エンゲルス

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

ソ連の革命家レーニンとは「レーニンに学ぶ」記事一覧

16回にわたって『レーニン 権力と愛』を読んできました。

私自身、この本を読んでぎょっとすることばかりで、思わず声を出してしまうくらい夢中になって一気に読んでしまいました。こんなに刺激的な本はなかなかありません。

そして何より、レーニンは名前は知ってはいても日本においてはかなりマイナーな存在です。私もソ連史を学ぶまでほとんど彼のことを知りませんでした。

しかしこの本を読んで、レーニンを学ぶことは現代を学ぶことに直結することを痛感しました。

レーニンの政治手法は現代にも通じます。この本ではそんなレーニンの恐るべき政治的手腕を見てきました。彼のような政治家による恐怖政治から身を守るためにも、私たちも学んでいかなければなりません。

ドストエフスキー論

ジイド『ドストエフスキー』~ノーベル賞フランス人作家による刺激的なおすすめドストエフスキー論

『ソヴェト旅行記』と同じく新潮社版のジイド全集は旧字体で書かれているので一瞬面を食らうのですが、読み始めてみるととジイドの筆が素晴らしいのかとても読みやすいものとなっていました。

そして何より、ドストエフスキーに対する興味深い見解がいくつもあり、目から鱗と言いますか、思わず声が出てしまうほどの発見がいくつもありました。今まで疑問に思っていたことや、かゆいけど手が届かなかった微妙なところをとてもわかりやすく解説してくれます。

フランス人作家ということでバルザックなどフランス文学との対比によってドストエフスキーを語ってくれるのも非常にありがたかったです。

この本は本当にすごいです。出版は1923年ということで、ドストエフスキー論の古典として有名な本ですがその内容は全く古びていません。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

『共食いの島 スターリンの知られざるグラーグ』~人肉食が横行したソ連の悲惨な飢餓政策の実態

この本ではこうした人肉食が起こるほどの飢餓がなぜ起きたのか、なぜロシアがこれほどまでに無秩序な無法地帯になってしまったのかが語られます。
この本はかなりショッキングな内容の本ですが、大量殺人の現場で何が起きていたのか、モスクワとシベリアの官僚たちのやり取り、ずさんな計画を知ることができます。

そして何より絶望的な飢餓の状況で人間はどうなってしまうのかということ。

ロシアを知るだけではなく、人間の歴史を知る上でも非常に重要な示唆が詰まった本となっています。とてもおすすめです。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(9)時代が味方したスターリン~スターリンはスターリンのみにあらず

スターリンその人に才能があったことは確かですが、時代がそれを求めていなければ表舞台に上がることなく消えていくのが定めです。スターリンが登場したのはまさにスターリンがその力を発揮するのにもっとも適したタイミングだったのです。

革命の暴力的な状況はスターリンをロシアの巨大な指導者へと成長させていく場となりました。そのような状況があったからこそスターリンが生まれ、スターリンがいるからこそ暴力的な支配構造がどんどん確立していく相互作用が生まれたのでありました。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(8)ギャングの統領として圧倒的なカリスマを見せるスターリン~ジョージア裏社会のボスとしての姿とは

秘密警察に追われ、地下に潜伏した「ソソ」ことスターリン。

彼はその類まれなカリスマと指導力でいつしかギャングの統領のような立場になっていました。

スターリンはグルジアの武装組織を指導するまでになっていました。そして単に武装勢力を指導するだけでなく、地域の有力者たちとのつながりまで獲得します。ここまで来ると単に強いだけではなく、圧倒的なカリスマと交渉能力、世の中を読む力がないとできません。この時すでにスターリンは後の姿の片鱗を見せ始めていたのでありました。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(7)スターリンの故郷ゴリの驚くべき荒くれっぷりと読書家スターリンの誕生 

スターリンはグルジア(ジョージア)のゴリという街に生まれました。

このゴリという街がとにかく強烈です。その強烈っぷりはこの記事で詳しく見ていきますが、とてつもない荒くれものたちの巣窟だったのです。

そんな荒くれものの巣窟に育ったスターリンでありますが驚異の読書家ぶりを発揮しています。この時の読書がスターリンの生涯に大きな影響を与えることになりました。この記事ではそんなスターリンの読書についてもお話ししていきます。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(6)スターリンの波乱万丈の青年期~驚くべき力を秘めたカリスマとしての姿がここに

スターリンは若い時から圧倒的な力を持っていました。育ちのいいエリート政治家ではなく、アンダーグラウンドで名の知れたギャングのトップという存在でした。こうした闇の世界でも生き残ることができる強さが混沌としたロシア革命期においてレーニンから信頼を受ける大きな要因となったのでした。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

モンテフィオーリ『スターリン 青春と革命の時代』~スターリンの怪物ぶりがよくわかる驚異の伝記!

前作の『スターリン 赤い皇帝と廷臣たち』も刺激的でかなり面白い書物でしたが、続編のこちらはさらに面白いです。独裁者スターリンのルーツを見ていくのは非常に興味深いものでした。

彼の生まれや、育った環境は現代日本に暮らす私たちには想像を絶するものでした。暴力やテロ、密告、秘密警察が跋扈する混沌とした世界で、自分の力を頼りに生き抜かねばならない。海千山千の強者たちが互いに覇を競い合っている世界で若きスターリンは生きていたのです。

この本を読めばスターリンの化け物ぶりがよくわかります。運だけで独裁者になったのではありません。彼は驚くべき経験を経てカリスマへと成長していったのです。その過程を学ぶことは世界の歴史や戦争とは何かを学ぶ上で非常に重要な示唆を与えてくれるものであると思います。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(4)スターリンとイワン雷帝のつながり~流血の上に成立する社会システムとは

スターリンは自らを16世紀のロシア皇帝イワン雷帝になぞらえていました。

イワン雷帝はロシアの歴史を知る上で非常に重要な人物です。

圧倒的カリスマ、そして暴君だったイワン雷帝。彼も恐怖政治を敷き、数え切れないほどの人間を虐殺し拷問にかけました。

しかしその圧倒的な力によってロシア王朝を強大な国家にしたのも事実。こうした歴史をスターリンも意識していたのでしょう。

スターリンとイワン雷帝の比較は非常に興味深い問題です。