ひのまどか『シベリウス―アイノラ荘の音楽大使』~フィンランドの名作曲シベリウスのおすすめ伝記!
シベリウスの祖国、フィンランドは1809年まではスウェーデンの支配下にあり、その後はロシアの支配下となっていました。ロシア革命によってソ連が成立した後も、何度も大規模な攻撃を受け激しい戦闘に巻き込まれることになりました。
この伝記はそんな大国に脅かされ続けたフィンランドの歴史も学ぶことができます。
シベリウスの祖国、フィンランドは1809年まではスウェーデンの支配下にあり、その後はロシアの支配下となっていました。ロシア革命によってソ連が成立した後も、何度も大規模な攻撃を受け激しい戦闘に巻き込まれることになりました。
この伝記はそんな大国に脅かされ続けたフィンランドの歴史も学ぶことができます。
この本では20世紀最大の戦いとなった独ソ戦を音楽という側面から見ていきます。しかもひのまどかさんが述べるように、通常注目されることのないオーケストラのひとりひとりの奮闘をこの本では詳しく追っていくことになります。
戦時中という極限状況で音楽はどんな意味を持つのか。
この本は当時の緊迫した状況を学べる素晴らしい1冊です。
ソ連抑圧時代を音楽家の視点から描き出したひのまどかさんの筆には驚くしかありません。ただ単に歴史的な事実を並べるだけではなく、物語として鮮明にその過酷な人生が語られています。人物と共に時代背景まで知ることができる「伝記の利点」がこれ以上ないというほど輝いています。ひのまどかさんの著作には読む度に驚かされます。
私はひのまどかさんの本を初めて読んだ瞬間からその語り口の大ファンになり、こうしてこの伝記シリーズを読んできました。
「なぜ私はこんなにもひのまどかさんの語りに引き込まれるのだろう」
その答えがこの本にありました。なんと、ひのまどかさんは中学高校の時からロシア文学に親しんでいた文学人だったというのです!
私は元々ドストエフスキーを知るためにロシア文学やヨーロッパ史、文学を学び始めたのですが、ここで音楽家の世界においてもこうした「西欧派」「スラブ派」の戦いがあったことを知り非常に興味深いものがありました。
ヨーロッパに誇れる自分たちの文化を作り上げる。この熱意はやはり胸にくるものがあります。この伝記もおすすめです
この伝記を読んで、私がこれまで学んできた文学、芸術、歴史が繋がったのを感じました。繋がる瞬間ってやはりビビッと来ますよね。これがあるから読書はやめられません。私にとって、「あぁ!そうだったのか!」という発見は読書の最大の喜びのひとつです。この本も刺激に満ちた最高に面白い作品でした。
19世紀中頃のフランス事情を知るのにもおすすめな作品です。
バルトークはハンガリー人として自分たちの音楽とは何なのか、そのルーツとは何なのかを生涯探究し続けました。この伝記では19世紀末から第二次世界大戦終結までのハンガリー事情を知ることができます。ハンガリーが当時どのような状況に置かれていたのか、そしてナチスとの関係もこの本で語られます。当時の時代背景も知れるおすすめの伝記です
指揮者としても、作曲家、演奏家、教育者としても超一流。テレビの教養番組まで手掛けそれも大絶賛の嵐。
そして何よりも、彼の驚異のバイタリティー!常人では確実に倒れてしまうような殺人的なスケジュールをずっとこなし続けるエネルギーに私は度肝を抜かれました
アメリカの偉人バーンスタインの生涯を学ぶことができる素晴らしい伝記です
この伝記を読んで驚いたのはヴェルディの堅実な生き様、死に様でした。
これまで様々な作曲家の人生をこのシリーズで見てきたのですが、ほとんどどのお方も尋常ではない波乱万丈ぶりでした。
しかしこのヴェルディは一味違います。
「こういう形もあるんだな」という新たな発見をすることができた伝記でした。面白いです!
ショパンがポーランドの有名なピアニストということは知っていましたがいざこの方がどんな生涯を送ったのかということは正直ほとんど知りませんでした。
この伝記はそんなショパンの生涯や人となりを知る上で最高の1冊です。読んでいて驚くような事実がたくさん出てきます。特にフランスの女流作家ジョルジュ・サンドとの関係は衝撃でした