カフカース

ロシアの巨人トルストイ

『カフカース 二つの文明が交差する境界』~カフカースとロシア文学のつながりを知るのにおすすめ!

私がこの本を手に取ったのはトルストイ伝記の金字塔、藤沼貴著『トルストイ』でこの作品が紹介されていたからでした。

この作品はそれぞれの分野の専門家による共著になります。この本では文学だけでなく様々な観点からカフカースを見ていくことができます。

私はトルストイとの関係性からカフカースに関心を持つようになりましたが、入り口は人それぞれだと思います。そんな中多様な視点からカフカースを見ていくこの本の試みは非常に面白いなと思いました。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『コサック』あらすじと感想~カフカースの圧倒的美しさを描いたトルストイの傑作中編!あの『戦争と平和』にも直結

『コサック』はトルストイのカフカース体験の集大成とも言える作品です。

カフカースの美しさをここまで表現するトルストイにはただただ脱帽するしかありません。

『コサック』はあの大作『戦争と平和』にも直接繋がっていく非常に重要な作品となっています。

文豪トルストイのスタイルが定まる記念碑的な作品とも言えるかもしれません。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『吹雪』あらすじと感想~カフカースからの道中、危うく凍死しかけた実体験から生まれた傑作!ツルゲーネフも大絶賛!

『吹雪』はあのツルゲーネフにも大絶賛された作品でした。ツルゲーネフはトルストイより10歳年上で、この時にはすでにツルゲーネフはロシア文壇のトップに君臨していました。

そのツルゲーネフからここまで絶賛されるというのはやはりトルストイは只者ではありません。作家デビューから数年でここまでの表現力を発揮する彼の天才ぶりには驚くしかありません。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『森林伐採』あらすじと感想~カフカース従軍でロシア民衆の人間性を考えるトルストイ

今作『森林伐採』ではロシア軍に従軍したトルストイが、兵士たちの姿を通して「ロシア民衆とは何か」という問いを探究していく作品になります。

トルストイのカフカース体験が彼の思想形成に多大な影響を与えていたことがこの小説からうかがえます。

ページ数にして30ページほどというコンパクトな作品の中に情景描写の妙、深い人間洞察というトルストイらしさが詰まった逸品です。

ロシアの巨人トルストイ

トルストイ『襲撃(侵入)』あらすじと感想~戦争に正義はあるのかと問う若きトルストイのカフカース従軍

この作品は1852年にカフカースに向けて出発し、従軍経験をした若きトルストイによる実体験をもとにした小説になります。

トルストイはこの時のカフカース体験に大きな影響を受けていて、彼は晩年になると戦争反対、非暴力を強く主張します。

それはこの時に感じた戦争への疑問が残り続けていたからかもしれません。

ロシアの巨人トルストイ

ロシアとカフカース・チェチェンのつながり~ロシア帝国とジョージア(旧グルジア)地方の戦争の歴史を振り返る

トルストイが訪れた1850年代にはすでにロシアとカフカースは戦争状態でした。そしてその時から続く歴史は現代のロシア・チェチェン戦争とも繋がってきます。ロシア帝国、ソ連、現代ロシアという歴史の流れを知る上でもカフカースの歴史を知ることは大きな意味があります。

この記事ではそんなカフカースとロシアの歴史についてお話しします

ロシアの巨人トルストイ

トルストイとカフカース(コーカサス)の強いつながり~圧倒的な山岳風景とトルストイの軍隊経験

トルストイは1851年、23歳の年にカフカース(コーカサス。旧グルジア、現ジョージア)を訪れています。

そしてその圧倒的な自然やそこで出会った人々、命を懸けて戦った経験が彼の文学に大きな影響を与えています。

この記事では藤沼貴著『トルストイ』を参考にトルストイの「カフカース体験」を見ていきます。

トルストイの文学や人柄の特徴を見ていくためにもこれらは非常に参考になります。

現代ロシアとロシア・ウクライナ戦争

富樫耕介『コーカサスの紛争』~チェチェン、ナゴルノ・カラバフ、ジョージアにおける紛争とロシアについて知るのにおすすめ

「本書は、コーカサス地域の理解にしか役に立たないのではなく、現在の国際社会において様々な地域で出現している民族や国家をめぐる問題を理解する際にも役立つことを目指している。(「はじめに」より)」

まさにこの作品は複雑なコーカサス情勢を学ぶことで「他の地域の紛争を見る眼」も養うことができる参考書です。

しかもコーカサス地方の紛争はどれもロシアと関わりの深い紛争です。

ロシア・ウクライナ戦争を考える上でも新たな視点を授けてくれるおすすめの参考書です

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(6)スターリンの波乱万丈の青年期~驚くべき力を秘めたカリスマとしての姿がここに

スターリンは若い時から圧倒的な力を持っていました。育ちのいいエリート政治家ではなく、アンダーグラウンドで名の知れたギャングのトップという存在でした。こうした闇の世界でも生き残ることができる強さが混沌としたロシア革命期においてレーニンから信頼を受ける大きな要因となったのでした。