ヒンドゥー教

インダスインド思想と文化、歴史

『NHKスペシャル 四大文明 インダス』~貴重な写真や図版多数!入門書におすすめ!

この本はNHKスペシャルの取材が基になった作品で、インダス文明のおすすめの入門書となっています。

この本ではドービードーラーという当時発見されたばかりの貴重な遺跡や、インダス文明全体の貴重な写真や図版がたくさん紹介されています。また、普段私たちがなかなか触れることのない古代インドの世界をわかりやすく解説してくれます。私はこの本がインダス文明の本では一番最初に読んだ本でしたが、スムーズに読んでいくことができました。入門書として非常にクオリティーの高い逸品です。

インド思想と文化、歴史

シューマッハー『スモール・イズ・ビューティフル』~仏教経済学を提唱!経済成長至上主義の現代のあり方に警鐘を鳴らした作品

シューマッハーはイギリスを拠点にした経済学者で、際限なく拡大する経済に警鐘を鳴らし、自然との共存を前提とした経済に移行することを提唱しました。

そしてなんと、シューマッハーは「仏教経済学」なるものをこの本で説きます。仏教的な世界の見方を通して持続可能な経済を求めていく、そうした説を彼は提唱するのです。

西欧をまるまま「理想視」する傾向が未だに強いように感じる昨今、こうした問題提起を与えてくれる本書はとても貴重なものなのではないでしょうか。ぜひおすすめしたい一冊です。

ニーチェとドストエフスキー

ニーチェ『反キリスト者(アンチクリスト)』あらすじと感想~ドストエフスキー「大審問官の章」や仏教とのつながりについて

『アンチクリスト』は西尾幹二が述べるように私もニーチェ作品の中でも特に優れた作品であるように思えます。何より、読みやすい!そしてその思想の強烈たるや!この本はニーチェ作品の中で私の一番のお気に入りの作品です。ドストエフスキーが好きな方には特におすすめしたい1冊です。

また、個人的にこの作品で興味深かったのが仏教とのつながりです。この作品ではキリスト教に対して容赦ない攻撃を浴びせかけますが、仏教に対してはかなり好意的です。なぜニーチェが仏教に好意的だったのかもこの作品で知ることができます。

ニーチェとドストエフスキー

橋本智津子『ニヒリズムと無ーショーペンハウアー/ニーチェとインド思想の間文化的解明』~ニヒリズムと仏教思想の繋がりを学ぶのにおすすめ

橋本智津子『ニヒリズムと無ーショーペンハウアー/ニーチェとインド思想の間文化的解明』概要と感想~ショーペンハウアー、ニーチェのニヒリズムと仏教思想の繋がりを学ぶのにおすすめ! フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900)…

ブッダの真理のことば仏教コラム・法話

中村元訳『ブッダの真理のことば』~簡潔で心に響く原始仏教のエッセンスを知るならこの1冊!

『真理のことば』はひとつひとつの文が簡潔で、非常にわかりやすいです。哲学的なものというより生活実践としての言葉がそのほとんどを占めます。ですのでとてもわかりやすく、すっと心に染み入ってきます。

そうしたわかりやすさ、率直さ、簡潔さがあったからこそこのお経が世界中で親しまれることになったのです。

仏教入門としてこのお経は非常に優れています。お釈迦様が説かれていた教えに触れるにはこのお経が非常におすすめです。

ショーペンハウアー哲学者ショーペンハウアーに学ぶ

生きる意味とは?絶望の時代にどう生きる―ショーペンハウアーを読んで感じたこと

ショーペンハウアーの本を読み、考え、記事にするのはなかなかに厳しい時間でした。普段の数倍疲労感がたまり、気持ちも落ち込みました。

しかしだからこそショーペンハウアーの悲観主義を乗り超えねばならぬとも感じました。ドストエフスキーやトルストイはその偉大なる先達なのだと改めて感じたのでありました。あの時代の文豪たちがなぜあそこまで本気で「生きること」について思索し続けていたのかが少しわかったような気がしました。

絶望の時代だったからこそ彼らは「生きること」に真剣になっていたのだと。そしてその葛藤を文学にぶつけていたのだと。

幸福について哲学者ショーペンハウアーに学ぶ

ショーペンハウアー『幸福について』あらすじと感想~仏教に強い影響を受けたショーペンハウアー流人生論

「幸福は蜃気楼である。迷妄である」

『幸福について』というタイトルから「人生を幸福なものにするための方法」を教えてもらえるのかと思いきや、いきなり幸福など幻に過ぎぬとばっさり切ってしまうあたりショーペンハウアーらしさ全開です。

この本ではショーペンハウアーが「人々の信じる幸福の幻影」を木っ端みじんにし、どう生きればよいのか、真の幸福とは何かを語っていきます。

彼の主著『意志と表象としての世界』と違って、話も短く具体的でとても読みやすくなっています。ショーペンハウアー入門として最適です。

意志と表象としての世界哲学者ショーペンハウアーに学ぶ

ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』を読んで

『意志と表象としての世界』はかなりの大作です。これを完全に理解するのは当時の人たちにとっても現代の私達にとっても至難の業です。

しかも驚くべきことに著者のショーペンハウアー自身が序文でとてつもないことを述べるのです。

彼はまず言います。この本は2回読まねばわからぬと。

こんな難しくてしかも長い本を2回も読めと。しかも1回目はまずわからないだろうから忍耐が必要だと最初から宣言するのです。さすがショーペンハウアー、言うことが違います。

他にも驚きの言葉がどんどん出てきます。やはりこの作品は一筋縄ではいきません

ショーペンハウアー哲学者ショーペンハウアーに学ぶ

厭世思想(ペシミズム)の大家ショーペンハウアーとドストエフスキー

不思議なことにドストエフスキーその人にはあまりショーペンハウアーの影がありません。同時代のツルゲーネフやトルストイは彼に強い関心を持っていたのにドストエフスキーはそうではなかった。この事実は逆に興味をそそります。

また、ショーペンハウアーは仏教の影響を受けた哲学者としても有名です。いつか読んでみたいと思ってはいたのですがそれが延び延びになってしまっていた哲学者です。

これもいい機会ですのでこれよりショーペンハウアーを読んでいきたいと思います。