ドイツ

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(9)ドストエフスキー夫妻最初の滞在地ベルリンへ~初々しい2人のけんかと仲直りのエピソード

ドストエフスキー夫妻は4月14日、ペテルブルクを出発しヨーロッパへと向かいました。

そのルートはベルリン、ドレスデン、バーデン・バーデン、バーゼル、ジュネーブ、ミラノ、フィレンツェ、ボローニャ、ベネツィア、プラハ、ドレスデンというもの(※経由地は除きました)。

出発当初は3カ月ほどの予定だった彼らの旅はなんと4年にも及びました。

この記事はそんな彼らの最初の滞在地ベルリンについてお話ししていきます。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(8)いよいよ旅の始まりへ~ドストエフスキー夫妻はなぜヨーロッパへ旅立たねばならなかったのか

前回の記事では心理描写の鬼ドストエフスキーも家庭ではどうしようもないただの夫にすぎなかったことを見ていきました。

誰にも理解されず、孤独を味わうアンナ夫人はいよいよ精神的に追い詰められていきます。

そしてついにコップの水が溢れるように、その時は来たのです。

彼女は悲しみあまり泣き崩れてしまうのでした。そしてこれが彼らの4年にもわたる西欧放浪のきっかけとなるのです。

この記事ではドストエフスキー夫妻が旅に出ることになったその顛末をお話ししていきます。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(7)客だらけのドストエフスキー家の家庭状況と新婚早々親類からの嫁いびりに苦しむアンナ夫人

これまでドストエフスキーの経済状況、持病のてんかんと彼の抱える問題を見てきましたがその最後に彼の家庭環境を見ていきます。

実はアンナ夫人の新婚生活にとって最も苦しかったのがこの家庭環境だったのでした。

嫁いびりといえばよくあることのように思えてしまうかもしれませんがそこはあのドストエフスキー家です。やはり一筋縄ではいかない苦難をアンナ夫人は味わうこととなりました。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(6)ドストエフスキーが生涯苦しんだ持病てんかんの発作を目の当たりにするアンナ夫人

前回の記事ではドストエフスキーの経済状況についてお話ししましたが、彼の抱えていた問題は借金だけではありませんでした。

ドストエフスキーのてんかんは彼の代表作『白痴』の主人公ムイシュキン侯爵や『カラマーゾフの兄弟』のスメルジャコフを通して描かれています。特に『白痴』はアンナ夫人とのヨーロッパ旅行中に執筆されたものであることも意味深いです。ドストエフスキーは常にてんかんの発作に怯えて生きていかなければならなかったのでした。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(4)文豪ドストエフスキーの一風変わったプロポーズ!アンナ夫人に小説仕立ての愛を告白したドストエフスキーの大勝負!

『賭博者』の執筆は順調に進み、期限までに完成することになります。

しかし、この仕事が終わってしまえばもう二人は今までのように会うこともなくなってしまいます。せっかく恋が芽生え始めたのにそれも終わってしまうのか・・・

さあ、どうするドストエフスキー!

そしてついに、彼は一世一代の大勝負に出ます。

・・・プロポーズだ!

そしてこのプロポーズが何ともドストエフスキーらしくてたまらない。

この記事では文豪ドストエフスキーの一世一代のプロポーズを紹介します。ぜひ彼のプロポーズを皆さんも見届けてください。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(3)ドストエフスキーとアンナ夫人の恋のはじまり~『賭博者』口述筆記の共同作業を通して急接近する2人

前回の記事ではドストエフスキーとアンナ夫人の出会いをお話ししました。

今回の記事ではそんな2人の恋の始まりについてお話ししていきます。

「・・・いつになったらあなたの旅行記は始まるんですか?」

まあまあ、まずは2人の馴れ初めから結婚までゆっくり見ていこうではありませんか。その方が必ずや旅の空気というものが伝わるというもの。今しばらくお付き合い願います。

では、始めていきましょう。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(1)妻アンナ夫人と出会うまでのドストエフスキー(1821~1866年「誕生から『罪と罰』頃まで)をざっくりとご紹介

この記事ではドストエフスキーが妻アンナ夫人と出会うまでの前半生をざっくりと振り返っていきます。彼の波乱万丈な人生を短くまとめるのはなかなかに難しいことではありますが、できるだけコンパクトに要点をまとめてみました。

ドストエフスキーがいかに苦しい人生を送ってきたかを知れば、アンナ夫人との出会いがいかに幸運なものであったかがはっきりすることでしょう。

ドストエフスキーの像ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

上田隆弘『ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行』~文豪の運命を変えた妻との一世一代の旅の軌跡を辿る旅

この旅行記は2022年に私が「親鸞とドストエフスキー」をテーマにヨーロッパを旅した際の記録になります。

ドイツ、スイス、イタリア、チェコとドストエフスキー夫妻は旅をしました。その旅路を私も追体験し、彼の人生を変えることになった運命の旅に思いを馳せることになりました。私の渾身の旅行記です。ぜひご一読ください。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

『古代ローマ軍の土木技術 街道・水道・運河などの建築技術をイラストで再現』~ローマ帝国の驚異の建築術を知るのにおすすめ!

この作品は古代ローマ時代の驚異の建築技術について知ることができる作品です。タイトルにもありますようにイラストが多数掲載されていますので視覚的にもイメージしやすく、とてもわかりやすい作品となっています。

ローマの驚異的な建築物がどのようにして作られたのか、またそれらを担った人的システムはどうなっていたのかを知れるおすすめの作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

名作の宝庫・シェイクスピア

佐藤猛『百年戦争 中世ヨーロッパ最後の闘い』~シェイクスピア史劇の時代背景を知るのにおすすめの参考書

今回ご紹介する『百年戦争 中世ヨーロッパ最後の闘い』はシェイクスピアの『リチャード二世』の時代背景を知る上でとても参考になる作品です。

この本は薔薇戦争に先立つ百年戦争について学ぶのに非常におすすめな参考書です。

百年戦争といえばあのジャンヌ・ダルクが活躍した戦いです。

この本を読めばシェイクスピア史劇をより楽しめること間違いなしです。ぜひおすすめしたい作品です。