これまた絶景!大西洋と地の果て~フィニステレ岬への1日ツアー スペイン編⑰

スペイン編

これまた絶景!大西洋と地の果て~フィニステレ岬への1日ツアー 僧侶上田隆弘の世界一周記―スペイン編⑰

5月19日。

今日はサンティアゴ・デ・コンポステーラから現地ツアー会社のフィニステレ岬への1日ツアーを予約。

フィニステレはヨーロッパ大陸の終点。

フィニステレという地名もラテン語で「陸地の終わり」を意味するfinisterraeが語源だそうだ。

その岬からは大西洋を一望できる。

そしてここはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼のもう一つの最終目的地でもある。

その起源は明らかではないが、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼を終えた巡礼者が最後にここの岬までやってくるのだ。

さて、今日のツアーは目的地であるフィニステレ岬の他にもいくつもの風光明媚な景色を堪能できる場所に立ち寄るというもののようだ。

大型バスで出発。

1時間もしない内にまず一つ目の目的地へ到着。

田舎の村という雰囲気。

ここがどこなのか名前もわからないが、ここは川とそこに架かる橋の景色で有名なのだそうだ。

朝もやと川の流れが幻想的な雰囲気を醸し出す。

川を間近で見てみるとまるで大理石のような質感の川の流れ。

黒く滑らかに輝く川に見惚れてしまった。

昼の時間になるにつれ天気がよくなってきた。

いよいよ山あいの田舎道から大西洋岸の道路へ。

期待が高まる。

小さな漁村に少しの間休憩がてらバスは立ち寄った。

ドブロブニクのような大きな港ではないけれども、このローカル感あふれる港もまた素晴らしい。

心地よい潮風と穏やかな波の音しか聞こえない田舎の静かな港。

とても心が落ち着く。

そして海がこれまたものすごくきれい。

下を見れば魚群がはっきりと見える。

驚くほどの数の魚。

これが港内にびっしり続いていた。

そしてバスは進み、今度は河口から遡りごつごつした岩山を目指していく。

この先にはこの地方きっての絶景、エザロの滝がある。

バスを降りてすぐに遠目ではあるが滝を発見。

滝そのものの美しさも遠目から感じられたが、川の両岸にそびえ立つごつごつした岩山の景色もまた素晴らしい。

遊歩道を通って滝へと近づいていく。

すると目の前に立ちはだかったのがこのエザロの滝。

断崖絶壁、いや、巨大な岩の壁から勢いよく流れ落ちる滝。

真正面から流れ落ちるのではなく、目の前を横切る形で流れていく滝の流れがなんとも珍しい。

写真左側にあるように、岩壁には木が生えていて、そこにも滝の流れがある。

木々の間から流れてくる水の流れが美しく、涼しさを感じさせる。

エザロの滝を満喫した後は、いよいよフィニステレ岬へとバスは進む。

この辺りになると写真にも写っているように巡礼者の姿をちらほらと見ることができる。

彼らはサンティアゴ・デ・コンポステーラからフィニステレ岬を目指し歩いているのだ。

フィニステレ岬へ到着。素晴らしい快晴。

ここが地の果て、フィニステレ。

石碑の青いマークはホタテを意味している。

ホタテがサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼のシンボルなのだ。

岬はほとんど崖。

日本なら立ち入り禁止になるだろうが、ここでは皆至って普通にこの崖を降りて行き、思い思いの時間を過ごしていた。

ここまで来るとだんだん海外スタイルに慣れてきた。もはや「こんなの危ないよ!」と驚かない。日本が逆に過保護すぎるのではないかとすら思えてきた。

でも、恐ろしくてこれ以上は先へ進めない。

こんなの崖以外の何物でもない。ちょっとでも踏み違えば真っ逆さま。

よくみんな平気でいられるなと呆気にとられる。

それにしてもただただ絶景。

広大な大西洋を望む。

巡礼者はここに来て何を思い、何を祈るのだろうか。

きっとそれぞれがそれぞれの思いに突き動かされて巡礼を始めたのだろう。

言葉にしてみれば当たり前のことだけれども、巡礼はそう簡単にできるものではない。

自分を突き動かす何かがあったからこそ、体が動いた。

人間には巡礼せずにはいられない何かがある。

人間を動かす大きな力。

そんなことを大西洋を眺めながらぼんやりと感じたのであった。

さて、フィニステレの次は本日の最後の停車地、ムヒアへ向かう。

ここも大西洋を望む岬。

フィニステレ岬と違うのは、海面からの高さ。

すぐ目の前で荒波が岩にぶつかる迫力を感じることができる。

それにしても大西洋の広さには驚かされる。

かつて中世の時代までは世界の果てはこのスペイン沿岸であった。

ここから先に広がる大西洋は巨大な魔物が住む恐るべき海であり、先へ進むと巨大な滝となって世界は行き止まりになっていると考えられていた。

それがルネッサンス時代を経て科学が進歩し、どうやら地球は球体であるということがわかりだした。

世界はこれまでの世界地図のような平面で、大西洋の果てには滝があるという世界観に疑問が呈されたのだ。

そしてそれを証明し、予想だにもしていなかったアメリカ大陸の発見を成し遂げたのがコロンブスだった。

フィニステレから大西洋を眺める

世界の果てフィニステレから海を眺めることしかできなかった中世。

そこから未知の世界へと船を漕ぎ出したコロンブスの度胸は信じられないほどだ。

この時代の船乗りの精神は一体どうなっているのかと本当に不思議に思う。

いくら科学が進歩して、どうやら大西洋には滝もなければ魔物もいなさそうだとわかっていても、やはり未知であることに変わりはない。

今日は快晴で天気もよいので海も穏やかだがいつもこうとは限らない。

大西洋は船乗りたちに牙を向き、数知れないほどの船を飲み込んできたことだろう。

その困難は現代で例えるなら太陽系のはるか先まで行こうというレベルだったに違いない。

よくそこを目指そうと思い立ったなと心底思う。

ムヒア岬の教会

さてさて、これで本日のツアーの行程はすべて終了。

一路サンティアゴ・デ・コンポステーラへと引き返していく。

とにかく今日は絶景を堪能した日になった。

行く先行く先で美しい景色と出会えた。

スペイン北西部の自然の雄大さ、そして大西洋のスケールの大きさを感じたツアーであった。

続く

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