中村元の仏教入門

中村元『中村元の仏教入門』~仏教の基本を学べるおすすめ入門書!初学者にもうってつけの名著

本書は中村元先生の講義録を基にして作られた作品です。中村元先生は1999年に亡くなられました。その中村元先生の講義の雰囲気を感じられる本書はまさに貴重な一冊となっています。

中村元先生の教えは仏教を思想だけでなく、時代背景や実際にインドを訪れた体験を通して語るところにその特徴があります。初学者でもわかりやすい言葉で興味深い内容をたくさん語ってくれる中村元先生です。仏教の入門書としてまず間違いないでしょう。

この本は仏教の基本を学びたい方への格好の入門書です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

聖なるもののかたち

立川武蔵・大村次郷『聖なるものの「かたち」―ユーラシア文明を旅する』~人々の生活から「宗教とは何か」を問う

私たちは何もを以て「聖なるもの」を感じるのでしょうか。そもそも「聖なるもの」とは何なのか。

この本ではそれを「具体的に」見ていきます。水や火、大地、食べ物、聖像、舞踊など様々な具体例を丁寧に見ていきます。

この本では写真も多数掲載されていて、まるで異世界を見ているかのような気持ちになります。こういう世界が現実に今もなおあるのだと驚くと思います。

そうした驚きが自分たちの宗教や文化との新たな出会いも促してくれるのではないでしょうか。

宗教を学ぶ入門書としてもこの本は非常に優れていると思います。ぜひおすすめしたい作品です。

ゴータマ・ブッタ

中村元『ゴータマ・ブッダ』~原典を駆使して「人間ブッダ」を明らかにした伝記。神話化されていないブッダの姿とは

神話化されていない仏伝。それがこちらの『ゴータマ・ブッダ〈普及版〉』です。

正直、私たちが普段馴染んでいる仏伝や思想とは異なるものも書かれていますので、驚くこともあるかもしれません。まして日本の僧侶側からすると都合の悪い点もないとは言い切れません。ですがそうして都合の悪いことを隠したりごまかしたりしては思想の発展や仏道は閉ざされてしまいかねません。歴史を検証できる今だからこそそうした事実に向き合い、改めて私自身のあり方を問うことが大切なのではないでしょうか。

ヒンドゥー教巡礼

立川武蔵『ヒンドゥー教巡礼』~インドの聖地を巡り、ディープな宗教的世界を感じられる作品

実は私も近々インドを訪れる予定です。この本を読んでいると、インドへの興味がどんどん増していきます。これまで知らなかったインドの聖地や文化をこの本で学ぶことができました。この本に出ていた聖地にぜひ行ってみたいと私は今思っています。僧侶である私にとってインドの仏跡は馴染み深いものではありましたが、ヒンドゥー教の聖地となるとほとんどわかりませんでした。ですがこの本のおかげで「ここはぜひ行きたい!」というビジョンがはっきりとしてきました。これはありがたい案内書です。新書ということで手にとりやすく、写真も豊富ですので気軽に楽しめる素晴らしい一冊です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

ゾラの書斎

名刺代わりの小説10選~恥ずかしながら、私、こんな人間です

今回の記事では私がこれまでに最も影響を受けた小説をご紹介していきます。

「名刺代わりの小説10選」という名の通り、これらの作品は私の思考形成に強力な作用を与えています。私という人物のまさに自己紹介的な本達の紹介になりますので、正直少し恥ずかしいと言いますか、できれば紹介しないままでもいいのではないかとも思ったのですが思いきって記事にしてみることにしました。

古代インドの神秘思想

服部正明『古代インドの神秘思想 初期ウパニシャッドの世界』~ショーペンハウアーとインド思想のつながりも知れる名著

この本は古代インド思想の奥義とも言えるウパニシャッド哲学について説かれた作品です。

そしてこの記事のタイトルにも書きましたように、この本の序盤では古代インド思想とショーペンハウアーのつながりについても説かれます。

これまで当ブログでもショーペンハウアーについて見てきましたが、彼と古代インドのつながりやそれがヨーロッパ社会に与えた影響も詳しく知れたのはとても興味深かったです。

そしてこの本のメインテーマ、ウパニシャッドについてですが、やはり手強い相手です。古代インド思想という、私たちがなかなか接することがない何とも謎な存在ですが、この本では難解な哲学としてというより、神秘思想とのつながりを中心に解説されていきます。

インド神話物語百科

M・J・ドハティ『インド神話物語百科』~ヒンドゥー教の大枠や時代背景を知れるおすすめ解説書!

この本を読んでいると、ヒンドゥー教の死生観や来世観についても知ることになります。当時の時代背景と絡めながらそれらのことを考えていくと、仏教というものがまさに「インドの文脈」から生まれてきたのだということを強く感じることになりました。

仏教の思想やそこで使われる用語、概念がまさにヒンドゥー教の世界から生まれてきたのだということを改めて実感したのです。仏教から遡りインドの歴史や文化を知ることで見えてくるものがある。それを確信した読書になりました。これは面白いです。仏教に対する新たな視点をくれる素晴らしい作品だと思います。

ヒンドゥー教

森本達雄『ヒンドゥー教―インドの聖と俗』~インド入門におすすめ!宗教とは何かを考えさせられる名著!

謎の国インド。同じアジアでありながら異世界のようにすら思えてしまうインドについてこの本では楽しく学ぶことができます。著者の語りもとてもわかりやすく、複雑怪奇なインド世界の面白さを発見できます。「なぜインドはこんなにも独特なのか」ということを時代背景と共に知ることができますのでこれは興味深いです。

これは面白い本でした。どんどんインド沼にはまりつつある自分を感じています。

ぜひぜひおすすめしたい一冊です。

ギリシア悲劇

丹下和彦『ギリシア悲劇』~ギリシア悲劇の奥深さを学べるおすすめ入門書

この作品ではギリシア悲劇の起源やその流れをまず序章で学ぶことになります。

そこから時代順に、アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスというギリシア悲劇の重鎮たちの作品を通してその奥深さを考察していく流れになります。時代を経ていくにつれて悲劇の内容がどう変わっていったのかが非常にわかりやすく説かれているのでこれはとてもありがたかったです。

名前は知っていてもなかなかその中身までは知らないギリシア悲劇。そのギリシア悲劇の奥深さを知れるおすすめの入門書です。

有閑階級の理論

ヴェブレン『有閑階級の理論』~富や欲望、人間心理の秘密を赤裸々に暴露!爆弾発言満載の名著!

「この本を読んだ人は、モノの消費をこれまでと同じように見ることはできまい。」

まさにその通り!この本では「それを言っちゃあおしめぇよ」と思わず言いたくなる赤裸々な爆弾発言がどんどん出てきます。ですがよくよく考えてみると、「うん、たしかにヴェブレンの言う通りかもしれない・・・」と頷かざるをえない気持ちになってきます。

この本ではとてつもなく刺激的な言葉がどんどん出てきます。これはぜひ読んで体感してみてくださいとしか言いようがありません。ぜひヴェブレンの爆弾発言を堪能して頂けたらと思います。

宇沢弘文を通してこの本と出会えたのは本当に嬉しいものがありました。私の中でも強烈なインパクトを残した作品でした。ぜひぜひおすすめしたい作品です。