話ではありません。とてつもない情報処理がそこで行われているのでした。

当たり前といえば当たり前のことなのかもしれませんが、この本を読んで目の仕組みというものについて改めて考えさせられました。

イタリアルネサンスと知の革命

W・アイザックソン『レオナルド・ダ・ヴィンチ』~映画化決定!人間ダ・ヴィンチを知れるおすすめ伝記!

ダ・ヴィンチがある種の巨大な才能を持っていたことは確かです。ですがだからといって私たちが彼を圧倒的な超人として遠ざけてしまっては大切なことを見逃してしまうことになります。私達はダ・ヴィンチから学ぶことができる。私たちも彼に習ってできることがあるのではないか。

そのような立場から著者はダ・ヴィンチを論じていきます。スティーブ・ジョブズの伝記を書いたアイザックソンらしい非常に刺激的な一冊でした。

光の画家フェルメールと科学革命

元木幸一『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザー名画に潜む笑いの謎』~笑顔とキリスト教とのつながりまで知れるおすすめ解説書

この本はタイトルにありますように、フェルメールとモナ・リザの笑顔を主題に、絵画史における知られざる笑顔の意味を探究していく作品です。

この作品で私が印象に残ったのはキリスト教における笑顔の意味です。

これは絵を観ただけではなかなか気づけないものではありますが、一度知ってしまったらその見え方が一変してしまうほどです。ぜひおすすめしたい作品です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

宮下規久朗『カラヴァッジョ巡礼』~イタリア現地観光に便利なおすすめガイドブック!

この本はイタリア各地にあるカラヴァッジョの作品をその地域ごとにまとめて紹介してくれる作品です。

地図でそれぞれの所蔵教会や美術館の位置もわかりやすく示してくれているので現地で巡礼をする際に役立つこと間違いなしです。

この本を読んでいるとそうした巡礼の厳かな雰囲気も伝わって来るようです。私もカラヴァッジョ巡礼をしたくてうずうずしてきました。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

宮下規久朗『闇の美術史 カラヴァッジョの水脈』~闇があるから光が生きる。「闇と光」と宗教のつながりとは

「闇に灯る光は、人に厳粛で宗教的な雰囲気を呼び起こす」

「こうした夜の恐怖の中から様々な宗教や信仰が生じたのは自然であり、そこに灯火が重要な役割を果たしたのも当然であった。それは人を暗く恐ろしい闇の世界から解放し、救いに導くように思われるのだ。」

著者がこう語るように「光と闇」の感覚は人間にとって根源的なものではないでしょうか。

この本はそんな「闇と光」の関係を絵画を通して深く考察していく作品になります。

僧侶としてもこの作品は非常に興味深いものがありました。