神野正史『世界史劇場 ナチスはこうして政権を奪取した』~ヒトラーの権力掌握の過程を知るのにおすすめな参考書!
民主主義であったはずのドイツがなぜ全体主義へと突き進んでいったのか。
これは日本においても当てはまる事象です。
ナチスを学ぶことは私達の歴史を学ぶことにもつながります。
この本ではいつものごとく、神野氏の絶妙な解説で進んで行きます。とにかく面白く、読みやすいです。ドイツの流れをまずは知りたいという方には非常におすすめな1冊となっています。
民主主義であったはずのドイツがなぜ全体主義へと突き進んでいったのか。
これは日本においても当てはまる事象です。
ナチスを学ぶことは私達の歴史を学ぶことにもつながります。
この本ではいつものごとく、神野氏の絶妙な解説で進んで行きます。とにかく面白く、読みやすいです。ドイツの流れをまずは知りたいという方には非常におすすめな1冊となっています。
第二次世界大戦とは実際にどのような戦争だったのか。ナチスはどのように動いたのか。スターリン率いるソ連はそれにどのように対抗したのか。イギリス、フランス、アメリカは?
複雑怪奇な国際情勢をこの本では学べます。そして単に出来事の羅列ではなくなぜ歴史がそのように動いたのかという「なぜ」を神野氏は強調していきます。ここが『世界史劇場』シリーズの素晴らしいところだと思います。単なる暗記ではなく、「なぜ」を考える思考力を鍛えてくれるところにこの本の特徴があると私は思っております。非常におすすめな一冊です。
この本は今とても売れているそうで、2020年新書大賞の1位を獲得しました。
この本では独ソ戦がなぜ始まったのか、そしてどのように進んで行ったかがわかりやすく解説されています。
そしてこの戦争における巨大な戦闘、モスクワ攻防戦、レニングラード包囲戦、スターリングラード攻囲戦についても解説していきます。独ソ戦の勝敗を決定づけるこれらの巨大な戦いとは一体どんなものだったのか。信じられないほどの犠牲者を出した圧倒的な戦いを私たちは知ることになります。
わかりやすく、そして読みやすい!そして新書サイズの本で巨大な独ソ戦がコンパクトにまとめられているのもありがたいです。
戦争がいかに人間性を破壊するか。
いかにして加害者へと人間は変わっていくのか。
人々を戦争へと駆り立てていくシステムに組み込まれてしまえばもはや抗うことができないという恐怖。 平時の倫理観がまったく崩壊してしまう極限状態。
独ソ戦の凄まじい戦禍はそれらをまざまざと私たちに見せつけます。
もちろん太平洋戦争における人々の苦しみを軽視しているわけではありません。 ですが、あえて日本から離れた独ソ戦を学ぶことで戦争とは何かという問いをより客観的に学ぶことができます。だからこそ私はあえて独ソ戦を学ぶことの大切さを感じたのでした。
ノーマン・M・ネイマーク『スターリンのジェノサイド』概要と感想~スターリン時代の粛清・虐殺とは ヨシフ・スターリン(1878-1953)Wikipediaより ノーマン・M・ネイマーク著、根岸隆夫訳『スターリンのジェノサ…
スターリンはグルジア(ジョージア)のゴリという街に生まれました。
このゴリという街がとにかく強烈です。その強烈っぷりはこの記事で詳しく見ていきますが、とてつもない荒くれものたちの巣窟だったのです。
そんな荒くれものの巣窟に育ったスターリンでありますが驚異の読書家ぶりを発揮しています。この時の読書がスターリンの生涯に大きな影響を与えることになりました。この記事ではそんなスターリンの読書についてもお話ししていきます。
スターリンは自らを16世紀のロシア皇帝イワン雷帝になぞらえていました。
イワン雷帝はロシアの歴史を知る上で非常に重要な人物です。
圧倒的カリスマ、そして暴君だったイワン雷帝。彼も恐怖政治を敷き、数え切れないほどの人間を虐殺し拷問にかけました。
しかしその圧倒的な力によってロシア王朝を強大な国家にしたのも事実。こうした歴史をスターリンも意識していたのでしょう。
スターリンとイワン雷帝の比較は非常に興味深い問題です。
スターリンは仕事人間で家庭をまず顧みませんでした。しかしナージャとスターリンは度々喧嘩しながらも心を開いて会話ができる関係でした。スターリンにとって心許せる唯一のパートナーだったのです。
しかしソ連中枢部の異様な状況、つまり政治的策謀やスターリンの奔放な態度にナージャは精神を病んでいきました。そしてとうとう、彼女は自分の心臓を銃で打ち抜き自殺してしまったのです。
さすがのスターリンも妻の自殺にショックを受けたそうです。何百万人もの人を平気で殺した独裁者も妻の死には涙を流し、激しいショックを受けました。
何百万もの人たちの死に対してほんの少しでもそうした死を悼む気持ちがあったとしたら歴史は変わっていたかもしれません。いや、きっとそうならない人だからこそ独裁者になりえたということなのかもしれませんが・・・
ソ連社会では宗教はタブーとされていましたがそのソ連の仕組みそのものが宗教的なものの上に成り立っているという何というパラドックス。宗教とは何かということをテーマにこれまでも色々と考えてきましたがこれは非常に示唆に富む場面でした。
そしてスターリン政権下では少なくとも400万から500万にも人が餓死をしたというのです。それも人為的なものによって・・・
スターリン時代にこういうことが起きていたのです。しかもスターリン政権下ではそれすらも「素晴らしい新世界」を作るために正当化されたのでした・・・もはや想像を絶する規模の話と化してきました・・・
スターリン自身が「私だってスターリンじゃない」と述べた。
これは非常に重要な言葉だと思います。
スターリンはソ連の独裁者だとされてきました。しかしそのスターリン自身もソヴィエトというシステムを動かす一つの歯車に過ぎなかったのではないか。スターリンが全てを動かしているようで実はそのスターリン自身もシステムに動かされていたのではないかという視点は非常に興味深いものでした。
独裁者とは何かを考える上でこの箇所は非常に重要であると思います。