(31)平和を説く仏教が内戦の原因に?スリランカ北部の街ジャフナで暴力と宗教について考える
1983年から2009年という26年にわたって続いたスリランカの内戦・・・
この内戦は人口の多数を占めるシンハラ仏教徒と少数派タミルヒンドゥー教徒の内戦でした。もちろん宗教だけが主要因というわけではありませんが、仏教が内戦に絡むことになってしまったことに私は大きなショックを受けたのでした。
1983年から2009年という26年にわたって続いたスリランカの内戦・・・
この内戦は人口の多数を占めるシンハラ仏教徒と少数派タミルヒンドゥー教徒の内戦でした。もちろん宗教だけが主要因というわけではありませんが、仏教が内戦に絡むことになってしまったことに私は大きなショックを受けたのでした。
かつて日本でもラジオにおいて仏教学者や演説、説法の達人が仏教を語り多くの人に強い影響を与えていたというのは驚きでした。
また、松下幸之助についての驚きの事実や、政治家松岡洋右の圧倒的な演説力、玉音放送を手掛け戦争を終結させた影の立役者下村宏の偉業など次から次へと驚異の事実をこの本では目にしていくことになります。
とにかく読んでみて下さい。それも一刻も早く!これほどの本に出会えるのはそうそうありません。世界が非常に不安定になっている今こそ読むべき名著中の名著です。
スリランカの研究者オベーセーカラはダルマパーラの生み出したスリランカ仏教を「プロテスタント仏教(改革仏教)」と呼びました。スリランカの仏教といえば最も古い仏教を今でもそのまま継承しているというイメージがあるかもしれませんが、実はそうではなく19世紀から活発化した運動のひとつだったのでありました。その流れで仏教とシンハラ人のナショナリズムが結びつき、内戦へと向かっていったという歴史をこの本では詳しく見ていくことになります。特にこのダルマパーラについては伝記のようにその生涯をじっくり見ていくことになります。その生涯を見ていきながらスリランカ仏教の独特な歴史を知ることができます。
ルワンダの虐殺はあまりに衝撃的です。トラウマになってもおかしくないほどの読書になるかもしれません。それほどの地獄です。人間はここまで残酷になれるのかと恐れおののくしかありません。
私はボスニア紛争をきっかけにルワンダの虐殺をこうして学ぶことになりましたが、これらの本を読んでいてボスニア、ルワンダ、ソマリアのそれぞれが特異で異常なのではなく、人間の本質としてそういうことが起こり得る、誰しもがやってしまいかねないものを持っているのだということを改めて思い知らされることになりました。
目を背けたくなるような歴史ではありますが、ここを通らなければ、歴史はまた形を変えて繰り返してしまうことでしょう。そうならないためにも私たちは悲惨な人間の歴史を学ばなければならないのではないでしょうか。
今回の記事では小説作品とは一味違う歴史書、ノンフィクション作品をご紹介していきます。
この記事では特に「世界の見方」を問う作品を重視してチョイスしました。
この本では様々な絵画や芸術作品を通して数々の実践をこなしていくことになります。
あの有名なフェルメールを通しての実践はものすごく刺激的で面白いです。
何気なく見るだけでは決して気づくことのできない細部の描写。この絵に実際に何が描かれているのか。この本を読めば私たちがいかに何も見えていないかがよくわかります。試しにまずはこの本を読んでみて下さい。自分の世界の見方の漠然さに衝撃を受けると思います。
「見る」と「観る」の違いがこんなにも大きいものだったのかと私は衝撃を受けることになりました。
これは勉強をする上でも、仕事をする上でも、いや、生きること全てにおいても大切な技術です。これはぜひ多くの人に体感して頂きたい驚異のプログラムです。
著者の高橋ブランカ氏はセルビア出身の作家です。ベオグラード大学で日本語を学び、その時の指導教官がこれまで当ブログでも紹介してきました詩人山崎佳代子氏でした。
繊細な内面描写あり。思わずくすっとしてしまうユーモアあり。
著者の思いを感じながら読んだ『東京まで、セルビア』は非常に刺激的かつ楽しい時間になりました。
ぜひぜひおすすめしたいです。
ユーゴ紛争、NATO空爆を経たベオグラードの街で詩人である著者は何を見て、感じたのか。
紛争後も続く何気ない日常。
その日常を綴った言葉の中に、じんわりと見え隠れしてくる紛争の影・・・
わかりやすい「特別な出来事」ではなく、そこで今も生きる人たちの日常を捉えたこの作品は非常に稀有な存在だと思います。ただ単に日常を切り取っただけでなく、そこに何か人間生活の奥深さが感じられてくる不思議。
この作品が読売文学賞を受賞したのももっともだなと思いました。不思議な力がある作品です。
この作品はセルビアの首都ベオグラード在住の詩人山崎佳代子氏によるエッセイ集です。
なぜユーゴ紛争は起こってしまったのか・・・
「セルビア悪玉論」という単純な構図で語られてしまったこの紛争。
そんな国際世論の中セルビアはNATOによる空爆を受けることになります。著者はそんな猛烈な爆撃の中ベオグラードに残り続け、そこに生きる人々の声や、自らの思いをこの本に記しています。
1999年、コソボ紛争の中NATO軍は「セルビアによる虐殺を止めること」を理由に、ベオグラードやセルビア人居住地に対し激しい空爆を行いました。そしてその時に使用されたのが「劣化ウラン弾」でした。この兵器は撃ち込まれたエリアに放射能汚染を引き起こします。そんな危険な兵器をNATO軍が大量に撃ち込んでいた・・・私はそのことにショックを受け、「この兵器が引き起こした実態をもっと知らなければならない」と考えこの本を手に取ったのでありました。
この記事ではそんな劣化ウラン弾の恐ろしさについてお話ししていきます。