ショーペンハウアー『自殺について』あらすじと感想~なぜ自殺はいけないのか―キリスト教の死生観への反論
当時のキリスト教の教義では自殺が禁じられていて、自殺したものは正規の葬儀も行ってもらえず罪人として扱われてしまっていたのでした。
ですがショーペンハウアーはこれに疑問を投げかけます。この論稿はそうしたショーペンハウアーの自殺についての考察が展開されていきます
150年以上も前に書かれた本ですがこの本に書かれた問題は今もなお重大な意味を持っています。
当時のキリスト教の教義では自殺が禁じられていて、自殺したものは正規の葬儀も行ってもらえず罪人として扱われてしまっていたのでした。
ですがショーペンハウアーはこれに疑問を投げかけます。この論稿はそうしたショーペンハウアーの自殺についての考察が展開されていきます
150年以上も前に書かれた本ですがこの本に書かれた問題は今もなお重大な意味を持っています。
「幸福は蜃気楼である。迷妄である」
『幸福について』というタイトルから「人生を幸福なものにするための方法」を教えてもらえるのかと思いきや、いきなり幸福など幻に過ぎぬとばっさり切ってしまうあたりショーペンハウアーらしさ全開です。
この本ではショーペンハウアーが「人々の信じる幸福の幻影」を木っ端みじんにし、どう生きればよいのか、真の幸福とは何かを語っていきます。
彼の主著『意志と表象としての世界』と違って、話も短く具体的でとても読みやすくなっています。ショーペンハウアー入門として最適です。
『意志と表象としての世界』はかなりの大作です。これを完全に理解するのは当時の人たちにとっても現代の私達にとっても至難の業です。
しかも驚くべきことに著者のショーペンハウアー自身が序文でとてつもないことを述べるのです。
彼はまず言います。この本は2回読まねばわからぬと。
こんな難しくてしかも長い本を2回も読めと。しかも1回目はまずわからないだろうから忍耐が必要だと最初から宣言するのです。さすがショーペンハウアー、言うことが違います。
他にも驚きの言葉がどんどん出てきます。やはりこの作品は一筋縄ではいきません
不思議なことにドストエフスキーその人にはあまりショーペンハウアーの影がありません。同時代のツルゲーネフやトルストイは彼に強い関心を持っていたのにドストエフスキーはそうではなかった。この事実は逆に興味をそそります。
また、ショーペンハウアーは仏教の影響を受けた哲学者としても有名です。いつか読んでみたいと思ってはいたのですがそれが延び延びになってしまっていた哲学者です。
これもいい機会ですのでこれよりショーペンハウアーを読んでいきたいと思います。
ツルゲーネフがバザーロフというニヒリストを生み出すと、それ以降現実世界においてそのような人は「バザーロフ的人間」とか「ニヒリスト」と呼ばれることになりました。
この影響力たるやすさまじいものがあります。
これをやってのけたツルゲーネフの観察者、芸術家としての能力はやはりずば抜けているなと感じました。
『父と子』は読みやすく、とてもおすすめな作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
概要とあらすじでは主人公の少女ポリーヌがダメ人間ラザールに恋をしてしまう可哀そうな物語とお話ししましたが、そこはゾラ師匠。単なる優しい女の子の残念な恋愛で終わらせません。
実はゾラはラザールに当時大流行していたショーペンハウアー的なペシミズム(悲観主義、厭世主義)を意図的にまとわせ、それに対置する形で生きる歓びを体現するポリーヌを立たせているのです。
そうしてゾラは当時大流行していたペシミズムに対する反論を述べようとしているのでした