演劇

退屈な話ロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『黒衣の僧』あらすじと感想~天才と狂気は紙一重?思わず考えずにはいられない名作

天才とは何なのか。逆に言えば狂気とは何なのか。人と違ったことを考えたり、人と違うものが見えることが狂気であるならば、天才とはもれなく治療の必要な狂人となってしまうではないか。

そして巷でもてはやされる天才が結局そうではない以上、凡人が天才として祭り上げられているに過ぎないのではないか。そんな世の中などうんざりだと主人公コーヴリンは語ります。

これはとても考えさせられますよね。

天才ってそもそもなんだろう。狂気と紙一重のものなのではないだろうか。

これはとても面白いテーマです。そして同時に恐ろしくもあります。そんな恐るべき深淵をチェーホフは得意のシンプルな語りで問いかけてきます。

仮装した人びとロシアの大作家チェーホフの名作たち

チェーホフ『仮装した人びと』あらすじと感想~チェーホフの特徴を知るならまずはこの作品

目に見える姿と真実の姿のずれ。

特に傍から見れば羨ましく思えてしまうようなものにこそ実は悲しむべき真の姿がある。そうしたことを思わされます。

チェーホフ文学の特徴が非常にわかりやすく出ているのがこの作品です。

短い物語の中にチェーホフらしさが凝縮されています。非常におすすめです。

チェーホフ芸術の世界ロシアの大作家チェーホフの名作たち

佐藤清郎『チェーホフ芸術の世界』~チェーホフ作品における思想を知るならこの1冊!

チェーホフ作品を読んでいると、これはまるで仏教書ではないかと思うことが多々ありました。

彼の小説がそのまま仏教の教科書として使えてしまうくらい、それくらい仏教に通じる物語を書いていたのです。これは驚きでした。

なぜチェーホフがそのような思想を持つようになったのかということを、『チェーホフ芸術の世界』ではわかりやすく解説してくれます。

これから先チェーホフ作品をご紹介していきますが、基本的にはこの著作を参考にして読んでいきたいと思います。

チェーホフの生涯ロシアの大作家チェーホフの名作たち

佐藤清郎『チェーホフの生涯』~チェーホフの生涯をもっと知るのにおすすめの伝記!

チェーホフの生涯をもっと知るならこの1冊!佐藤清郎『チェーホフの生涯』概要と感想 『チェーホフの生涯』は佐藤清郎氏によって1966年に筑摩書房より発行されました。 著者の佐藤清郎氏は私のブログでも何度も紹介させて頂きまし…

弦巻楽団名作の宝庫・シェイクスピア

弦巻楽団『ユー・キャント・ハリー・ラブ!』札幌発のオススメ演劇!堅物シェイクスピア学者のドタバタラブコメ

ここまでシェイクスピアの作品を紹介してきましたが、私の中でシェイクスピアと言えばこの『ユー・キャント・ハリー・ラブ!』は外せない舞台です。

ふとしたきっかけから2018年に札幌で初めてこの舞台を観て以来すっかりはまってしまい、それ以来東京まで出向いて2日連続で観に行ってしまうほど私のお気に入りの作品となってしまいました。

この作品には不思議な魅力があります。観る者の心をふっと軽くしてくれるような爽やかさがあります。

この作品を初めて観た日の帰り道の満足感、幸福感たるや!ぜひおすすめしたい演劇です!

ジュリアス・シーザー名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』あらすじと感想~カエサルの名言「ブルータス、お前もか」で有名な傑作

「賽は投げられた」、「ルビコン川を渡る」、「来た、見た、勝った」、「ブルータス、お前もか」

これらを見てピンとくる方もおられると思います。

私自身、ジュリアス・シーザーという名ではピンと来なかったのですが、この人物のローマ式の本名はと言いますと、ガイウス・ユリウス・カエサルとなります。

『ジュリアス・シーザー』は私の中でも強烈な印象を残した作品でした。あらすじや背景を知ってから読むと最高に面白い作品でした。非常におすすめです。

リア王名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『リア王』あらすじと感想~世界最高峰の傑作悲劇!「誰が言えよう、『俺も今がどん底だ』などと?」

この作品はリア王を含め幾人もの人間が悲惨な運命を辿ります。その悲惨さは目を覆いたくなるようなものがあり、彼らの悲痛な叫びには思わず圧倒されてしまいます。

ですがこの作品は単に悲劇的な厭世的な物語というわけではありません。苦痛の中にこそ人間の偉大さや測り知れぬ神秘があるのだと述べられています。

苦悩の中に救いがある。これはドストエフスキーにも通ずるものが感じられます。

単に苦悩が絶望になるのではなく、そこにこそ人間の奥深さがあることに目を向けたという点でもこの悲劇作品の偉大たる所以があるように私には思えました。

ヴェニスの商人名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『ヴェニスの商人』あらすじと感想~機知に富んだ見どころ満載の名作喜劇

この作品の大筋は借金を返せなかったアントーニオーと高利貸しシャイロックとの対決なのですが、そこはシェイクスピア。このメインストーリーと並行して続いていくお話がこれまた面白い!

そしてシェイクスピアはこの作品で悪徳な守銭奴、吝嗇漢の象徴となったシャイロックを生み出しました。シャイロックの造形はこれ以降、世界中の文学者たちにインスピレーションを与えることになります。

オセロー名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『オセロー』あらすじと感想~勇将オセローの嫉妬と激情の悲劇!イアーゴーの巧みな騙しのテクニック

この作品はオセローが主人公ではありますが、実はイアーゴーの方が出番が多く、しかも生き生きと描かれます。イアーゴーがタイトルでもいいくらい彼の奮闘ぶり、策の鮮やかさが描かれています。

『アラジン』のイアーゴもそうですが、人を騙す悪役ではあるのですがなぜか憎めない不思議な魅力があります。そんなイアーゴーの立ち回りもぜひ楽しんでみてください。

個人的にこの作品は大好きな作品です。人間の狂気、混沌を覗くかのような感覚を味わうことが出来ます。シェイクスピア作品でも屈指のおすすめ作品です。

ロミオとジュリエット名作の宝庫・シェイクスピア

シェイクスピア『ロミオとジュリエット』あらすじと感想~圧倒的スピード感で進展する恋!恋愛劇の王道!

『ロミオとジュリエット』は悲劇的な純愛のドラマというイメージがかなり根強くありましたが、ロミオが実はその直前まで他の女性を狂うほど熱愛していたという事実はなかなかに衝撃的でした。読んでみてびっくりでした。

そういう発見があるという意味でもこの作品を読んでみるのはとても面白いです。もちろん、恋愛悲劇という本筋もさすがはシェイクスピア。傑作と言われるだけあります。物語の展開に引き込まれ、ぐいぐい読まされてしまいます。

シェイクスピアの中でも随一の知名度を誇る『ロミオとジュリエット』、とてもおすすめな作品です。