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資本主義の中心、そして実は宗教的な国アメリカ!世界一周記アメリカ編一覧

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資本主義の中心、そして実は宗教的な国アメリカ!僧侶上田隆弘の世界一周記アメリカ編一覧

20日間かけて周遊したスペインともいよいよお別れ。

次に向かうはアメリカ、ニューヨーク。

「宗教の聖地を巡る旅なのになぜアメリカ?宗教と関係あるの?」とお思いになられる方も多いかもしれません。

たしかに世界一の経済大国であり科学大国でもあり、超一流の文化やエンターテインメントの国というイメージがアメリカにはあるでしょう。

ですが、意外とこの国は宗教的な背景から成り立っているとしたら皆さんはどう思うでしょうか。

さらに言えば、資本主義そのものが宗教とは切っても切れない関係から生まれてきたのだとしたらいかがでしょうか。

アメリカは実は宗教というものを考える上で非常に興味深い国なのです。

また、アメリカといえば忘れもしない、2001年の911世界同時多発テロ。

この日を境にキリスト教対イスラム教の対立が激化し、これまで見えにくかった世界の対立構造がはっきりと見えてくるようになってきました。

宗教は互いに争い続けなければならない存在なのか、共存することはできないのか。なぜ相手を残虐な悪魔としか思えなくなってしまうのか。

私はそれを考える上でもぜひアメリカ、特に資本主義の象徴ニューヨークとアメリカの政治の中心、ワシントンに行ってみたいと思ったのでした。

宗教者である僧侶が見たアメリカという視点はきっと皆さんにとっても新鮮なものであるのではないかと思います。観光やビジネスで知るアメリカ像とはかなり違ったアメリカが以下の記事では語られます。必ずや面白い発見や驚きがあることでしょう。

では、早速記事を見ていきましょう。

資本主義教の神殿ニューヨーク―フェデラルホールとウォールストリート アメリカ編①

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スペイン南部のコルドバからセビリア→リスボン→ニューヨークと交通機関を乗り継ぎながらいよいよアメリカに到着です。

まず私が向かうのはウォール街。

私がニューヨークで1番見たかったもの、フェデラルホールもそこにあります。

上の写真がウォール街とニューヨーク証券取引所。

世界の金融の中心。

まるで神殿のような姿。

金融、経済といえば日本だったら近代的なビルの中にその施設を設けるでしょうがここニューヨークではまるで神殿のような造り。

もしこれに倣うとしたら日本では神社仏閣のような建物の中に証券取引所を作るということになります。

もしそうなってしまったらかなりの違和感を感じはしないでしょうか。

そう考えてみるとこの証券取引所がいかに奇妙な建物なのかということが浮き彫りになってきます。

そしてそのすぐ斜め向かいにあるのが私の目的地、フェデラルホール。

こちらもまさしく神殿のような建造物。

そしてその中心に立つこの人物こそアメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンです。

1789年、まさしくこの場所でジョージ・ワシントンがアメリカ合衆国初代大統領に選出され、就任演説を行いました。

いわばアメリカ合衆国建国の象徴であり、アメリカの自由と平等という理想がこの建物に込められているのです。

ここを訪れる観光客でそのことを考えている人はほとんどいないかもしれません。

しかしアメリカの歴史や思想を知る上で、この神殿のような建物とワシントンの像がここウォールストリートにあるという意味は見逃せないことだと思います。

この記事ではそんなウォールストリートについて思いをはせています。

資本主義教の神殿ニューヨーク―フェデラルホールとウォールストリート アメリカ編①

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この記事の目的地はニューヨークの名所エンパイアステートビル。

エンパイアステートビルは1931年に完成した102階建てのビルです。

戦前の1931年の段階でこんなとてつもなく巨大な建物を建設してしまうというのはよくよく考えてみたらものすごいことなのではないかと改めて感じてしまいました。

また、エンパイアステートビルはキングコングでも有名。

ニューヨークの象徴としてこのビルはアメリカ人に非常に愛されてます。

道路によってきれいに区画整理された土地の中にびっしりと隙間なく立つ巨大なビル。

地面から空に向かってせり上がってくるような迫力を感じます。

そしてぼんやりとその景色を眺めているうちに、ふとトトロのワンシーンが私の頭の中をよぎりました。

トトロの力でどんぐりの木がどんどん成長し、より高く、より太く、あっという間に堂々たる大樹へと変貌していくあのシーンです。

まるで地面からひとりでに生えてきたかのような高層ビル群。

私はこの景色を見て人間の欲望、そして資本主義がひとりでに膨張していく姿を想像し、トトロの一場面を連想したのでした。

この記事ではそんな私の妄想が書かれています。ぜひご笑覧ください。

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あの日、世界は変わってしまった~911メモリアルミュージアムと夜のニューヨーク アメリカ編③

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いつか見てみたいとずっと思っていたグラウンドゼロ。

犠牲者の名前が刻まれた石。そこに花束や国旗が供えられています。

水の流れる音の中、私は黙祷を捧げました。

その目の前には新しい貿易センタービル。

アメリカの象徴はテロの後、以前の姿よりももっと大きくなって生き返りました。

不死鳥のごとく蘇るアメリカの象徴、経済の中心・・・

単に建物を建て直したでは済まされないなんらかの意味を私は感じてしまいます・・・

グラウンドゼロの後は911メモリアルミュージアムを見学しました。

ビル崩壊前に救助に向かった消防車の残骸や、ビルの鉄骨など、傷ましいテロの傷跡を目の前にします。

その後は撮影禁止エリアへ。

そこではテロ発生直後のニュース映像や、残されていた音声記録など、当時のことを記録した様々なメディア媒体を見ることができました。

2001年のあの朝。

当時11才だった私もあの朝のことは記憶に残っています。

ニュースで目にしたあの映像。

高層ビルに突っ込む飛行機。

そして崩壊していくビル。

あの当時、それが何を意味するのか私はまったくわかっていませんでした。

何か恐ろしいことが起きているくらいにしか思っていませんでした。

ですが、このテロによって世界は変わってしまいました。

単に恐ろしいことが起きてしまったでは済まされない何かが起こったのです。

たしかにここで悲惨な出来事があった。

そしてそれは憎悪の連鎖となって世界中に広がっていくことになってしまいました。

僧侶として宗教に携わる身として、宗教が絡んだ争いはどうしても深く考えざるをえません。

イスラエルでも、ボスニアでもそうでした。

答えの出ない、重い問い。

ここニューヨークでも同じように、そんな問いを目の前に突き付けられたように感じました。

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このツアーの見どころは何と言っても本場のゴスペルを聴けること。

日本で生活しているとゴスペルと接することはなかなかありません。

ましてや教会における宗教の営みとしてのゴスペルとなるといよいよそこに関わることはなくなってしまうでしょう。

ニューヨークの黒人教会における信仰の姿を学ぶためにもこのツアーは私にとってとても楽しみなものでありました。

この記事ではゴスペル鑑賞の前に散策したハーレムの街並みの様子をご紹介しています。

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こちらがツアーでお邪魔させて頂く「Memorial Baptist Church」というプロテスタントのバプティスト派の教会。

これまで私が巡ってきた国はローマやスペインをはじめとして、ほとんどがカトリックが根付いている国でした。

それに対してアメリカはプロテスタントが盛んな国。

これまでとは違った宗教文化が見られることだろうと期待が高まります。

さあいよいよゴスペルのスタート。

いかにも歌が上手そうな女性たちがステージ上で歌い始めます。

まさしくイメージ通りのゴスペルといったところでしょうか。

身体の奥に直接響いてくるような、そんな歌声とメロディー。

パワーが違います。鳥肌が立つほどの音楽でした。

ゴスペル鑑賞ツアーはゴスペルが終わるお昼の12時頃に現地で解散となります。

通常のツアー客はここで解散し、各自で観光や昼食をとりに行くのですが私はあえてここで解散せず教会に残ることにしました。

というのもゴスペルは日曜礼拝のスケジュールの中の一部であって、昼からは教会のミサと牧師さんによる説教が行われるからです。

私は宗教の勉強のためここまで来ました。ならばぜひともミサと説教を聞いてみたい。

そんな思いで私はここに残ることにしたのです。

説教の始まりは男性による歌からスタート。

これまたうまい。そして歌が終わると黒人の牧師さんが説教壇へと進んでゆきます。

ここからが私が度肝を抜かれた牧師さんの説教になります。

説教といえば私たちに語りかけるものという先入観がありましたがそれが一気に壊されることになる衝撃的な説教でした。

その時の様子を動画で撮影させて頂いたのでこの記事で紹介しています。

アメリカ黒人教会の礼拝の熱狂は私には想像を絶するものでした。こんな世界があるのかとカルチャーショックを受けてしまいました。嘆きの壁でのシャバットともまた違った感覚をここでは受けました。

必見です。僧侶である私が体験したカルチャーショックをこの記事では紹介しています。

※写真や動画は全て許可を得て撮影しています

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マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~宗教と経済のつながりを考える アメリカ編⑥

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先の記事で私は世界経済の中心ウォールストリートを歩いたことをお話ししました。

その最後に述べたようにこの記事では「もしこの資本主義の殿堂たるウォールストリートの成り立ちに宗教が関わっていたとしたら?」というテーマでお話ししていきます。

今回参考にするのは宗教と経済のつながりに関する論考として最も有名な著作である、1905年に発表されたマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』という本。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 マックス・ヴェーバー
大塚久雄訳 岩波文庫

マックス・ヴェーバーによれば近代資本主義はプロテスタントの中でも特にカルヴァン主義者たちによって生まれたと述べています。

つまり、現代の資本主義のルーツは宗教にあると述べているのです。

この記事では資本主義社会がキリスト教の影響を強く受けて生まれたということについて簡潔にお話ししていきます。

専門用語はあまり使わず、宗教についてあまり知識がない方でもわかりやすいように心がけました。

アメリカの成り立ちとキリスト教の関係についても述べていますのでアメリカについて関心のある方や歴史好きの方にもおすすめです。

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ニューヨークといえばミュージカルの本場ブロードウェイ。

そして今回私が鑑賞するのはブロードウェイの王道中の王道、「オペラ座の怪人」です。

私が今回この作品を選んだのには理由があります。

学生時代、「オペラ座の怪人」の長年の大ファンであるおばに連れていってもらったのがきっかけで、私も「オペラ座の怪人」の魅力にすっかりはまってしまいました。

それ以来、私は劇団四季の「オペラ座の怪人」を5回以上観劇しています。

映画「オペラ座の怪人」を観た時も、息もできないほど号泣したのを覚えています。

というわけで、日本で観てきた「オペラ座の怪人」と本場ブロードウェイの「オペラ座の怪人」、この二つにどのような違いがあるのだろうか、それを実際に感じてみたいという理由で今回ニューヨークでの観劇を決めたのでありました。

この記事では本場ブロードウェイで観た「オペラ座の怪人」の感想と、そこから感じた日本人とアメリカ人のメンタリティーの違いについて考えていきます。

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4日間過ごしたニューヨークを離れ、これから向かうはアメリカの首都ワシントンDC。

出発から3時間半後ワシントンDCの玄関口ユニオン駅に到着。

初日は午後の時間を使ってワシントンDC内に点在するアメリカ建国の父たちのモニュメントを訪ねていきます。

まず最初に向かったのはジェファソン記念堂。

ニューヨークのフェデラルホールと同じく神殿のような構造。

神殿中央に凛々しく立つのはトマス・ジェファソン。

歴史に名高い独立宣言を書き上げた建国の父です。

彼の背後の壁には独立宣言が刻まれています。

それはまるで神殿の石板に刻まれた神の啓示のよう。

「すべての人間は(神によって)平等に創られている」という文言で有名なアメリカ独立宣言は1776年に採択されました。

1776年といえば日本では江戸時代後期。この周辺の時代で日本史上に出てくる人物は杉田玄白や平賀源内、老中田沼意次などが挙げられます。

アメリカは現在でこそ超大国として世界に君臨してはいるものの、1776年ということを考えるとまだ建国から250年も経っていない国です。

イギリスの植民地として17世紀ころから入植が始まったアメリカ。

イギリス文化を継承していると考えればアメリカもイギリスの歴史と同じ時間を共有していると言うこともできますが、そうは言ってもアメリカ独自の歴史というのはあまりにも短いものなのです。

そしてアメリカはイギリス本国からの支配を脱し、公正な自治を求めて独立しました。

アメリカはイギリスと同じであることを拒否しました。

それは政治面だけではなく文化の面でも同じでした。

だからこそアメリカは独自の歴史、文化を打ち立てることに力を尽くしてきました。

その最大の労作がワシントンの建国神話とそのモニュメント群なのです。

歴史が浅いからこそ、神話を創造するという営みがここに見え隠れします。

神話がない国は世界中どこを見ても存在しません。

日本にも『古事記』や『日本書紀』が存在し、そこには日本の成り立ちを示した創世神話が描かれています。

「自分たちの国はどのように成り立ち、自分達は何者なのか」

建国神話はそれを人々に提供します。

これがなければ国家は成り立たないです。

この記事ではリンカーン記念堂やワシントン記念塔も題材に建国神話の創造や建築物が示すメッセージを紹介していきます。

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ワシントン滞在の最後に私のアメリカ滞在最大の目的地、国会議事堂を訪れました。

なぜここが私の最大の目的地なのか。

それはこの建物のロタンダ(正面のドーム部分の天井)に描かれたある絵がその鍵となります。

国会議事堂の中を歩き、いよいよロタンダに到着。

円形のホールに高い天井。

ここの壁には建国にまつわる多くの絵画が飾られています。

そしてここの天井に私のお目当ての絵が描かれているのです。

それがこちら。

中心に座っているのがアメリカ初代大統領のワシントン。

その周りを女性達が円形に囲んでいます。

ワシントンの右手側の青いドレスの女性は自由の女神、

左手がの緑の衣をまとうのは勝利の女神と言われています。

さて、この絵のタイトルをみなさんに予想して頂きたいと思います。

ヒントはここまでの記事の流れと密接につながったタイトルだということ。

この記事ではこの絵にまつわる秘密と、アメリカの政治の中心国会議事堂の驚くべき異名についてお話ししていきます。

この記事は私にとってアメリカ編で最も重要な記事です。国家と宗教の関係について非常に考えさせられました。一つ前の記事と合わせてぜひ読んで頂きたい記事です。

おわりに

アメリカという国は私にとって非常に興味深い国です。

私たち日本人は私達が思っているよりはるかにこの国の影響を受けて今を生きています。

それは単にアメリカ製品を使用したりとか、アメリカのライフスタイルで生活しているという次元にとどまるものではありません。

私たちの思考システムや感覚もアメリカ的なものの影響を確実に受けています。

ものの見方、世界の見方が知らず知らずのうちにアメリカ化しているのです。

もちろん、日本人が完全にアメリカ人化したかと言えばまったくそういうわけではありません。しかし私たちが思っている以上にアメリカの影響は大きいというのは間違いではないのではないでしょうか。

私達日本人とは一体何かを知るにはアメリカを知るのがそのひとつの道だと私は思います。

私たちとは異質な他者であるアメリカ。しかし同時に私たちはそれを取り込んでいるわけです。私達の一部でありながら私たちとは違う存在を知ることで普段は気づかない私たちそのものに迫ることができるのではないかと私は思うのです。

「自分ばかり見ていても自分はわからない。思い切って外を見てみよう!」

私にとってアメリカはまさしくそんな国でした。見たもの感じたものすべてが私の心をざわつかせます。この国では特に頭が、いや心がフル回転していたような気がします。

この国ほど「自分が日本人である」と意識させられた国はなかったです。「自分は自分なんだ。アメリカ人とは違う」と思わずにはいわれない何かがあった、そんな気がします。

何はともあれアメリカも非常に印象に残った国でした。かなりハードなスケジュールでしたが無理してでも行きたいところには行くことができたので大満足でした。

ぜひじっくりと読んで頂けましたら幸いです。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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