ゾラ『獲物の分け前』あらすじと感想~土地投機に熱狂する1850年代パリ。金と権力を求める人間劇!
『獲物の分け前』は「金と権力」に飢えたルーゴン家の3男アリスティッドがパリ大改造という獲物を嗅ぎ付け、分け前を俺にも寄こせとパリで奮闘する物語です。
「金」、「投機熱」、「贅沢」、「色欲」・・・
これでもかと人間の欲望を描き出すゾラ。
金を求める貪欲な人間の姿や男女の欲望を知れる恐るべき作品です。ぜひぜひおすすめしたいです!
『獲物の分け前』は「金と権力」に飢えたルーゴン家の3男アリスティッドがパリ大改造という獲物を嗅ぎ付け、分け前を俺にも寄こせとパリで奮闘する物語です。
「金」、「投機熱」、「贅沢」、「色欲」・・・
これでもかと人間の欲望を描き出すゾラ。
金を求める貪欲な人間の姿や男女の欲望を知れる恐るべき作品です。ぜひぜひおすすめしたいです!
『ルーゴン家の誕生』はエミール・ゾラが24年かけて完成させた「ルーゴン・マッカール叢書」の記念すべき第1巻目にあたり、1871年に出版されました。
この本はゾラの作品中特におすすめしたい名作中の名作です!
読んでいて「あぁ~さすがですゾラ先生!」と 何度心の中で うめいたことか!もう言葉のチョイス、文章のリズム、絶妙な位置で入る五感に働きかける表現、ゾラ節全開の作品です。正直、私は『居酒屋』や『ナナ』よりもこの作品の方が好きです。とても面白かったです。
パリ万博はロンドンのようにフランスの工業化を進めるというだけではなく、欲望の追求を国家レベルで推し進めようとした事業でした。
これはフランス第二帝政という時代を考える上で非常に重要な視点であると思います。
ドストエフスキーはこういう時代背景の下、パリへと足を踏み入れたのです。
このような背景を知るとドストエフスキー作品がまた違った味わいを見せてくれるのではないでしょうか。
ナポレオン三世はあのナポレオン・ボナパルトの血を引き、フランス二月革命後の政治混乱に乗じて1851年にクーデターを実行、そして1852年からフランス皇帝となった人物です。
この記事では鹿島茂氏の『怪帝ナポレオンⅢ世―第二帝政全史』を参考に、後期ドストエフスキー時代に大きな影響を与えたフランス第二帝政についてざっくりとお話ししていきます。
ナポレオン三世のフランス第二帝政期はドストエフスキーが初めて自分の目で見たフランスであり、この時代のフランスが後の世界のライフスタイルを決定づけていくという意味でも非常に重要な時代です。
この時代を知ることによって、ドストエフスキーが五大長編で何を言いたかったのかということがより明確になっていくのではないでしょうか。
『ゴリオ爺さん』は1830年に出版されたバルザックの代表作で、世界十大小説のひとつに入るほどの名作とされています。
この小説を読んで、私は驚きました。
というのも、主人公の青年ラスティニャックの置かれた状況が『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフとそっくりだったのです。
『ゴリオ爺さん』を読むことで、ドストエフスキーがなぜラスティニャックと似ながらもその進む道が全く異なるラスコーリニコフを生み出したのかということも考えることが出来ました。
ここまでの記事でフランスの歴史をざっくりと眺めてきましたが前回の記事の終盤に出てきました二月革命、これがドストエフスキーのシベリア流刑と関係があるとしたら皆さんはどう感じますでしょうか?
実はドストエフスキーの流刑も、フランスの政治情勢と深い関係があったからこそ起きてしまった出来事だったのです。
この記事ではそのフランス二月革命とドストエフスキーの流刑の関係についてお話ししていきます。
この記事ではナポレオン以後のフランス、具体的にはナポレオン失脚後の1815年から二月革命という出来事が起こった1848年までの流れをざっくりとまとめていきます。
なぜドストエフスキーを知る上でこの時代のフランスの歴史を学ぶ必要があるのかと言いますと、この時代はまさしく彼の青年期と同時代であるからです。
彼の青年期はフランス文学と共にあったと言ってもよいほど、フランス文学に浸った生活をしていました。この時期のフランスを学ぶことはドストエフスキーを知ることにも繋がります。
私がドストエフスキーにおいて「面白い」という言葉を使う時は、アハハと笑うような「面白い」でもなく、あ~楽しかったいう「面白い」とも、スカッとするエンタメを見るような「面白い」とも違います。
時間を忘れてのめり込んでしまうような、それでいてなおかつ、読んだ後もずっと心にこびりつくような、そういう読後感があるような面白さを言います。
『罪と罰』にはそのような面白さをもたらしてくれる思想的な奥行きがこれでもかと描かれています。
そのひとつがラスコーリニコフの言うナポレオン思想です。
今回はいよいよ大詰めです。いよいよナポレオンとドストエフスキーの祖国ロシアとの対決です。
ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフとナポレオンの関係をテーマに、ここまで長々とナポレオンの歴史をたどってきました。
改めてラスコーリニコフの言葉を読んでみると、ナポレオンの激動の流れを絶妙に言い表しているなと感心してしまいます。