クラシック

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

ひのまどか『スメタナ―音楽はチェコ人の命!』~『モルダウ』で有名なチェコ音楽家のおすすめ伝記!

この伝記は非常におすすめです。本紹介に「全6曲の『わが祖国』をはじめ、耳の病に苦しみつつも大きな成功を得たスメタナの前向きな生きる姿を感動的に描く」とありますように実際私もうるっと来てしまいました。これは素晴らしい伝記です。ぜひぜひ読んで頂きたい逸品です!この本に出会えて本当によかった!!最高です!!

カフカの街プラハとチェコ文学

ヤン・ヴェーニグ『プラハ音楽散歩』~音楽の都プラハの歴史と音楽家ゆかりのスポットを知るのにおすすめ!

この本は音楽の都プラハの歴史と、そのゆかりの地を紹介していくガイドブックになります。有名なところではプラハとモーツァルトの関係性などが挙げられますが、ベートーヴェンやリスト、ワーグナー、チャイコフスキーなどの大御所たちもこのプラハにはゆかりがあります。音楽に興味のある方にはぜひおすすめしたい1冊です。

ニーチェとドストエフスキー

ヒュー・マクドナルド『巡り逢う才能ー音楽家たちの1853年』~ワーグナーやブラームスら天才音楽家が交差する奇跡の1年を描写

私はこれまでドストエフスキーを学ぶ過程でヨーロッパの歴史や文化を「文学の観点」から見てきました。

ですがこの本では「音楽という観点」から当時のヨーロッパを知ることができました。

よくよく考えてみれば本来、文学も音楽も切り離されるものではなく、互いに関連し合って存在するものです。一九世紀半ばのヨーロッパがどのような世界だったのかを音楽という側面から眺めることができたのは非常に大きな体験でした。

音楽に興味がある人だけでなく、文学やヨーロッパそのものに興味がある方にもぜひおすすめしたい作品です。

ニーチェとドストエフスキー

樋口裕一『ヴァーグナー 西洋近代の黄昏』~ワーグナーの特徴を知るためのおすすめ参考書!

この本ではマルクス、ドストエフスキー、ニーチェについても言及されます。

ワーグナーと思想、文学、哲学の関係についても著者はお話ししてくれますので、様々なジャンルがつながり非常に興味深いです。

ワーグナーの生涯や特徴だけでなく、西洋文化の歴史も知ることができるのでとても面白い本です。クラシック音楽に疎い私でしたが、とてもわかりやすくて夢中になって読むことができました。

中学高校と音楽の授業に大苦戦していた私でしたがこの本はあっという間に読み終えてしまいました。こういう本が教科書だったらもっと音楽が好きだったのにと思ってしまいました(笑)

ニーチェとドストエフスキー

ニーチェとワーグナーとの出会い~ニーチェの思想形成におけるワーグナーの巨大な影響とは

ニーチェは若い頃から音楽を愛好していましたが、ワーグナーとの決定的な出会いは1868年、ニーチェ24歳の年に訪れます。彼はワーグナーの代表曲「トリスタンとイゾルデ」と「マイスタージンガー」が演奏されるコンサートに足を運びました。

ワーグナーの音楽によって、全神経が痙攣し忘我恍惚の感情が止まない境地にニーチェは引きずり込まれてしまったのでした。理性の力が全く及ばない混沌。圧倒されるような感覚にニーチェは驚愕するのでした。ニーチェの思想は絶対的なものを求める戦いです。こうした絶対的なものを求めるニーチェの傾向とワーグナーの音楽ががっちりとはまったのでありました。ここからニーチェのデビュー作『悲劇の誕生』が生まれてきたのでした。