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跳魚@ロシア史と露様『天使のためのウヴェルテュール前編(アレクサンドル1世紹介漫画) 』~ロシア皇帝アレクサンドル1世を漫画で紹介!

天使のためのウヴェルテュール
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『天使のためのウヴェルテュール前編(アレクサンドル1世紹介漫画) 』| 跳魚@ロシア史

本日はTwitterやpixivで活動されています跳魚@ロシア史さん(以下、跳魚さんと呼ばせて頂きます)の『天使のためのウヴェルテュール前編 』をご紹介します。

私は以前の記事「謎の国ロシアの歴史を年表を用いてざっくり解説!」で簡単にではありますがロシアの歴史についてお話ししました。

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この記事では一人一人の皇帝の姿を詳しくは述べることができませんでしたが、跳魚さんの『天使のためのウヴェルテュール前編 』ではあの無敵のナポレオンを敗走させたアレクサンドル1世について彼の波乱万丈の生涯をわかりやすく漫画で紹介して下さっています。

https://www.pixiv.net/artworks/72410764

ロシアの皇帝というとかなりいかついイメージがあるかもしれませんが、跳魚さんのイラストは非常に繊細で美しくて、とっつきにくいロシア史のイメージが変わると思います。

そしてこのアレクサンドル1世という方は実際にかなりの美男子として有名なお方でした。

跳魚さんはそんなアレクサンドル1世の生涯を読みやすく面白い漫画にして私たちに紹介してくれます。

以下Twitterのツイートも引用します。

https://twitter.com/haneuo137/status/981172749082050561

私が跳魚さんの漫画に惹かれたのはそのアレクサンドル1世への愛、ロシアへの愛がものすごく伝わってきたところでした。もうめちゃくちゃアツいです。

そして何より、しっかり史実を調べてからクオリティの高いものを作品として発信したいという姿勢が素晴らしいなと思いました。

しっかり学んだ上で、多くの人にその魅力が伝わるように描いていく。

私もその姿勢に大いに元気づけられました。

アレクサンドル1世は非常にナイーヴな性格を持った皇帝と言われており、豪傑揃いのロシア皇帝の中では異質な存在かもしれません。

そんな彼が権謀術数渦巻くロシア宮廷でどう生き抜いていったのか、そしてどうやってあのナポレオンを倒すほどまでになったのか、これは非常に興味深いところであります。

跳魚さんによると続編はまだ執筆中とのことですが、その続編は「欧州最強の覇者ナポレオンとの対決を見据えた腹の探り合い、平和を希求しながらも一度決めたら最後まで戦い抜く強さ、それも不安と自己否定に苛まれながらのものであり…」とアレクサンドル1世のハイライトが描かれていくそうです。これは乞うご期待です。

現在『天使のためのウヴェルテュール前編 』はTwitterやpixivで無料で公開されています。

これだけクオリティの高い作品が無料で見られるのは大変なことです。ぜひご覧になってください。

きっとロシアの面白さや魅力が伝わってくると思います。

跳魚さんもツイートで次のように述べられていました。

私がモスクワに留学した時「半分は嫌いになって帰ってくる、半分は更に好きになって何度も行くようになる」と教授から言われましたが、私は完全に後者でした…掘っても掘っても魅力が尽きない不思議な国です。

Twitterより

自分の身でその魅力を感じられた跳魚さんだからこそ出せる面白みがこの作品にはにじみ出ています。

とてもおすすめな作品です。

以上、「跳魚@ロシア史と露様『天使のためのウヴェルテュール前編(アレクサンドル1世紹介漫画) 』~ロシア皇帝アレクサンドル1世を漫画で紹介! 」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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