伊藤計劃

ディストピア・SF小説から考える現代社会

オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』あらすじと感想~『一九八四年』と並ぶディストピア小説の傑作

『一九八四年』が徹底した管理社会の構築によって完成された暗い世界を描いているのに対し、この作品ではそんな暗さがありません。そこに生きる人たちはあくまで幸福なのです

ですが、その不気味な幸福さとその幸福がいかにして出来上がっているかに私たち読者は恐怖や違和感を覚えることになります

SF、ディストピア小説の王道中の王道です!おすすめ!

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

P・ルセサバキナ『ホテル・ルワンダの男』~虐殺は「言葉」から始まった…恐るべき民族虐殺の実態とは

ルワンダの虐殺中、危険を顧みずおよそ1200人もの人の命を救ったホテルマンの物語。この出来事は映画化され、世界中でヒットしました。 この本もルワンダの虐殺を知る上で非常に貴重な一冊です。

なぜ人々はあっという間に虐殺者に変わってしまったのか。彼はその原因を「言葉」だと言います。私はこの本を初めて読んだ時、鳥肌が立ちました。この「言葉」を聴いて私は伊藤計劃さんの『虐殺器官』を連想してしまったのです。