フランス

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

江村洋『カール五世 ハプスブルク栄光の日々』~スペイン最盛期の王カール五世の生涯と当時の西欧事情を知れるおすすめ作品

「この男をもって、ハプスブルク家は最盛期を迎える。若きスペイン王として君臨し、皇帝の冠を抱いたのちは、ヨーロッパだけでは飽きたらず、アフリカにまでその手を伸ばした戦いと栄光の日々。しかし、王家と自身の黄昏は、静かに忍び寄っていた―。ハプスブルク家が光に満ちた最後の姿を描いた傑作評伝」

この本はサッコ・ディ・ローマ事件について知りたかった私にとって非常にありがたい作品でした。中世ヨーロッパに君臨した巨大な王の生涯を知れる素晴らしい一冊です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

江村洋『ハプスブルク家』~ヨーロッパを支配した王家の歴史を知るのにおすすめの入門書

この本はタイトル通り、長い歴史を持つハプスブルク家がいかにして始まり、どのように勢力を増していったのかということが非常にわかりやすく説かれています。

読んでいて「へぇ~!そうなんだ!」とびっくりすることが何度も何度もありました。これまで中世ヨーロッパまでなかなか手が回らなかったためその歴史はほとんど知りませんでしたが、当時のヨーロッパはこんな状況だったのかとまさに目から鱗でした。これは面白いです。
中世ヨーロッパに興味のある方、繁栄を極めたハプスブルク家に興味のある方にぜひおすすめしたい作品です。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

陶山昇平『ヘンリー八世 暴君かカリスマか』~王の離婚問題とイギリス国教会創設の流れを知れるおすすめ伝記

この本はものすごく面白いです。著者の語りも素晴らしく、歴史の流れがすっと入ってきます。ヘンリー八世という圧倒的カリスマの驚異の人生を私達は目撃することになります。

この本はシェイクスピアファンにも強くおすすめしたいです。この王の娘が後のエリザベス女王であり、その治世で活躍したのがシェイクスピアです。彼が生きた時代背景を知ればもっとシェイクスピア作品を楽しむことができます。時代背景を離れた芸術はありません。私にとってもこの伝記は非常にありがたいものとなりました。

イタリアルネサンスと知の革命

エラスムス『痴愚神礼讃』あらすじと感想~ヒューマニズムの元祖、世界最初のベストセラー作家の風刺作品

この作品は真面目くさった神学者や哲学者を風刺して、人間とはいかなるものかをユーモアたっぷりに描いています。腐敗した聖職者への批判も書かれており、よくこの作品をカトリック教会が許してくれたなと読んだ瞬間思ったのですが、案の定この作品はカトリックの禁書目録に入ることになったようです。

巨大な出版業界がまだ存在していない段階にしてベストセラー作家として最高の地位にあったエラスムス。

その人気の源泉となった作品が『痴愚神礼讃』です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

中嶋洋平『社会主義前夜-サン=シモン、オーウェン、フーリエ』~マルクスによる空想的社会主義者のレッテルは不当だった?

マルクス・エンゲルスによって「空想的社会主義者」のレッテルを張られたサン=シモン、オーウェン、フーリエ。この本はそんな三人がはたして本当に空想的な社会主義者だったのかということを見ていく作品になります。

上の本紹介にもありますように「空想的でも社会主義でもない」その実態を知ることができる刺激的な作品です。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

【パリ旅行記】(1)ドストエフスキーとトルストイの眼で眺めるパリ~彼らはパリに対してどんな思いを持っていたのだろうか

ドストエフスキーは1862年、トルストイは1857年にそれぞれパリを訪れています。

彼らはそこで目にした出来事やそれらに対する思いを書き残し、後の作家活動の糧としていました。

この記事ではそんな二人を通して今回の私の旅についての思いをお話ししていきます。

イタリアルネサンスと知の革命

A・モンロー『紙と人との歴史』~紙の発明と普及が世界をどのように変えたのか~仏教や中国、日本の歴史を知るためにも

この作品はとにかく情報量がはんぱないです!

2世紀前半に中国で発明された紙がいかに普及していったのか、そしてそれが世界に広がっていく過程でどんなことが起こったのかというのをこれでもかというくらい詳しく見ていきます。

そもそも紙が発明される前の段階、つまり文字がどのように生み出されたのかというお話しから中国の歴史、道教、仏教、イスラム教、キリスト教などとにかく多岐にわたって紙の歴史が語られます。

この本はとにかくスケールが大きいです。読めばきっと驚くと思います。ぜひおすすめしたい逸品です!

イタリアルネサンスと知の革命

C・ハメル『中世の写本ができるまで』~意外と知らない中世の筆記具や本の作り方!本好きにおすすめ!

この本では中世の写本に関する様々な豆知識をたくさん知ることができます。写真が多数掲載されていますので非常にイメージしやすいのもありがたいです。

この本の前半では羊皮紙の作り方も写真で見れるのですがこれはかなり衝撃です。「こうやって作るのか!」と私も驚きました。ぜひぜひ見て頂きたい写真となっています。

私たちが愛する本はかつてどのように生産されていたのか。これは意外と目が行かない部分ではありますがいざ知ってみるとものすごく面白いです。

光の画家フェルメールと科学革命

J・グラスコック『メガネの歴史』~眼鏡はいつから始まった?時代背景や文化も学べる刺激的な1冊!

この作品は単にメガネの歴史をたどるだけでなく、文化、特にファッションという切り口からメガネの変遷を見ていくユニークな作品となっています。

1267年に歴史上初めてメガネについての記述が現れてから今や700年以上もの時が過ぎています。

その時代その時代でどんなメガネが求められていたのか、そしてそのメガネを着用することにはどんな社会的意味があるのかという考察は非常に興味深かったです。

知っているようで意外と知らないメガネの歴史を知れるこの本はとても刺激的でした。

イタリアルネサンスと知の革命

A・バルベーロ『近世ヨーロッパ軍事史 ルネッサンスからナポレオンまで』~マキャヴェリ時代から近代戦争への流れを知るのにおすすめ

この本はコンパクトでありながら深い考察もなされた優れた作品となっています。軍事史といいますと、固有名詞や専門用語がずらりと並んで堅苦しく難しいというイメージがあるかもしれませんがこの本は全く違います。

当時の時代背景や戦争の実態を物語風にわかりやすく語ってくれるこの本は非常に読みやすいです。

「中世における戦争ってこういうものだったのか」ときっと驚くことになるでしょう。とても刺激的で面白い作品でした。

当時の時代背景やナポレオンの特徴まで知れるこの作品はぜひぜひおすすめしたい逸品となっています