フランス

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

W・シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史』~鉄道の発明は人間の意識を変えた!仏文学者鹿島茂氏も絶賛の名著!

当ブログでもすでにお馴染みのフランス文学者鹿島茂先生が「メチャンコにおもしろい」と大絶賛しているのがこの本です。これは面白いに違いない!

私はわくわくしながらこの本を開いてみたのですが、やはり鹿島先生はすごい!この本は本当に「メチャンコにおもしろい」です。

鉄道が生まれたということは単に便利な移動・輸送手段ができたという話ではなく、人間の価値観、世界観を根本から変えてしまったのだということがこの本からわかります。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

松村昌家『幕末維新使節団のイギリス往還記―ヴィクトリアン・インパクト』~幕末明治の日本人が見たイギリスとは!

この作品では、幕末維新期の使節団から見たヴィクトリア朝、万国博覧会を見ていくことになります。鎖国していた日本から飛び出て、初めて見るヨーロッパの機械文明を見た我らが使節団はどのような反応をしたのでしょうか。普通のイギリス史とは違った視点から見るヴィクトリア朝をこの本では知ることができます。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

松村昌家『大英帝国博覧会の歴史 ロンドン・マンチェスター二都物語』~万博とマンチェスターのつながりを知れる1冊!

この本はロンドン万博とマンチェスター名宝博のつながりを大きな視点で見ていき、さらにはそこから日本とのつながりも見ていく作品になります。

産業革命の悲惨な結果として見られがちなマンチェスターですが、実はこのマンチェスター名宝博こそ、国民の生活向上を目指す運動とも関わってくるものでした。

マルクスは1849年から、エンゲルスに関してはそれよりもはるかに長くイギリスに滞在しています。彼らの思想が生まれてくる背景にはイギリスの社会情勢があります。そうしたイギリスの社会事情を知る上でもこの本は非常に参考になりました

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

ダンディーの元祖、イギリスのブランメルとは~その歴史と時代背景

この記事ではダンディーの開祖ブランメルとダンディズムが生まれてきた背景をお話していきます。

ダンディーがマカロニースタイルという衝撃的な服装から発展して出来上がってきたというのは驚きでしたし、その衰退がイギリスの工業化やフランクリンの勤労倹約の思想に影響を受けているというのも驚きでした。

そしてこのフランクリンに影響を受けて出来上がってくるのがスマイルズの『自助論』であり、これがまたイギリスの労働者の道徳観を形成していくというのも興味深かったです。ダンディを知ることでイギリスの時代精神も知れるという非常に刺激的な記事となっています

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

松村昌家『十九世紀ロンドン生活の光と影―リージェンシーとディケンズの時代』~ヴィクトリア朝繁栄の背景を知るのにおすすめ!

この本で語られるリージェンシー時代は1811年から1820年までの10年という短い期間のことですが、この時代が後のヴィクトリア朝につながる重要な時期であると著者は述べます。

たった一本の路地を隔てることによって世界が変わっていく。光と闇が同居するような、そんな矛盾をはらんだ街が世界の大都市ロンドンでした。

この本ではそうしたリージェンシー時代からヴィクトリア朝初期に至るロンドンの時代背景を見ていくことができます。

この本は19世紀前半から中頃のロンドンを知るのに最適な1冊です。非常に興味深い内容が満載でした。おすすめです!

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

海野弘他『レンズが撮らえた19世紀ヨーロッパ』~19世紀西欧を写真で概観するおすすめガイドブック!

この本では同時代の国家間のつながりはどのようなものだったのか、それぞれの国の特徴はどのようなものだったのかということを知ることができます。しかも写真が大量にありますのでとてもイメージしやすいです。

そしてこの本のタイトルにもありますように、カメラと写真技術そのものの歴史も知ることができます。カメラの技術が発明されたのが1839年で、そこからあっという間にその技術は進歩し1840年代にはかなり性能のよいカメラ技術も出てきます。

これは刺激的な1冊です!

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

『写真で見る ヴィクトリア朝ロンドンの都市と生活』~ディケンズも見た19世紀後半のロンドンを知るのにおすすめ!

この本では19世紀中頃から後半にかけてのロンドンの姿を大量の写真で見ることができます。
この本の特徴は19世紀イギリスの偉大な文豪ディケンズと絡めてロンドンの街が語られる点にあります。
たくさんの写真と一緒にディケンズ作品との関わりも解説されていきますのでディケンズファンにはたまらない構成となっています。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

サイモン・フォーティー『産業革命歴史図鑑 100の発明と技術革新』~産業革命の歴史と発明品を学ぶのにおすすめ

この本の特徴は何といっても資料の豊富さです。書名にもありますように、100の発明が写真、イラストと共にわかりやすく解説されます。

産業革命について書かれた本が意外と少ない中で、この本は非常にありがたい作品です。タイトルに「歴史図鑑」とありますように、写真やイラストが豊富なのも素晴らしい点です。解説もとてもわかりやすいです。

産業革命の歴史を学ぶ入門書としてこれはかなりおすすめな一冊です。

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

カール・B・フレイ『テクノロジーの世界経済史』~産業革命の歴史と社会のつながりを学ぶのにおすすめ!

私がこの本を手に取ったのは、マルクスを学ぶ上で産業革命の歴史と現代に至るテクノロジーの歴史を知りたいと思ったからでした。

この本ではなぜイギリスで産業革命が起きたのか、そしてそれにより社会はどのように変わっていったのかを知ることができます。

マルクスとエンゲルスは、機械化が続けば労働者は貧しいままだという理論を述べました。

たしかに彼らが生きていた時代にはそうした現象が見られていましたが、現実にはその理論は間違っていたと著者は述べます。

この伝記は産業革命とテクノロジーの歴史を知るのに非常におすすめな1冊となっています。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

『グローバル経済の誕生 貿易が作り変えたこの世界』~世界市場の歴史を知るのに最適な1冊!マルクス主義を学ぶためにも

マルクス主義においては、「資本主義がこんな世界にしたのだ」と述べられることが多いですが、この本を読めばことはそんなに単純ではないことに気づかされます。

たしかに「資本主義」が多大な影響を与えているのは事実です。ですが個々の場においては様々な事情や要因が働いて社会は成り立っています。単に「資本主義がすべて悪いのだ」で止まってしまったら重要なものを見落としてしまいかねません。

世界は複雑に絡み合って成り立っていることをこの本では学べます。

幅広い視野から貿易の歴史を知ることができるおすすめの1冊です。