石井洋二郎『科学から空想へ よみがえるフーリエ』~ユートピアを描いた有名な空想的社会主義者フーリエとは
フーリエについての参考書はほとんどなく、私達が手に取れるものは限られています。ですがその中でもまず入門として読むにはこの本はおすすめです。フーリエ自身が非常に難解な人物でありますので、この本の内容でも難しい部分があるのですが、それでも全体図を知るにはありがたい1冊だと思います。
フーリエについての参考書はほとんどなく、私達が手に取れるものは限られています。ですがその中でもまず入門として読むにはこの本はおすすめです。フーリエ自身が非常に難解な人物でありますので、この本の内容でも難しい部分があるのですが、それでも全体図を知るにはありがたい1冊だと思います。
もし日本に渋沢栄一がいなかったらどんなことになっていたのか。この伝記を読めばぞっとするような事実を知ることになります。それほど渋沢栄一という存在は巨大だったのです。私もこの伝記を読んで心の底から衝撃を受けました。
現代日本はまさに危機の時代だと私は思います。こんな時代だからこそ、渋沢栄一という人物の成した軌跡を辿るのは非常に大切なことなのではないでしょうか。
この伝記はぜひぜひおすすめしたい名著です。学校の教科書になってほしいとすら思える作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
神の教えを信じ、社会福祉の向上を目指す道徳的な産業者が世を導いていく。これがサン・シモンが目指す理想社会でした。
サン・シモンはこの作品で教会批判や持論を展開し続けます。驚くような発想も何度も出てきますし、現代を生きる私たちですら唸らせるような言葉が出てきます。
マルクス・エンゲルスによって空想的社会主義者のレッテルを張られたサン・シモンですが、非常に興味深い思想家でした。
「世の中は生産者、つまり産業者によって成り立っている。だからこそ産業者の地位が認められなければならない。」
産業者こそ世界を担っていくのだという思想は後の弟子たちに引き継がれ、1852年からのナポレオン三世第二帝政期ではその思想が花開くことになります。
そうした意味でも「産業者こそ世を作るのだ」と宣言したこの著作は大きな意味があります。
この本を読んで特に感じたのは革命のカオスぶりです。
あまりに多様な人々をどうひとつにまとめていくのか、何かひとつのことをする度に、必ず不利益を被る人が出てくる。そしてその人達は政府の反対者となり、革命の歩みは難しくなる。ではどうするのか?ギロチンか・・・
こうした問題にどうしてもぶつかってしまうのが革命なのかという事を考えさせられました。
また、こうしたことを考えているとどうしても連想してしまうのがレーニンによるロシア革命でした。フランス革命とロシア革命を比べながら考えるのも大切なことなのではないかと思ったのでありました。
ロベスピエールはあまりに劇的な最期を遂げたため、死後様々な立場から多種多様に語られてきました。そこに「語る者」の意図がどうしても色濃く反映されてしまいます。
ですが著者のマクフィーは歴史家としてそこからなるべき距離を置こうとします。
権力に飢えた独裁者、冷酷無比な虐殺者、政敵を無慈悲に断頭台に送り込んだ精神異常者。そんな単純な話で還元できるものではありません。
その姿勢こそ本書の最も特徴的なポイントであり、私が感銘を受けた点でした。
この本は人間の複雑さ、そして置かれた環境によって人間はどうなりうるのかということを考えさせられる名著です。
若きエンゲルスは自身の矛盾と向き合わざるをえませんでした。
自身が激烈に攻撃していたブルジョワに自分自身がなっている。
マルクスにもその心情を吐露していますが、彼はこの後もずっとそうした矛盾を抱え続けることになります。
ですが後には開き直って堂々とブルジョワ的な行動をするようにもなります。マルクスもそうです。マルクスもブルジョワ的な生活に憧れ、実際にそうしたお金の使い方をしては金欠に苦しむという、矛盾をはらんだ生活をしていたのでした。
空想的社会主義者とはエンゲルスによって1880年に出版された『空想から科学へ』の中で説かれた有名な言葉です。
エンゲルスはマルクス以前に社会主義思想を説いた有名な3人、サン・シモン、シャルル・フーリエ、ロバート・オウエンを「空想的社会主義者」と述べました。
そして彼らの「空想的」な理論に対して、マルクスの理論は「科学的」であると宣言します。
今回の記事ではまず、そのサン・シモンという人物についてお話ししていきます。
この伝記を読んで、私がこれまで学んできた文学、芸術、歴史が繋がったのを感じました。繋がる瞬間ってやはりビビッと来ますよね。これがあるから読書はやめられません。私にとって、「あぁ!そうだったのか!」という発見は読書の最大の喜びのひとつです。この本も刺激に満ちた最高に面白い作品でした。
19世紀中頃のフランス事情を知るのにもおすすめな作品です。
ハイドンが活躍したのは18世紀中頃から19世紀初頭にかけての時期です。ベートーヴェンやモーツァルトに先駆けて音楽界をリードしていたのがこのハイドンです。
この伝記を読めば当時の音楽家が置かれていた境遇を知ることができます。この本のタイトルにもある「使い捨て作品」という意味も見えてきます
この伝記も非常に面白い作品でした