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【パリ旅行記】(8)ゾラのルーゴン・マッカール叢書ゆかりの地を一挙紹介~フランス第二帝政のパリが舞台
今回の記事では私が尊敬する作家エミール・ゾラの代表作『ルーゴン・マッカール叢書』ゆかりの地を紹介していく。
だがそのお話を始める前にまずは「なぜ私がエミール・ゾラという作家に出会ったのか」を簡単にお話ししたい。
私がエミール・ゾラを読み始めたそもそものきっかけもやはりドストエフスキーだった。ドストエフスキーがフランス文学、特にバルザックの作品に強い影響を受けていたのはこれまで当ブログでお話ししてきた通りだ。ドストエフスキーは彼らフランス文学を通して19世紀中頃のパリについて大いに想像を膨らませていたのである。
そしてそんなドストエフスキーが初めてパリにやって来たのは1862年。バルザックの描いた時代ははるかに過ぎ去り、フランス第二帝政真っ盛りの時代だった。この時のパリはナポレオン三世による積極的な経済政策によって一気に消費資本主義的ライフスタイルが広がり、まさに大変動の様相を呈していたのである。
言い換えれば、人々の欲望を刺激し、「欲しい」という感情を意図的に作り出していくという商業スタイルが確立していったのがこの時代だった。
そしてドストエフスキーはそのようなフランスに対して、色々と物申していたのだ。彼の『冬に記す夏の印象』はまさしくこのような「金さえあれば何でも手に入れることができる」という世界に対する強烈な批判が展開されている。
となるとやはりこの時代のフランスの社会情勢、思想、文化を知ることはドストエフスキーのことをより深く知るためにも非常に重要であると私は考えたのだった。
「第二帝政期のフランスをさらに深く知るには何を読めばいいだろうか…」
そう考えていた時に私が出会ったのが、まさにエミール・ゾラだったのだ。
そして以下の「『居酒屋』の衝撃!フランス人作家エミール・ゾラが面白すぎた件について」の記事で詳しくお話ししたのでここでは書かないが、私は彼の代表作『居酒屋』を読んで「こんなにすごい作家がいたのか!」と度肝を抜かれてしまったのである。
私はこの作品の続編の『ナナ』も読んでみた。するとこの作品もすごいのなんの!
これはもう決まりだ。ゾラの主要作品『ルーゴン・マッカール叢書』を全部読むしかない!
というわけで私はエミール・ゾラにどっぷりとはまることになったのである。
さて、ゾラの作品といえばここで挙げた『居酒屋』や『ナナ』、『ジェルミナール』などの作品が日本では有名だと思う。
だが、これらの作品は単体の作品として出版されてはいるものの、実は全20巻からなる『ルーゴン・マッカール叢書』という一続きの作品の中の物語なのだ。ゾラの天才的なところは、それぞれが単体の小説として読めながらも、全てが絡み合って大きな作品群として成立させている点にある。ゾラはこの20巻を通してフランス第二帝政のあらゆる人々を描こうとしたのだ。このことについては以下の記事で詳しくお話ししているのでぜひご参照頂きたい。
さて、前置きが長くなってしまったがこれよりパリの『ルーゴン・マッカール叢書』ゆかりの地を紹介していきたい。
『パリの胃袋』に出てくる中央市場、レアール
フランス第二帝政期にはここに巨大な食材市場があり、パリの胃袋と呼ばれていた。
しかし現在はその建物は壊され、大きなショッピングセンターやたくさんの飲食店が軒を連ねるエリアとなっている。
『パリの胃袋』は『ルーゴン・マッカール叢書』の中でも特に好きな作品だったのでその姿をそのまま見ることができないのは非常に残念であった。
ナナが出演していた演劇場、「ヴァリエテ座」
こちらはゾラの代表作『ナナ』の主人公ナナが出演していたヴァリエテ座。
大通りに面していてかなり人通りも多い。現在でも営業している。残念ながら演劇のチケットがないと中まで入れないので外観のみ。
ここでナナは次々と男を虜にし、破滅させていった。
『ナナ』に関してはロンシャン競馬場も訪れたかったのだが時間の都合上行けず。無念。
『ボヌール・デ・ダム百貨店』のモデル、ボンマルシェ
ボン・マルシェは『ボヌール・デ・ダム百貨店』のモデルになったデパートで、デパートの起源として知られている老舗。
ゾラは現場での取材を重要視した作家で、この小説の執筆に際しても実際にボン・マルシェやルーブルなどのデパートに取材に出かけ、ほぼ1カ月にわたって毎日5、6時間みっちりと取材と見学を重ねたそう。
1852年にデパートとしての形が出来上がった老舗ということで、時代を感じるものを想像していた私は中に入ってびっくりしてしまった。想像よりもはるかにモダンで、高級感がありながらも気詰まりを感じさせない雰囲気だった。
このボン・マルシェについてはフランス文学者鹿島茂先生が『デパートを発明した夫婦』という本を出している。
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私たちが普段何気なく買い物しているこの世界の成り立ちがビシッとこの一冊に凝縮されています。この本はものすごい本です。社会科の教科書にしてほしいくらいです。非常におすすめです。
この本がとにかく面白いのでぜひおすすめしたい。もちろん、ゾラの『ボヌール・デ・ダム百貨店』も叢書中ピカイチの面白さなのでぜひぜひご覧あれ。
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この作品はフランス文学者鹿島茂氏の『 デパートを発明した夫婦』 で参考にされている物語です。
ゾラは現場での取材を重要視した作家で、この小説の執筆に際しても実際にボン・マルシェやルーブルなどのデパートに出掛け長期取材をしていたそうです。
この本を読むことは私たちが生きる現代社会の成り立ちを知る手助けになります。
もはや街の顔であり、私たちが日常的にお世話になっているデパートや大型ショッピングセンターの起源がここにあります。
非常におすすめな作品です。
『ゾラの肖像画』のあるオルセー美術館。『制作』に描かれる画家たち
セーヌ河畔にあるオルセー美術館。ここには印象派の作品がたくさん展示されている。
その中でも何と言っても私が見たかったのはマネの『ゾラの肖像画』だ。
この絵は直接『ルーゴン・マッカール叢書』とは繋がりはないが、ゾラと印象派の画家たちは非常に強いつながりがある。そしてその中でもセザンヌとは並々ならぬ関係があった。
セザンヌと言えば印象派の巨匠だ。なんとゾラは彼と南仏のエクスアンプロヴァンスの中学校の同級生で、パリに出てからも互いに深い交流を持ち続けていたのだった。印象派の発展のためにゾラは美術評論を数多く書き、ゾラ自身も天才画家セザンヌから多くのことを学んでいたのであった。いわば二人は芸術界を切り開く盟友だったのだ。
その繋がりがあったからこそゾラの『制作』という作品が生まれたのである。
この美術館にはそんな印象派の絵画が数多く展示されているので、ゾラファンにとっても見逃せないスポットとなっている。
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この物語はゾラの自伝的な小説でもあります。主人公の画家クロードと親友の小説家サンドーズの関係はまさしく印象派画家セザンヌとゾラの関係を彷彿させます。
芸術家の生みの苦しみを知れる名著です!
『獣人』の舞台、サン・ラザール駅
『獣人』の主人公ジャックは鉄道員。そしてこの作品に登場するのがこのサン・ラザール駅だ。
サン・ラザール駅のホームはモネによる絵でも有名だ。
クロード・モネ 『サン=ラザール駅』1877年 Wikipediaより
以下の記事でも述べたが、『獣人』はドストエフスキーの『罪と罰』に影響を受けた作品としても知られている。ドストエフスキーを学んでいる私にとってもこれは非常に興味深い作品だった。
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理性で殺したラスコーリニコフ、本能で殺したジャック。
この二人の主人公の対比はドストエフスキーとゾラの人間観の違いを最も明確に示しているのではないでしょうか。
『罪と罰』にはまった人ならぜひともこちらの作品も読んで頂けたらなと思います。
バルザックの『ゴリオ爺さん』(以下の記事参照)と共におすすめしたい一冊です。
『金』の舞台、旧証券取引所
『金』の主人公サッカールは初登場の『ルーゴン家の誕生』の時から狡猾で強欲な人間として描かれていたが、その金に対する鋭い嗅覚や執着、才能は、次作の『獲物の分け前』で開花することになった。
『獲物の分け前』では主に土地投機によって巨額の金を稼いだサッカールだったが、『金』では巨大銀行を設立することで新たな戦いに身を投じていく様子が描かれていく。サッカールのライバルのユダヤ人はあのロスチャイルド家がモデルになっていて、フランス第二帝政期では実際に新興銀行とロスチャイルド銀行との金融戦争が勃発してた。ゾラはこうした事実を丹念に取材し、この作品に落とし込んでいる。まさにその戦いはこの証券取引上で起こっていたのだ。
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終わりに
以上、パリの『ルーゴン・マッカール叢書』ゆかりの地をご紹介してきた。
『ルーゴン・マッカール叢書』はとにかく面白い。そしてこの作品群ほど私たちの生きる現代社会の仕組みを暴き出したものはないのではないかと私は思う。
ぜひエミール・ゾラという天才の傑作を一冊でもいいのでまずは手に取ってみてほしい。そしてその強烈な一撃にぜひショックを受けてほしい。それほど異常なパワーがある作品群だ。
私の個人的なおすすめ作品を紹介した記事を以下の関連記事に掲載しているのでぜひそちらもご覧になって頂ければ幸いである。
続く
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人と思想 73 ゾラ
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