MENU

ゾラ『獲物の分け前』あらすじと感想~土地投機に熱狂する1850年代パリ。金と権力を求める人間劇!

獲物の分け前
目次

「ルーゴン・マッカール叢書」第2巻『獲物の分け前』の概要とあらすじ

エミール・ゾラ(1840-1902) Wikipediaより

『獲物の分け前』はエミール・ゾラが24年かけて完成させた「ルーゴン・マッカール叢書」の第2巻目にあたり、1872年に出版されました。

私が読んだのは論創社出版の伊藤桂子訳の『獲物の分け前』です。

訳者あとがきにはこの小説について次のように書かれています。

第一巻『ルーゴン家の誕生』においてお互い貪りあう狩猟民族とされた一族が、あらゆる社会階層へ進出していく第一番目のエピソードである。マッカール家を踏み台にして勝利を収めたルーゴン家の三男アリステイッドがクーデタ後、故郷を飛び出し、古い街から光り輝く新しい街へ大変貌をとげるパリで暗躍するさまが語られ、大臣にまで出世する長男を描く第六巻『ウージェーヌ・ルーゴン閣下』と対をなす作である。

論創社出版 伊藤桂子訳『獲物の分け前』P353

この小説は主に第二帝政期におけるパリ大改造とそれに関わる土地投機、金融操作が小説の主題となっています。パリ大改造についてはナポレオン3世とフランス第二帝政の特徴6つをざっくりとの記事でも少し触れましたが、第二帝政期の時代を知る上で大きな出来事でありました。

あわせて読みたい
ナポレオン三世とフランス第二帝政の特徴6つをざっくりと解説!現代社会を形作ったユニークな改革とは ナポレオン三世はあのナポレオン・ボナパルトの血を引き、フランス二月革命後の政治混乱に乗じて1851年にクーデターを実行、そして1852年からフランス皇帝となった人物です。 この記事では鹿島茂氏の『怪帝ナポレオンⅢ世―第二帝政全史』を参考に、後期ドストエフスキー時代に大きな影響を与えたフランス第二帝政についてざっくりとお話ししていきます。

では、あらすじを見ていきましょう。

物語は一八六二年晩秋、ブーローニュの森をルネと義理の息子マクシムが家路につくシーンで始まる。

ルネの疼くような欲望がはっきりとした形をとり、マクシムとの道ならぬ関係へと進む。二人はオスマン計画で新しく生まれ変わったパリで常軌を逸した生活を楽しみ、片やルネの夫であり、マクシムの父親であるアリスティッドは姓をルーゴンから金の響きのするサッカールと変え、不動産の不正取引、金融操作に手を染め、妻の財産を騙しとることに無上の喜びを見出している。

自らの性の選択に悩む怠惰なマクシムとおしゃれに入れあげたルネは金策に追われ、ついに夫とマクシムに共有され、捨てられる。打ちのめされたルネは実家を訪れ、セーヌ川を眺め、よきブルジョワの生活を回顧し、その一八六四年の冬、病に倒れて終わる。

ゾラは回想を含め第二帝制期のパリの変貌をこの期間に圧縮し、誇張、風刺、擬人化を用いて、力強く、大胆に描ききった。光りの都を舞台としたこの「金と女」の物語は、カタストロフィックな結末を迎えるものの、男なら一度はマクシムのように、女ならルネのようにと思わせるような華やかさがある。人物、事物の造形も生き生きとしていて、光り、色、匂い、音など感覚を付与された描写は、新鮮である。

サッカールが掠め取るパリ、ルネとマクシムが遊行するパリはゾラが故郷エクス=アン=プロヴァンスから出てきたときに目にしたパリ、新しくなったパリの姿に他ならない。」
※一部改行しました

論創社出版 伊藤桂子訳『獲物の分け前』P353-354

ルーゴン家の三男アリスティッドは地方都市プラッサンから華の都パリへやって来て名前をサッカールへと変えます。金の響きのするこの名のおかげか、彼はパリ大改造の建設ブームを利用し土地の転売で莫大な金を手にします。

ルーゴン・マッカール家家系図

家系図では彼は左側に位置しています。

そして彼は「金」を追い求め、それを無限に増やすべく戦い続けるのです。

訳者解説によれば、この書は「ルーゴン・マッカール叢書」の中でも特に現代的なテーマを扱っていると述べています。

パリ大改造による土地投機、金融操作、新旧の時代の狭間で乱れる風紀、性、家庭の問題、これらは経済的大躍進を遂げる過程でどこにでも見られる現象であろう。

バブル処理に追われる金融機関、不動産の投売り、企業の倒産は記憶に新しく、海外に目を向けると、例えば上海ではゾラが描いた大改造が目の当たりに出現する。

古い建物がなぎ倒され、土煙を上げながら道路が建設され、摩天楼が聳え立ち、国際都市に変貌していく。フランス租界はイルミネーションの観光スポットと化し、街は人込みであふれ、深夜まで騒々しく活気がある。その一方で貧しい人々はわずかに残された片隅で生活を余儀なくされ、そこにも開発の波は押し寄せつつある。

古い街並みを懐かしむ人も多く、開発が国家主導で行われ、企業が集中し、投機熱が市民をも巻き込むといった構図が、ゾラの描く第二帝制期を彷彿とさせる。
※一部改行しました

論創社出版 伊藤桂子訳『獲物の分け前』P354

この小説では訳者が述べますように「金」とそれにまつわる問題が描かれています。

「金」、「投機熱」、「贅沢」、「色欲」・・・

これでもかと人間の欲望を描き出すゾラ。

『獲物の分け前』は驚くべき作品です。

感想―ドストエフスキー的見地から

『獲物の分け前』は「金と権力」に飢えたルーゴン家の3男アリスティッドがパリ大改造という獲物を嗅ぎ付け、分け前を俺にも寄こせとパリで奮闘する物語です。

露骨なまでの金儲けです。しかもそれはギャンブルのごとく、あっという間に巨額の金が動きます。

そしてそのように金を稼ぎ続けるには、金が無尽蔵にあるように見せなければならないというのがまた興味深いところでした。はったりといいますか、金回りがいい人物だと周りに思わせておかないと信用が失われてしまい、結局失脚してしまうのです。

つまり、金はたくさん持っているのにいつも貧乏しているという奇妙な状況に陥っているのです。

そしてサッカールは勝ち続けるために自分の妻も息子も利用します。金になるのなら妻も息子も利用し売り払ってしまうような男なのです。

私がこの小説で最も印象に残ったシーンはまさしく絶世の美女である妻ルネ(下の引用ではサッカール夫人)を利用し、自らの繁栄を知らしめようとしていた場面でした。少し長いですが引用します。

翌日閣僚の舞踏会で麗しのサッカール夫人はすばらしかった。(中略)

豪勢なばら色のファイユのドレスをまとい、白い高級レースで縁取りをしたルイ一四世様式の長い引き裾で広間を通ると、ため息がもれ、男性たちは彼女を見ようと押し寄せた。そうして親友たちは示し合わせたように控え目な笑みを浮かべてお辞儀をし、公式のパリ名士連の覚えめでたく、かつ帝国の大黒柱でもある美しい肩を褒め称えた。

彼女は人々の眼差しをものともせず胸や肩を露わにして、裸同然ながらかくも落ち着いて優雅に進んだので、もはやほとんど淫らな感じはしなかった。

ウージェーヌ・ルーゴンは偉大な政治家で、このようにはだけた胸元こそものを言うのだ、自分の立法院議会における発言など足許にも及ばぬ、はるかに甘美で説得力があり、疑い深い連中に統治の醍醐味を満喫させ、考え方を改めさせるに、これに勝るものなしと考えていたので、自ら義妹を出迎え、指二本の幅だけ余分に胴衣の胸あきを深くくったこの場にふさわしい大胆な裁断を称賛した。
※一部改行しました

論創社出版 伊藤桂子訳『獲物の分け前』P194

なぜ強い者の横には美人がいるのか。これほどシンプルに解き明かした説明に私は未だお目にかかったことはありません。

ウージェーヌ・ルーゴンはサッカールの兄です。彼はルーゴン家の長男でこの頃にはすでにパリで政治家として頭角を現し、一番の出世頭でした。

その政治能力に長けたウージェーヌが絶世の美女の存在を「 自分の立法院議会における発言など足許にも及ばぬ、はるかに甘美で説得力があり、疑い深い連中に統治の醍醐味を満喫させ、考え方を改めさせるに、これに勝るものなし 」と言うのです。

反対勢力にいくら言葉を尽くしても相手は納得しません。

だからこそ「私に従えばあなたも同じものを手に入れられるのですよ」と、絶世の美女を見せつけるのです。

なんて露骨な手段だろうと嫌悪を覚える方もおられるかもしれません。

ですが、ゾラはこうして私たちに現実のありのままを思い知らせるのです。

現実がいかにひどいものであるか、そしてそれをあなたはどう思うのか。ゾラが描く世界はそれを私たちに突き付けるのです。

サッカールは莫大な金を得るために妻を利用し、自分がそれに見合う男であることをこうして周囲に示したのです。「私には美人の妻がいる。羨ましいだろう?私に従えばあなたもそうなれるのだよ」と彼は暗黙のメッセージを送るのです。

金と欲望が中心のフランス第二帝政期を象徴するようなエピソードでした。

ドストエフスキーはこのような拝金主義を批判しています。金ですべてを計算し、金さえあればすべてが許される。そういった世界に彼は嫌悪の念を示しています。

金を求める貪欲な人間の姿や男女の欲望を知れる恐るべき作品です。ぜひおすすめしたい作品です。

以上、「ゾラ『獲物の分け前』あらすじ解説ー土地投機に熱狂する1850年代パリ。金と権力を求める人間劇!」でした。

Amazon商品ページはこちら↓

獲物の分け前 (ルーゴン・マッカール叢書 第 2巻)
獲物の分け前 (ルーゴン・マッカール叢書 第 2巻)

次の記事はこちら

あわせて読みたい
ゾラ『パリの胃袋』あらすじと感想~まるで仏教書!全てを貪り食うパリの飽くなき欲望!食欲は罪か、そ... 私は『ルーゴン・マッカール叢書』でどの作品が1番好きかと言われたらおそらくこの『パリの胃袋』を挙げるでしょう。それほど見事に人間の欲望を描いています。 ゾラ得意の映画的手法や、匂いなどの五感を刺激する描写、欲望をものや動物を描くことで比喩的に表現する手腕など、すばらしい点を列挙していくときりがないほどです。

前の記事はこちら

あわせて読みたい
ゾラ『ルーゴン家の誕生』あらすじと感想~衝撃の面白さ!ナポレオン第二帝政の始まりを活写する名作!... この本はゾラの作品中特におすすめしたい名作中の名作です! 読んでいて「あぁ~さすがですゾラ先生!」と 何度心の中で うめいたことか!もう言葉のチョイス、文章のリズム、絶妙な位置で入る五感に働きかける表現、ゾラ節全開の作品です。正直、私は『居酒屋』や『ナナ』よりもこの作品の方が好きです。とても面白かったです。

関連記事

あわせて読みたい
尾﨑和郎『ゾラ 人と思想73』あらすじと感想~ゾラの生涯や特徴、ドレフュス事件についても知れるおすす... 文学史上、ゾラほど現代社会の仕組みを冷静に描き出した人物はいないのではないかと私は思っています。 この伝記はそんなゾラの生涯と特徴をわかりやすく解説してくれる素晴らしい一冊です。ゾラファンとしてこの本は強く強く推したいです。ゾラファンにとっても大きな意味のある本ですし、ゾラのことを知らない方にもぜひこの本はおすすめしたいです。こんな人がいたんだときっと驚くと思います。そしてゾラの作品を読みたくなることでしょう。
あわせて読みたい
本当にいい本とは何かー時代を経ても生き残る名作が古典になる~愛すべきチェーホフ・ゾラ チェーホフもゾラも百年以上も前の作家です。現代人からすれば古くさくて小難しい古典の範疇に入ってしまうかもしれません。 ですが私は言いたい!古典と言ってしまうから敷居が高くなってしまうのです! 古典だからすごいのではないのです。名作だから古典になったのです。 チェーホフもゾラも、今も通ずる最高の作家です!
あわせて読みたい
フランス人作家エミール・ゾラとドストエフスキー ゾラを知ればドストエフスキーも知れる! フランス第二帝政期は私たちの生活と直結する非常に重要な時代です。 そしてドストエフスキーはそのようなフランスに対して、色々と物申していたのでありました。 となるとやはりこの時代のフランスの社会情勢、思想、文化を知ることはドストエフスキーのことをより深く知るためにも非常に重要であると思いました。 第二帝政期のフランスをさらに深く知るには何を読めばいいだろうか… そう考えていた時に私が出会ったのがフランスの偉大なる作家エミール・ゾラだったのです。
あわせて読みたい
『居酒屋』の衝撃!フランス人作家エミール・ゾラが面白すぎた件について ゾラを知ることはそのままフランス社会を学ぶことになり、結果的にドストエフスキーのヨーロッパ観を知ることになると感じた私は、まずゾラの代表作『居酒屋』を読んでみることにしました。 そしてこの小説を読み始めて私はとてつもない衝撃を受けることになります。
あわせて読みたい
「ルーゴン・マッカール叢書」一覧~代表作『居酒屋』『ナナ』を含むゾラ渾身の作品群 これまで20巻にわたり「ルーゴン・マッカール叢書」をご紹介してきましたが、この記事ではそれらを一覧にし、それぞれの作品がどのような物語かをざっくりとまとめていきます。
あわせて読みたい
僧侶が選ぶ!エミール・ゾラおすすめ作品7選!煩悩満載の刺激的な人間ドラマをあなたに 世の中の仕組みを知るにはゾラの作品は最高の教科書です。 この社会はどうやって成り立っているのか。人間はなぜ争うのか。人間はなぜ欲望に抗えないのか。他人の欲望をうまく利用する人間はどんな手を使うのかなどなど、挙げようと思えばきりがないほど、ゾラはたくさんのことを教えてくれます。 そして何より、とにかく面白い!私はこれまでたくさんの作家の作品を読んできましたが、ゾラはその中でも特におすすめしたい作家です!
あわせて読みたい
19世紀後半のフランス社会と文化を知るならゾラがおすすめ!エミール・ゾラ「ルーゴン・マッカール叢... 前回の記事「エミール・ゾラが想像をはるかに超えて面白かった件について―『居酒屋』の衝撃」ではエミール・ゾラの「ルーゴン・マッカール叢書」なるものがフランス第二帝政のことを学ぶにはもってこいであり、ドストエフスキーを知るためにも大きな意味があるのではないかということをお話ししました。 この記事ではその「ルーゴン・マッカール叢書」とは一体何なのかということをざっくりとお話ししていきます。
あわせて読みたい
エミール・ゾラの小説スタイル・自然主義文学とは~ゾラの何がすごいのかを考える ある作家がどのようなグループに属しているのか、どのような傾向を持っているのかということを知るには〇〇主義、~~派という言葉がよく用いられます。 ですが、いかんせんこの言葉自体が難しくて余計ややこしくなるということがあったりはしませんでしょうか。 そんな中、ゾラは自分自身の言葉で自らの小説スタイルである「自然主義文学」を解説しています。それが非常にわかりやすかったのでこの記事ではゾラの言葉を参考にゾラの小説スタイルの特徴を考えていきます。
あわせて読みたい
日本ではなぜゾラはマイナーで、ドストエフスキーは人気なのか―ゾラへの誤解 前回の記事ではフランスでの発行部数からゾラの人気ぶりを見ていきました。 その圧倒的な売れ行きからわかるように、ゾラはフランスを代表する作家です。 ですが日本で親しまれている大作家が数多くいる中で、ゾラは日本では異様なほど影が薄い存在となっています。 なぜゾラはこんなにも知名度が低い作家となってしまったのでしょうか。 今回の記事では日本でゾラがマイナーとなってしまった理由と、それと比較するためにドストエフスキーがなぜ日本で絶大な人気を誇るのかを考えていきたいと思います。
あわせて読みたい
ゾラ『パリの胃袋』あらすじと感想~まるで仏教書!全てを貪り食うパリの飽くなき欲望!食欲は罪か、そ... 私は『ルーゴン・マッカール叢書』でどの作品が1番好きかと言われたらおそらくこの『パリの胃袋』を挙げるでしょう。それほど見事に人間の欲望を描いています。 ゾラ得意の映画的手法や、匂いなどの五感を刺激する描写、欲望をものや動物を描くことで比喩的に表現する手腕など、すばらしい点を列挙していくときりがないほどです。
あわせて読みたい
ゾラの代表作『居酒屋』あらすじと感想~パリの労働者と酒、暴力、貧困、堕落の必然的地獄道。 『居酒屋』は私がゾラにはまるきっかけとなった作品でした。 ゾラの『居酒屋』はフランス文学界にセンセーションを起こし、この作品がきっかけでゾラは作家として確固たる地位を確立するのでありました。 ゾラ入門におすすめの作品です!
あわせて読みたい
ゾラの代表作『ナナ』あらすじと感想~舞台女優の華やかな世界の裏側と上流階級の実態を暴露! ゾラの代表作『ナナ』。フランス帝政の腐敗ぶり、当時の演劇界やメディア業界の舞台裏、娼婦たちの生活など華やかで淫蕩に満ちた世界をゾラはこの小説で描いています。 欲望を「食べ物」に絶妙に象徴して描いた作品が『パリの胃袋』であるとするならば、『ナナ』はど直球で性的な欲望を描いた作品と言うことができるでしょう。
あわせて読みたい
ゾラ『ごった煮』あらすじと感想~ブルジョワの偽善を暴く痛快作!貴婦人ぶっても一皮むけば… この作品は『ボヌール・デ・ダム百貨店』の物語が始まる前の前史を描いています。 主人公のオクターヴ・ムーレは美男子で女性にモテるプレイボーイです。そして彼がやってきたアパートでは多くのブルジョワが住んでいてその奥様方と関係を持ち始めます。 そうした女性関係を通してオクターヴは女性を学び、大型商店を営むというかねてからの野望に突き進もうとしていきます。
あわせて読みたい
ゾラ『ボヌール・デ・ダム百貨店』あらすじと感想~欲望と大量消費社会の秘密~デパートの起源を知るた... この作品はフランス文学者鹿島茂氏の『 デパートを発明した夫婦』 で参考にされている物語です。 ゾラは現場での取材を重要視した作家で、この小説の執筆に際しても実際にボン・マルシェやルーブルなどのデパートに出掛け長期取材をしていたそうです。 この本を読むことは私たちが生きる現代社会の成り立ちを知る手助けになります。 もはや街の顔であり、私たちが日常的にお世話になっているデパートや大型ショッピングセンターの起源がここにあります。 非常におすすめな作品です。
あわせて読みたい
ゾラ『ジェルミナール』あらすじと感想~炭鉱を舞台にしたストライキと労働者の悲劇 ゾラの描く蟹工船 『ジェルミナール』では虐げられる労働者と、得体の知れない株式支配の実態、そして暴走していく社会主義思想の成れの果てが描かれています。 社会主義思想と聞くとややこしそうな感じはしますが、この作品は哲学書でも専門書でもありません。ゾラは人々の物語を通してその実際の内容を語るので非常にわかりやすく社会主義思想をストーリーに織り込んでいます。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次