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ラジオの戦争責任スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

坂本慎一『ラジオの戦争責任』~メディアが煽るナショナリズム。戦争のメカニズムを学ぶためにも非常におすすめ!

かつて日本でもラジオにおいて仏教学者や演説、説法の達人が仏教を語り多くの人に強い影響を与えていたというのは驚きでした。

また、松下幸之助についての驚きの事実や、政治家松岡洋右の圧倒的な演説力、玉音放送を手掛け戦争を終結させた影の立役者下村宏の偉業など次から次へと驚異の事実をこの本では目にしていくことになります。

とにかく読んでみて下さい。それも一刻も早く!これほどの本に出会えるのはそうそうありません。世界が非常に不安定になっている今こそ読むべき名著中の名著です。

スリランカから世界を眺めてスリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

A・C・クラーク『スリランカから世界を眺めて』~『2001年宇宙の旅』で有名なSF作家のスリランカ愛を知れるエッセイ集

アーサー・C・クラークはスタンリー・キューブリックと共にあの『2001年宇宙の旅』を手掛けたSF界の巨匠です。

そのアーサー・C・クラークがなっとスリランカを愛し、スリランカへの想いを述べたエッセイを書いていた!

それを知った私は迷うことなくこの一冊を手に取ったのでありました。

資本主義と奴隷制スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』~奴隷貿易とプランテーションによる富の蓄積が産業革命をもたらした!?

本書はマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で説かれたような定説を覆した歴史学の金字塔的名著として有名な作品です。

この本のメインテーマはまさに「奴隷貿易と奴隷制プランテーションによって蓄積された資本こそが、産業革命をもたらした」という点の論証にあります。

本書もまさに巨大なスケールで歴史の流れを見ていく刺激的な作品でした。

改めて世界の複雑さ、巨大さを実感した読書になりました。

私たちの先入観を破壊する超ド級の作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

コーヒースリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

『コーヒーで読み解くSDGs』~危機的状況だったコーヒー業界が今どのように変わろうとしているのかを知るのにおすすめ!

前回の記事で紹介したアントニー・ワイルド著『コーヒーの真実』では世界のコーヒー業界の暗部を知ることとなりました。

その本を読んで頭を抱えた私ですが、本書『コーヒーで読み解くSDGs』ではそんな危機的なコーヒー業界を変えるべく奮闘している人々やその活動を知ることができました。

文章も読みやすく、写真も多く掲載されていますので気軽に手に取れる作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

コーヒーの真実スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

アントニー・ワイルド『コーヒーの真実』~コーヒーの歴史と現在も続く不平等な貿易システムに警鐘を鳴らす一冊!

何も知らずに無邪気に美味い美味いと飲むことの何たる気楽さか。

そのほうが心理的負担は明らかに少ないです。

ですが全ての人がそうなってしまったらどうなってしまうのか。いや、現に世界は新自由主義でどうなってしまったか。

厳しいかもしれませんが、コーヒー好きだからこそ勇気を持ってこの本は読んでほしい一冊だと思います。

コーヒーが廻り世界史が廻るスリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

臼井隆一郎『コーヒーが廻り世界史が廻る』~コーヒーが変えた西洋近代社会!コーヒーから見た世界史を学べるおすすめ本!

本書『コーヒーが廻り世界史が廻る』は副題に「近代市民社会の黒い血液」とありますように、コーヒーが近代社会にいかに影響を与えたのかということを見ていける作品です。

そしてイギリスだけでなくフランスやドイツなどにおけるコーヒー事情も詳しく語られますのでとても刺激的です。フランス革命やナポレオンにもコーヒーは大きく絡んできます。

「コーヒーを通して見る世界史」と言うべき素晴らしい作品です。これは面白い!コーヒー好きの私にとって非常に刺激的な一冊でした。

チョコレートの世界史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

武田尚子『チョコレートの世界史』~近代から現代へのチョコの変遷やキットカットについての驚きの情報を知れるおすすめ解説書

私達にも身近なチョコレートは近代化の産物です。特にイギリスの産業革命によってチョコレートはそれまでとは大きく違った意味を持ち始めます。その流れを知れる本書は非常に刺激的です。

また、本記事のタイトルにも書きましたが私達もよく知るキットカットの歴史もこの本では知ることができます。

本書を読めばこうしたチョコ菓子が人気になっていくのもまさに近代化の影響だったということがよくわかります。

私達の身近な生活にも直結するチョコレートの成り立ちを知るのにこの本はとてもおすすめです。前回紹介した『チョコレートの歴史』とセットで読めばさらに理解が深まること間違いなしです。

チョコレートの歴史スリランカ、ネパール、東南アジアの仏教

河出文庫『チョコレートの歴史』~マヤ文明から遡ってチョコの起源とその歴史を学べるおすすめ作品!

本書は私達にも身近なチョコレートの歴史をなんと、紀元前のマヤ文明にまで遡り見ていくという大スケールの作品となっています。

私が本書を手に取ったのはスリランカの歴史を学ぶ中で紅茶とコーヒーの西洋流通について調べていたのがきっかけでした。紅茶とコーヒーとチョコレートはほぼ同時期に西洋に入り、飲み物として親しまれていた。そしてこのプランテーションや貿易の展開はヨーロッパとアジアの思想を考える上でも非常に大きな意味があると考え私はチョコレートの歴史も学んでみたいと思ったのでした。

そんな時に出会ったのが本書『チョコレートの歴史』です。私はこの本に一目惚れでした。

ボスニア紛争とルワンダ虐殺の悲劇に学ぶ~冷戦後の国際紛争

ルワンダの虐殺を学ぶのにおすすめの参考書7作品~目を背けたくなる地獄がそこにあった…

ルワンダの虐殺はあまりに衝撃的です。トラウマになってもおかしくないほどの読書になるかもしれません。それほどの地獄です。人間はここまで残酷になれるのかと恐れおののくしかありません。

私はボスニア紛争をきっかけにルワンダの虐殺をこうして学ぶことになりましたが、これらの本を読んでいてボスニア、ルワンダ、ソマリアのそれぞれが特異で異常なのではなく、人間の本質としてそういうことが起こり得る、誰しもがやってしまいかねないものを持っているのだということを改めて思い知らされることになりました。

目を背けたくなるような歴史ではありますが、ここを通らなければ、歴史はまた形を変えて繰り返してしまうことでしょう。そうならないためにも私たちは悲惨な人間の歴史を学ばなければならないのではないでしょうか。

有閑階級の理論マルクス・エンゲルス著作と関連作品

ヴェブレン『有閑階級の理論』~富や欲望、人間心理の秘密を赤裸々に暴露!爆弾発言満載の名著!

「この本を読んだ人は、モノの消費をこれまでと同じように見ることはできまい。」

まさにその通り!この本では「それを言っちゃあおしめぇよ」と思わず言いたくなる赤裸々な爆弾発言がどんどん出てきます。ですがよくよく考えてみると、「うん、たしかにヴェブレンの言う通りかもしれない・・・」と頷かざるをえない気持ちになってきます。

この本ではとてつもなく刺激的な言葉がどんどん出てきます。これはぜひ読んで体感してみてくださいとしか言いようがありません。ぜひヴェブレンの爆弾発言を堪能して頂けたらと思います。

宇沢弘文を通してこの本と出会えたのは本当に嬉しいものがありました。私の中でも強烈なインパクトを残した作品でした。ぜひぜひおすすめしたい作品です。