イタリアルネサンスと知の革命

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マキャヴェッリ『君主論』あらすじと感想~ダ・ヴィンチと同時代のフィレンツェ人による政治論

マキャヴェッリの『君主論』といえばマキャヴェリズムという言葉があるように、厳しい現実の中で勝ち抜くためには冷酷無比、権謀術数、なんでもござれの現実主義的なものというイメージがどうしても先行してしまいます。

たしかに『君主論』の中でそうしたことが語られるのは事実です。

ですが、「マキャヴェッリがなぜそのようなことを述べなければならなかったのか」という背景は見過ごされがちです。

当時のイタリアの政治状況はかなり特殊な状況です。

そのことについてこの記事では考えていきます

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サマセット・モーム『昔も今も』あらすじと感想~マキャヴェリの『君主論』のモデル、チェーザレ・ボルジアを知るのにおすすめ!

2人の天才、マキャヴェリとチェーザレ・ボルジアが織りなす濃密な人間ドラマ!そして彼らが生きたイタリアの時代背景も知れます。ドラマチックなストーリー展開の中に『君主論』を思わせる名言が出てきたり、人間臭いマキャヴェリの姿も知れたりと非常に盛りだくさんな作品となっています。

『昔も今も』はそれ自体でも極上の歴史小説ですが、『君主論』の手引書としてもぜひおすすめしたいです。非常に面白い作品でした。ルネッサンスの時代背景を知る上でもとても参考になります。

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高階秀爾『フィレンツェ 初期ルネッサンス美術の運命』メディチ家やイタリアの時代背景を知るのにおすすめ!

この本ではルネッサンスが生まれてくるその時代背景、政治状況を詳しく知ることができます。フィレンツェといえばダ・ヴィンチのイメージもありますが、彼自身はここで芸術家として成長したものの、その才能を完全に発揮させたのはこの街ではありませんでした。なぜフィレンツェではなく他の街でそうなったのか。それもこの街の政治情勢やフィレンツェ人の気質などが関係しています。

ダ・ヴィンチを通してルネッサンスやフィレンツェに興味を抱くようになった私ですが、これまで学んできた色々なものとつながってくる非常に興味深い読書になりました。

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W・アイザックソン『レオナルド・ダ・ヴィンチ』~映画化決定!人間ダ・ヴィンチを知れるおすすめ伝記!

ダ・ヴィンチがある種の巨大な才能を持っていたことは確かです。ですがだからといって私たちが彼を圧倒的な超人として遠ざけてしまっては大切なことを見逃してしまうことになります。私達はダ・ヴィンチから学ぶことができる。私たちも彼に習ってできることがあるのではないか。

そのような立場から著者はダ・ヴィンチを論じていきます。スティーブ・ジョブズの伝記を書いたアイザックソンらしい非常に刺激的な一冊でした。

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『もっと知りたいラファエッロ 生涯と作品』~『システィーナの聖母』を描いたルネッサンスの天才のおすすめ入門書!

この本では一枚一枚の絵を解説付きでじっくりと見ていくことになります。ラファエロの生涯を辿りながら時代順に作品を見ていくので作風の変化なども感じることができます。

ラファエロの作品や生涯を辿る入門書として本書は非常におすすめです。