V・ベリゼ『ジョージアの歴史建築 カフカースのキリスト教建築美術』~ジョージア観光の予習におすすめ!
この作品はジョージアの独特な教会建築を余すことなく解説してくれる非常に貴重なガイドブックとなっています。
日本ではジョージアの教会についてはほとんど知られていませんが、その独特な構造や美しさは写真を見ただけでもどきっとするほどです。
そしてこの本では教会建築の解説だけではなく、教会を巡るための旅のガイドまで掲載してくれています。
これは貴重な1冊です。
この作品はジョージアの独特な教会建築を余すことなく解説してくれる非常に貴重なガイドブックとなっています。
日本ではジョージアの教会についてはほとんど知られていませんが、その独特な構造や美しさは写真を見ただけでもどきっとするほどです。
そしてこの本では教会建築の解説だけではなく、教会を巡るための旅のガイドまで掲載してくれています。
これは貴重な1冊です。
私がこの本を手に取ったのはトルストイ伝記の金字塔、藤沼貴著『トルストイ』でこの作品が紹介されていたからでした。
この作品はそれぞれの分野の専門家による共著になります。この本では文学だけでなく様々な観点からカフカースを見ていくことができます。
私はトルストイとの関係性からカフカースに関心を持つようになりましたが、入り口は人それぞれだと思います。そんな中多様な視点からカフカースを見ていくこの本の試みは非常に面白いなと思いました。
『コサック』はトルストイのカフカース体験の集大成とも言える作品です。
カフカースの美しさをここまで表現するトルストイにはただただ脱帽するしかありません。
『コサック』はあの大作『戦争と平和』にも直接繋がっていく非常に重要な作品となっています。
文豪トルストイのスタイルが定まる記念碑的な作品とも言えるかもしれません。
トルストイはあのクリミア戦争に従軍しています。そしてそこでの体験をルポ的に書いたもの、そしてそこからフィクションと結びつけて小説化したものが今作『セヴァストーポリ物語』になります。
天才的な芸術家トルストイによって描かれる戦争の実態はすさまじいものがあります。戦場ルポの先駆けという側面もあったこの作品が発表後すぐに大絶賛されたのもわかる気がしました
『吹雪』はあのツルゲーネフにも大絶賛された作品でした。ツルゲーネフはトルストイより10歳年上で、この時にはすでにツルゲーネフはロシア文壇のトップに君臨していました。
そのツルゲーネフからここまで絶賛されるというのはやはりトルストイは只者ではありません。作家デビューから数年でここまでの表現力を発揮する彼の天才ぶりには驚くしかありません。
今作『森林伐採』ではロシア軍に従軍したトルストイが、兵士たちの姿を通して「ロシア民衆とは何か」という問いを探究していく作品になります。
トルストイのカフカース体験が彼の思想形成に多大な影響を与えていたことがこの小説からうかがえます。
ページ数にして30ページほどというコンパクトな作品の中に情景描写の妙、深い人間洞察というトルストイらしさが詰まった逸品です。
この作品は1852年にカフカースに向けて出発し、従軍経験をした若きトルストイによる実体験をもとにした小説になります。
トルストイはこの時のカフカース体験に大きな影響を受けていて、彼は晩年になると戦争反対、非暴力を強く主張します。
それはこの時に感じた戦争への疑問が残り続けていたからかもしれません。
トルストイが訪れた1850年代にはすでにロシアとカフカースは戦争状態でした。そしてその時から続く歴史は現代のロシア・チェチェン戦争とも繋がってきます。ロシア帝国、ソ連、現代ロシアという歴史の流れを知る上でもカフカースの歴史を知ることは大きな意味があります。
この記事ではそんなカフカースとロシアの歴史についてお話しします
トルストイは1851年、23歳の年にカフカース(コーカサス。旧グルジア、現ジョージア)を訪れています。
そしてその圧倒的な自然やそこで出会った人々、命を懸けて戦った経験が彼の文学に大きな影響を与えています。
この記事では藤沼貴著『トルストイ』を参考にトルストイの「カフカース体験」を見ていきます。
トルストイの文学や人柄の特徴を見ていくためにもこれらは非常に参考になります。
「本書は、コーカサス地域の理解にしか役に立たないのではなく、現在の国際社会において様々な地域で出現している民族や国家をめぐる問題を理解する際にも役立つことを目指している。(「はじめに」より)」
まさにこの作品は複雑なコーカサス情勢を学ぶことで「他の地域の紛争を見る眼」も養うことができる参考書です。
しかもコーカサス地方の紛争はどれもロシアと関わりの深い紛争です。
ロシア・ウクライナ戦争を考える上でも新たな視点を授けてくれるおすすめの参考書です