ドストエフスキーゆかりの地を巡る旅

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(25)ベルニーニ『トリトーネの泉』~ベルニーニのファンタジー世界が躍動する傑作噴水!

今回の記事ではローマ・バルベリーニ広場にあるベルニーニ作トリトーネの噴水をご紹介します。

この作品は噴水の仕組みとしては至ってシンプル。ほら貝の先から水が真上に噴き上がり、その水がランダムに跳ね返って滴り落ちていきます。このシンプルな作りながらなぜか目が離せなくなる水の動きには驚かざるをえません。

そしてこの噴水はなんともコミカルでかわいらしいです。かわいらしいイルカを見にぜひ皆さんもこの噴水を訪れてみてはいかがでしょうか。

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(24)ベルニーニのライモンディ礼拝堂~見事な光のスペクタル!劇作家・演出家としてのベルニーニ

ローマ・トラステヴェレ地区サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会のライモンディ礼拝堂。ここはまさにベルニーニの光の魔術が生み出された場所でもあります。

ライモンディ礼拝堂はベルニーニが光の統御に完全に成功した最初の作品です。

電気がない時代においてベルニーニはいわば独自の方法で舞台空間を照らすスポットライトを生み出したのです。

ベルニーニの演劇的手法、光のスペクタルの発想には脱帽です。これが1630年代の作品のだからなおさらです。

この教会で過ごした時間は私のローマ滞在の中でも特に印象に残っています。

ベルニーニの光のスペクタクルを感じるのにもこの教会は非常に素晴らしいスポットです。ぜひおすすめしたい教会です。

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(23)ベルニーニの傑作『ウルバヌス八世の肖像』~肖像彫刻の奥義とその秘密とは。ベルニーニの独特な人間観察法に学ぶ

ベルニーニの『ウルバヌス八世』はスペイン広場にも近いバルベリーニ宮に展示されています。

私もこの肖像を見にここを訪れたわけですが、この彫刻が肖像彫刻の最高傑作と称えられる理由がよくわかりました。

私はこの彫刻から目が離せなくなり、しばらくこの像の前から動けなくなるほどでした。

私はこんなに素晴らしい肖像をこれまで見たことがありません。最高傑作とはこういうことなのかと心の底から感嘆した体験でした。

そしてこの記事ではそんなベルニーニの独特な肖像制作法や人間観察についてもお話ししていきます。

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(22)ベルニーニ『聖ロンギヌス』~サン・ピエトロ大聖堂の巨大彫刻。ベルニーニのイリュージョンが炸裂した傑作!

この記事ではあの「ロンギヌスの槍」を題材にしたベルニーニの傑作をご紹介します。

サン・ピエトロ大聖堂にある『ロンギヌス』はバルダッキーノやその先に見えるカテドラ・ペトリのちょうど反対側の向きにあります。そのため多くの人がこの像を見逃して帰ってしまうかさっと流して終わってしまいます。ですがそれはあまりにもったいないです。ぜひこの像にも時間を割くことをおすすめします。

ベルニーニの魔術がこれでもかと炸裂した傑作です。細部にまで彼得意の超絶技巧が施された必見の彫刻です!

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(21)ベルニーニ『バルダッキーノ』~サン・ピエトロ大聖堂で一際目を引く傑作ブロンズ像!パンテオンとの驚きのエピソードも

ローマ・カトリックの総本山バチカンの象徴サン・ピエトロ大聖堂。その中央祭壇にどんと鎮座するのが何を隠そうベルニーニ作のバルダッキーノです。

ブロンズで作られたこの巨大なバルダッキーノ。ひねりが加わった柱に黒々としたその巨体。私も2019年に初めてこれを見た時には度肝を抜かれました。まさに言葉を失ってしまうほどの衝撃でした。

私はサン・ピエトロ大聖堂が大好きです。この教会は何から何まで驚異的なスケールで私を圧倒します。

ですがそれもやはりベルニーニの傑出した才能があってこそです。バルダッキーノがなければこの聖堂の見栄えは全く違ったものになっていたことでしょう。この記事ではそんなバルダッキーノについてお話ししていきます。

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(20)建築家ベルニーニのデビュー作サンタ・ビビアーナ教会へ!最強のパトロン、ウルバヌス八世の存在

ベルニーニは建築家としての第一歩をこの教会からスタートさせました。

ですがなんと!その第一歩目からしてとてつもない偉業を成し遂げていたのでした。

天才ベルニーニの最初の教会建築を堪能できるこの教会はぜひおすすめしたいです。ローマテルミニ駅近くの若干地味で目立たない教会ですが、だからこそ味があって素晴らしいです。

観光客もほとんど来ないのでじっくりベルニーニの世界を味わうことができます。ぜひローマ滞在の折にはここを訪れてみてはいかがでしょうか。

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(19)ベルニーニ『ダヴィデ』~ベルニーニの驚異の集中力とミケランジェロの『ダヴィデ』との比較

私もボルゲーゼ美術館でベルニーニの魔術に引き込まれた一人です。専門家の石鍋真澄が述べるように、ダヴィデの視線の先には明らかにゴリアテがいます。そして今にも石を投げんとしているのが伝わってきます。その瞬間を私達は目撃しているのです。ベルニーニの彫刻は私たちの現実世界を吹き飛ばしてファンタジー、物語空間に強制的に引き込んでしまいます。この物語性、メッセージ性がベルニーニの真骨頂。20代前半にして彼はその域に到達していたのでした。恐るべき早熟の天才と言えるでしょう。

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(18)ベルニーニ『アポロとダフネ』~初期の最高傑作!芸術の奇跡と称えられたボルゲーゼ美術館の至宝!

この記事ではベルニーニ初期の最高傑作として知られる『アポロとダフネ』という作品を紹介していきます。

私はこの彫刻が展示されている部屋に入った時、思わず「天才だ・・・!」と漏らさずにはいられませんでした。『プロセルピナ』もたしかにものすごい作品でしたがこれはさらに異次元の領域に達しています。「芸術の奇跡」と称えられたのも心の底からよくわかりました。

天才というのはこういうことかと感嘆せずにはいられません。言葉を失ってしまいました。それほど圧倒的な作品です。

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(17)ベルニーニ『プロセルピナの略奪』~驚異の肉感!信じられない超絶技巧に驚愕!ボルゲーゼ美術館所蔵の初期の傑作!

『ベルニーニ』の著者石鍋真澄に絶賛されていた彼の超絶技巧を私も間近で体感してきました。

著者が「そこには見る者を恍惚とさせる「技巧」がある」と述べるように、恍惚とせずにはいられません。「嘘でしょ!?」と思うほどの質感でした。指が食い込む肌の柔らかさに注目してください。これが本当に石なのかと目を疑いました。

ベルニーニは単に独創的なだけではありません。それを実現する超絶技巧があったからこそその独創性が生かされています。発想だけでは足りないのです。それだけでは単なる空想で終わってしまいます。確かな技術、いや圧倒的な技術という裏付けがあるからこその独創性なのだということを実感しました。

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(16)ローマ・ボルゲーゼ美術館でベルニーニの初期作品やカラヴァッジョの名画を堪能!

この記事ではベルニーニの最初のパトロン、シピオーネ・ボルゲーゼの美術館であるボルゲーゼ美術館をご紹介します。

ここにはベルニーニの初期の作品がずらりと展示されています。彼の芸術家としてのスタートを学ぶのにこれに勝る場所はありません。若くしてすでに天才のきらめきを見せるその作品たちに私もただただ驚くしかありませんでした。

またこの美術館はカラヴァッジョのコレクションでも有名です。それらの名画もこの記事では紹介していきます。