堂目卓生『アダム・スミス』概要と感想~「見えざる手」の誤解を解くおすすめ参考書
この作品はスコットランドの経済学者アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』についての参考書です。
アダム・スミスといえば「神の見えざる手」で有名です。
しかしこの「見えざる手」が通俗的な理解では誤解されているというのがこの本で学ぶことができる最大のメリットです。
アダム・スミスが『国富論』で本当に言いたかったのは何だったのか。それをこの本でじっくりと見ていくことになります。
この作品はスコットランドの経済学者アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』についての参考書です。
アダム・スミスといえば「神の見えざる手」で有名です。
しかしこの「見えざる手」が通俗的な理解では誤解されているというのがこの本で学ぶことができる最大のメリットです。
アダム・スミスが『国富論』で本当に言いたかったのは何だったのか。それをこの本でじっくりと見ていくことになります。
この作品はマルクスとエンゲルスの初めての共同作品になります。
マルクスとエンゲルスは1844年8月にパリで対面し、その時から生涯続く友情が始まっていきます。
元々、ブルーノ・バウアーとマルクス・エンゲルスはベルリンで「ドクトルクラブ」という知識人グループで一緒に活動していた仲間でした。
そんな元同窓であるマルクス・エンゲルスがブルーノ・バウアーとの決別の姿勢を示したのがこの作品になります。
私たちは「宗教はアヘン」と聞くと、何やら宗教が人々を狂わせるかのような意味で受け取りがちです。ですがそういうことを言わんがためにマルクスは「宗教はアヘン」と述べたわけではないのでした。
この記事ではそんな「宗教はアヘン」という言葉はなぜ語られたのかということを見ていきます。
「宗教はアヘン」という言葉は僧侶である私にとって非常に厳しいものがありました。なぜマルクスはそのように語ったのか、何を意図して語っていたのかを知れたことはとても大きな経験となりました。
エンゲルスはドイツの綿工場経営者の御曹司として生れました。
その商人修行の一環としてエンゲルスは1843年からイギリス、マンチェスターで過ごすことになります。
父の経営するマンチェスターの工場で見習いをしながら、そこに暮らす労働者たちの地獄のような生活を目の当たりにします。
そこでの経験をまとめ、労働者の実態と資本家たちの横暴を告発したものが本書、『イギリスにおける労働者階級の状態』になります。
『「現金勘定」以外のどんなきずなをも残さなかった』
この強烈な言葉はマルクスが資本主義の仕組みを痛烈に批判した言葉としてよく知られていますが、実はこの言葉はすでにカーライルが『過去と現在』の中で述べていた言葉だったのです。
今回の記事ではその『過去と現在』からマルクス・エンゲルスに大きな影響を与えたであろう箇所を2つ紹介していきたいと思います。
フォイエルバッハはドイツの哲学者で、若きマルクスが強烈な影響を受けた哲学者として知られています。
「宗教はアヘン」というマルクスの有名な言葉はこのフォイエルバッハから着想を得ています。マルクスの唯物論の基礎を作った人物こそこのフォイエルバッハと言えるかもしれません。
本作の『キリスト教の本質』ですが、読んでいて驚くほど真っすぐにキリスト教を批判しています。それも単に教会への批判というよりも、もっと根源的に宗教そのものに切り込んでいく考察がなされています。