ドストエフスキーゆかりの地を巡る旅

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(15)モーツァルト級の才能と驚異の頭脳を発揮する神童ベルニーニ~16世紀ローマの特殊な社会状況も紹介

ベルニーニの神童ぶりには驚くしかありません。ベルニーニはこの時代には珍しい長寿の人生を送りました(これもくしくもミケランジェロとも同じだ)。

そしてその長い人生の始まりからしてすでに傑出した才能を示していました。

審美眼の鋭いパトロン、ボルケーゼの目に留まったというだけでも驚異的なことです。しかも彼の手引きで様々な有力者に出会っても全く物怖じせずやり取りができてしまうその機知。末恐ろしい子どもです。

ベルニーニがいかに飛び抜けた存在だったかがこの記事で伝わることでしょう。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(14)ローマバロック芸術の王ベルニーニとは!ローマの美の鍵はこの男にあり!この旅行記の主役をいよいよご紹介!

これより先バロックの天才ベルニーニの作品とその美の秘密についてじっくりと見ていきます。

芸術とはそもそも何なのか。なぜ私はこんなにもローマに惹き付けられるのか。その鍵がベルニーニにある。そしてそれを確かめんがために私はローマでベルニーニ詣でを決行したのでありました。

ベルニーニについて知ればもっともっとローマが楽しくなるのは間違いありません。現に私は今回のローマが楽しくて楽しくてなりませんでした。ローマはこんなにも奥深い所だったのかと驚嘆せずにはいられませんでした。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(13)関係者以外立入禁止のバチカン市国内部を特別に見学!サン・ピエトロ大聖堂の貴重な裏側も!

バチカン市国といえば世界最小の国家として有名です。その中にはサン・ピエトロ大聖堂やバチカン美術館という言わずもがなの大建築がありますが、バチカン市国には国家としての機構も当然あります。銀行や郵便局、裁判所などなど様々な施設が領内に存在します。ただ、大聖堂や美術館以外のエリアは関係者以外は立ち入り禁止のため、それらを目にすることは一般観光客にはできません。

ですが、なんと!そこに私は入場できることになったのでした!

この記事ではそんな私の体験をお伝えします。普段見ることのできないバチカンの姿を皆さんにご紹介します。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(12)マデルノの聖セシリア像に感動!~サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂の傑作彫刻をご紹介

マデルノは天才か・・・!私はこの像の前で凍り付いてしまいました。何が私をここまで惹きつけるのかはわかりません。ですがただただこの像に釘付けになってしまいました。

ローマにはベルニーニやミケランジェロなどの優れた彫刻が数多あります。ですが今回のローマ滞在で私が最も衝撃を受けたのはこの『聖セシリアの殉教』でした。時間の都合上一回しかこの聖堂を訪れることができなかったのが心残りで仕方ありません。もう一度でいいからこの像を見たいと、この記事を書いている今も胸が苦しくなります。

あまりに素晴らしい作品です!ローマで最もおすすめしたい彫刻の筆頭です!

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(11)美しすぎるサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂を訪ねて~現存するローマ最古のバシリカ様式と聖母信仰

サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂は単なる古の歴史建造物としてではなく、今も生きた信仰の場として大切にされています。

私もここに足を踏み入れた瞬間驚きで一瞬息が止まってしまいました。こんなに美しい場所だとは想像もしていませんでした。整然とした列柱、聖堂内のシンプルな構造、さらに天井や柱の上の四角い装飾にいたるまで非常に美しいです。

この聖堂はテルミニ駅からかなり近いです。来ようと思えばアクセスは容易なのでローマ滞在の折にはぜひ訪れてみてほしい場所です。非常に素晴らしい聖堂なのは間違いありません。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(10)サン・カリストのカタコンベを訪ねて~カタコンベの歴史と死と祈りの街としてのローマを考える

「ローマは死の思い出に満ち満ちている」 「実際、ローマは墓の都市だといっていいだろう。そしてキリスト教も「死の宗教」であり、「死への勝利の宗教」である。」 キリスト教の街ローマを考える上でやはり「墓」という存在は大きな意味を持ちます。 サン・ピエトロ大聖堂もそもそもの始まりは聖ペテロの墓です。 ローマという街は墓を中心として発展を続けてきた歴史があります。この記事ではそんな「墓の都市」ローマについて考えていきます。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(9)サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ聖堂~かつてキリスト教ローマの政治の中心だった巨大な教会を訪ねて

私たちはローマ・カトリックといえばバチカンのサン・ピエトロ大聖堂を思い浮かべてしまいますが、実は中世までローマ・カトリックの政治の中心はこのラテラノ大聖堂だったのでした。しかもここはローマで一番最初に建てられた大聖堂でもあります。

白を基調とした聖堂、柱から突き出てくる彫刻達。正面の中央祭壇や天井の茶色がかった色彩と基調色たる白とのコントラストが非常に美しく、私は一瞬でこの聖堂に惚れ込んでしまいました。

この教会は建築家ボッロミーニの天才ぶりを感じられる教会だと思います。ローマ観光の中心地からは少し離れていますが一見の価値がある素晴らしい教会です。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(8)ミケランジェロ・ベルニーニも絶賛したパンテオン!ローマ建築最高峰の美がここに!

あのミケランジェロとベルニーニが褒め称えたパンテオン。ミケランジェロはサン・ピエトロ大聖堂のドームを設計し、ベルニーニは小パンテオンとも言える傑作サン・タンドレア・アル・クイリナーレ聖堂を生み出しています。

古代ローマ建築の頂点パンテオンはルネサンスにも絶大な影響を与えていました。

ローマ帝国の叡智の結晶たるパンテオン。西暦125年頃からずっとこの姿を保っているというのは驚異的としか言いようがありません。あのコロッセオですらもはや廃墟のような姿です。それに対してここは完全に現役のままです。ローマ帝国の技術力には唖然とするしかありません。パンテオンが言語に絶する名建築なのは間違いありません。

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(7)カラカラ浴場とアッピア街道、クラウディア水道橋を訪問。古代ローマの驚異的な技術力に驚愕

古代ローマの驚異の建築技術を体感しに、私はローマ郊外へと出かけました。

そこで古代ローマ時代の水道橋を見ながらガイドさんが話してくれたことが印象に残っています。

「ギリシア文明も古代エジプト文明も巨大な建造物を作りました。ですがローマ文明はその全てが実用的です。コロッセオ、道路、水道橋、そのどれもが人々の生活に直結するものです。ギリシアの神殿やピラミッドはたしかに大きいです。ですがそれは誰のためのものですか?何の役に立ちますか?ローマは違います。文明が実用性と結びついているのがローマの素晴らしいところです。」

実用性を極めた文明!

なるほど、これはローマ帝国を知る上で非常に重要なポイントではないでしょうか!

『ローマ旅行記』~劇場都市ローマの魅力とベルニーニ巡礼

(6)パラティーノの丘からフォロ・ロマーノを一望!サン・ピエトロ大聖堂の大理石はここからやって来た!?

私はこの旅に出る前、古代ローマの栄枯盛衰の物語にそれこそどっぷりはまってしまい、様々な本を読むことになりました。

カエサル、キケロー、ブルータス、アウグストゥス、アントニウス、クレオパトラ、セネカ、カリギュラ、ネロ、トラヤヌス、ハドリアヌス、マルクス・アウレリウス・・・歴史に名を残す錚々たる人物達がここに生きていたのだ。なんと浪漫溢れることだろう!

やはりローマに来たらフォロ・ロマーノは必須だ。ローマに来たならここに来なければならない。

2000年前の驚異の繁栄とその崩壊は歴史ファンでなくともそのスケールの大きさに圧倒されることでしょう。