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ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン記事一覧~驚異の家系とその生涯、作品を知るのにおすすめの書籍もご紹介

目次

ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン記事一覧~驚異の家系とその生涯、作品を知るのにおすすめの書籍もご紹介

私がメンデルスゾーンと出会ったきっかけはチェコの偉大な作曲家スメタナでした。

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ひのまどかさんのスメタナの伝記があまりに面白く、この「作曲家の物語シリーズ」をひたすら読んでいった私だったのですが、その中でも一番好きになったと言える人物がメンデルスゾーンでした。

メンデルゾーンの生まれ育った環境、そしてその生き様。そのどれもが心に刺さるものでした。

もちろん私はスメタナも大好きです。スメタナとメンデルスゾーンが私の特に好きな作曲家です。

こうして考えてみると、ベートーヴェンやモーツァルト、ワーグナーなど破天荒で狂気すら感じられる天才よりも、天才でありながらも真面目でこつこつ仕事を続けるスメタナやメンデルゾーンのようなタイプが私の好みであることをこのシリーズからも感じさせられました(笑)

もちろん、偉大なる天才の狂気も、芸術作品として受け止め鑑賞するには最高です。私も大好きです。ですが一人の人間として憧れだったり尊敬、好意の念を持てるかというとまた違ってきますよね。

そういう意味でスメタナとメンデルゾーンは私にとって尊敬する偉人となったのでありました。

メンデルスゾーン(1809-1847)Wikipediaより

メンデルスゾーンはドイツ、ハンブルクの大銀行家の息子として生れました。その後ナポレオンの進軍により一家はベルリンへ拠点を移すことになります。メンデルスゾーン家はここでも有数の銀行家として繁栄することになりますが、ユダヤ人であったことから差別や迫害を受けることにもなりました。

メンデルスゾーンで有名なのは、あのシェイクスピアの『夏の夜の夢』を題材にして作られた『夏の夜の夢』です。その中でも以下の曲はものすごく有名です。

結婚式といえばこの曲ですが、まさかこの曲を作ったのがメンデルスゾーンだったとは!これには驚きました。

そして下の動画も聴き惚れてしまうほど素晴らしい演奏です。解説もついているのでぜひご視聴ください。こちらはメンデルスゾーンの代表曲『バイオリン協奏曲ホ短調』です。

メンデルスゾーンについては以下の解説動画が非常にわかりやすく面白いですのでこの動画もおすすめです。ぜひご覧になってください。メンデルスゾーンがどんな人物だったのか、そしてその音楽の特徴を知ることができます。

さて、そんな私も大好きなメンデルスゾーンですが、この記事ではこれまで当ブログで紹介したメンデルスゾーン関連の記事を一覧にして紹介していきます。リンク先ではより詳しくお話ししていますので興味のある記事があればぜひそちらもご覧ください。

では、早速始めていきましょう。

ひのまどか『メンデルスゾーン―「美しくも厳しき人生」』

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この作品は「作曲家の物語シリーズ」のひとつで、このシリーズと出会ったのはチェコの偉大な作曲家スメタナの生涯を知るために手に取ったひのまどか著『スメタナ』がきっかけでした。 クラシック音楽には疎かった私ですがこの伝記があまりに面白く、「こんなに面白い伝記が読めるなら当時の時代背景を知るためにももっとこのシリーズを読んでみたい」と思い、こうして 「作曲家の物語シリーズ」 を手に取ることにしたのでありました。

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この作曲の物語シリーズについては以下のように述べられています。

児童書では初めての音楽家による全巻現地取材

読みながら生の音楽に触れたくなる本。現地取材をした人でなければ書けない重みが伝わってくる。しばらくは、これを越える音楽家の伝記は出てこないのではなかろうか。最近の子ども向き伝記出版では出色である等々……子どもと大人が共有できる入門書として、各方面で最高の評価を得ています。

リブリオ出版、ひのまどか『ブラームス―「人はみな草のごとく」』 1999年第10刷版

一応は児童書としてこの本は書かれているそうですが、これは大人が読んでも感動する読み応え抜群の作品です。上の解説にもありますように「子どもと大人が共有できる入門書として、各方面で最高の評価を得ています」というのも納得です。

ほとんど知識のない人でも作曲家の人生や当時の時代背景を学べる素晴らしいシリーズとなっています。まさしく入門書として最高の作品がずらりと並んでいます。

メンデルスゾーンは幼い頃より神童ぶりを発揮していました。そして家柄もよく、その文化水準の高さによってメンデルスゾーン家のサロンには錚々たる顔ぶれがそこに集まっていました。ベルリン大学を創立した言語学者フンボルトや哲学者のヘーゲル、ガンス、グリム童話で有名なグリム兄弟、作家のホフマンなど当時の最高レベルの知識人が集う中でメンデルスゾーンは育っています。これを知った時は思わず驚きで声を上げてしまいました。

すべて繋がっているんだと。

後に歴史を残す偉人たちは必ずどこかで繋がり合っている。でも、さすがにこれは繋がり過ぎだろうと!しかも後にはあのゲーテとも固い友情で結ばれるというのです。これにはさすがに呆然としてしまいました。

世界最高峰の偉人たちは19世紀にこうも絡み合って生きていたのかと、この伝記を読んで圧倒されてしまいました。

本当に面白い!この伝記はそんなあまりにドラマチックなメンデルスゾーンの生涯をひのまどかさん流の最高の語り口で堪能することができます。もうこれは読んで下さい!絶対に後悔しません!最高の読書体験になること請け合いです!

(※ただ、この本はすでに絶版になっているので、図書館などで借りるしかないのが泣き所です。ぜひ再出版をお願いしたいです)

ひのまどか『メンデルスゾーン―「美しくも厳しき人生」』死後、ナチスに抹殺された天才ユダヤ人作曲家のおすすめ伝記

※2023年12月27日追記

ついに、絶版となっていたこの作品の新装復刊版が発売されることになりました!!!

『音楽家の伝記 はじめに読む1冊メンデルスゾーン』というタイトルでの発売です!

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内容もリニューアルされ、バージョンアップしています。

最高の一冊です!ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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音楽家の伝記 はじめに読む1冊 メンデルスゾーン (音楽家の伝記はじめに読む1冊)

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H・C・ヴォルプス『大作曲家 メンデルスゾーン』

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この伝記はメンデルスゾーンの入門書として非常に優れています。

メンデルスゾーンの生涯が130ページほどでコンパクトにまとめられており、しかも読みやすく、面白い。

読みやすさと内容の濃さのバランスが素晴らしいです。

絵も豊富でビジュアル的にも親しみやすい伝記となっています。

また、この伝記の特徴として、伝記部分を終えた後に60ページほどを使ってメンデルスゾーンの曲の紹介をしている点が挙げられます。

実際に彼の曲を聴いていく上でこれは非常にありがたいです。メンデルスゾーンの有名な曲はもちろん、まだあまり知られていない名曲たちも紹介されています。

この本はメンデルスゾーンの曲を聴く際の貴重なガイドとなります。

また、巻末の著名人によるメンデルスゾーン評も興味深いです。

あのニーチェがメンデルスゾーンを絶賛しているのには驚きました。

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大昨曲家 メンデルスゾーン (大作曲家)

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『メンデルスゾーン家の人々―三代のユダヤ人』

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この伝記もものすごかったです・・・!奇跡の一冊です!読んでいて驚くようなことが大量に出てきます。

メンデルスゾーン家がいかに傑出した一族だったのかがこの本では語られます。そしてその語り口も素晴らしく、ぐいぐい引き込まれていきます。とにかく面白いです。

音楽家フェリックス・メンデルスゾーンの偉業はもはや説明もいらないほど有名です。

ですが、祖父モーゼスがその彼を超えると言ってもいいほど偉大な人物だったこと。そして父アブラハムもあのロスチャイルドと一時期並ぶほどの大銀行を設立していたこと。

これは衝撃の事実でした。特に祖父モーゼスがあのカントが尊敬していたほどの大哲学者だったという事実には度肝を抜かれました。

音楽家フェリックス・メンデルスゾーンはそんな祖父、父、一族の様々な力が結びついて生まれた存在でした。これは読んでいてものすごく興味深かったです。

この伝記は1972年にアメリカのユダヤ系アメリカ人ハーバード・クッファーバーグによって書かれました。日本でメンデルスゾーンに関する書物が少ない中でこの本が果たした役割はとてつもないものがあります。ひのまどかさんの伝記もこの本から多くのものを得ているように感じられました。

この本はメンデルスゾーンのことをかなり詳しく知ることができる作品です。

ひのまどかさんの伝記は物語として最高に面白い作品です。そしてこの『メンデルスゾーン家の人々―三代のユダヤ人』 はそこからさらにメンデルスゾーンについて深めたい時に最高のお供になります。

これら2つの伝記を合わせて読む相乗効果は計り知れないものがあります。

ぜひぜひおすすめしたい1冊です。これほどの本にお目にかかれるのは滅多にあることではありません。ぜひ手に取って頂きたい1冊です。

『メンデルスゾーン家の人々―三代のユダヤ人』奇跡の一冊!ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン一族の驚異の物語!

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メンデルスゾーン家の人々: 三代のユダヤ人

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この記事では作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの祖父にあたるモーゼス・メンデルスゾーンについてお話ししていきます。

モーゼス・メンデルスゾーン(1729ー1786)

モーゼス・メンデルスゾーンはデッサウのゲットーで1729年に生まれました。彼の父は貧しいながらも同じような境遇の師弟のための学校を経営し、宗教関係の筆耕の仕事もしていました。

そんな貧しい境遇の中でもモーゼスは父やラビ(ユダヤ教の指導者)による教育を受けて育ちました。

幼い頃から抜群の知性を見せ、すさまじい好奇心、向学心を持つモーゼス。

そんな彼は14歳の時にたったひとりでデッサウを出て、プロイセン王国の首都ベルリンへと向かいます。彼は学問の中心地で勉強するために単身ベルリンへと乗り込んだのでした。

ここではあまり詳しくはお話しできませんが、苦学をしながらも持ち前の知性と向学心によって徐々に彼は頭角を現し、良き仲間や支援者と出会っていくことになります

そして、

一族の祖、モーゼス・メンデルスゾーンは、痩せて聡明な眼つきをしたせむしの少年だった。デッサウのゲットーを飛び出した彼は、それまでの五〇〇年間で、最も著名なユダヤ人となった。彼は哲学者、文学者として一世を風靡し、当時広く読まれた本を書いた。そして、何よりも重要なのは、彼が特別そのように計画したわけではなかったけれども、ユダヤ人の宗教的慣習を近代化し、今日、我我が知る改革派ユダヤ教成立への糸口をつくったことである。


東京創元社、ハーバード・クッファーバーグ、横溝亮一訳『メンデルスゾーン家の人々―三代のユダヤ人』P7

と言われるまでの存在へとなっていきます。

あのカントやゲーテまでもモーゼスを絶賛しています。それほどの大人物が作曲家メンデルスゾーンの祖父だったのです。

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メンデルスゾーン家の人々: 三代のユダヤ人

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上の記事では作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの祖父モーゼス・メンデルスゾーンについてお話ししました。

あのカントが尊敬するほどの大哲学者であったモーゼス。彼の存在はヨーロッパ中に轟いていたほどでした。

そんなモーゼスには三人の息子がいました。その次男アブラハムが作曲家フェリックスの父となります。このアブラハムは銀行家として大成功し、メンデルスゾーン銀行はドイツを代表する銀行へと成長することになりました。この莫大な資産があったからこそ、フェリックスへの最高レベルの教育が可能になったのでした。

この記事ではそんなメンデルスゾーン一族の繁栄について見ていきます。

大銀行家アブラハムとメンデルスゾーン銀行の繁栄~作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの父ーあのロスチャイルド家とのつながりも

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山下剛『もう一人のメンデルスゾーン ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの生涯』

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これまでの記事で大作曲家メンデルスゾーンの祖父モーゼス、父アブラハムについてお話ししてきました。

ですが驚異の一族、メンデルスゾーン家にはまだまだ恐るべき才能を持つ人物がいます。

それが今回ご紹介するファニー・メンデルスゾーンです。

ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847)Wikipediaより

ファニーは作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの4歳年上の姉です。

彼女はフェリックスを凌駕するほどの音楽的才能を持ち、彼の音楽家人生を陰ながら支えた人物です。

ですが、当時の時代背景や社会通念によって女性音楽家として世に出ることはほとんどありませんでした。

そして1847年に彼女は若くして急死してしまいます。そのことにショックを受けたフェリックスは失神し、その半年後には彼女の後を追うように彼も病気で亡くなってしまいます。それほどこの姉妹の結びつきは強いものでした。

この記事ではそんなファニー・メンデルスゾーンについてお話ししていきます。

山下剛『もう一人のメンデルスゾーン ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの生涯』作曲家メンデルスゾーンの姉もすごかった!

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もう一人のメンデルスゾーン: ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの生涯

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池辺晋一郎『メンデルスゾーンの音符たち 池辺晋一郎の「新メンデルスゾーン考」』

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この本はメンデルスゾーンの名曲を作曲家である池辺晋一郎氏が解説していくという流れの作品です。

記事内の商品紹介にもありますように語り口はかなり軽快です。難しい哲学的な話ではなく、読者に語りかけるかのような雰囲気でとても読みやすいです。

正直私は音楽経験がないので、音楽理論的なことはわからないのですが、自分が好きなメンデルスゾーンの曲はこんな風になっていてどうやらここがすごいらしいというのはこの本を読んでいて伝わってきます。

音楽に関する本を読んだことがほとんどない私にとって、音楽理論が書かれた本を読むというのはものすごく興味深い体験でした。音楽の専門家はこうやって楽譜を見ながら音楽を味わっているのだなと想像して読むのはとても楽しかったです。

メンデルスゾーン好きにはぜひおすすめしたい1冊です。

メンデルスゾーンの名曲を解説する1冊!池辺晋一郎『メンデルスゾーンの音符たち 池辺晋一郎の「新メンデルスゾーン考」』

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メンデルスゾーンの音符たち 池辺晋一郎の「新メンデルスゾーン考」

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この作品は19世紀ドイツを代表する音楽家メンデルスゾーンと童話で有名なアンデルセン、そしてスウェーデンの歌姫ジェニー・リンドという3人の芸術家の物語です。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805-1875)Wikipediaより

アンデルセンと言えば童話が有名ですが、この人物がメンデルスゾーンと同時代人だったというのはかなり驚きました。『醜いアヒルの子』や『マッチ売りの少女』など、その名作たちの存在は知っていてもそれらがいつ書かれていたのかというのは恥ずかしながら全く知りませんでした。てっきりもっと昔の話かと思いきや、19世紀の話だったのですね。これには驚きました。

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そしてこの二人を繋ぐ鍵となる女性、ジェニー・リンド。

ジェニー・リンド(1820-1887)Wikipediaより

「スウェーデンのナイチンゲール」と称され、世界中で大人気だった歌姫ジェニー・リンド。彼女は後にスウェーデン紙幣に描かれるほどの国民的大スターでした。

19世紀を代表する作曲家フェリックス・メンデルスゾーン、デンマークの童話作家アンデルセン、スウェーデンの歌姫ジェニー・リンド。これら3人の大芸術家たちが織り成す物語。そして中野京子さんの筆が冴える冴える!とにかく面白い作品です!面白過ぎてあっという間に読んでしまいました。

この作品を読めば確実にメンデルスゾーンのファンになります。とにかく格好良いです。これはモテます。歌姫のジェニー・リンドが惚れてしまうのもわかります。

ですが、単純に見た目がいいとか、頭がいいとか、優しいとか、そういう理由で彼女が惚れたわけではないのです。ジェニー・リンドも芸術家です。芸術家として圧倒的な才能があるからこそわかる、天才ゆえの苦悩。メンデルスゾーンも同じようにその苦悩を抱えていました。誰にもわかってもらえない苦しみ、それをわかり合ったからこそ互いに惹き付けられるものがあったのかもしれません。

そうした繊細な恋の物語がこの本では語られます。

もちろん、メンデルスゾーンには妻子がいましたので、一線を越えることはありません。メンデルスゾーンは生真面目すぎるほど真面目な人物でした。

ですが、この二人の結びつきは2人の音楽活動に大きな影響を与えるのでありました。

また、もう一人の主人公アンデルセンの強烈さもこの本では体感することになります。私も読んでびっくりしました。リンドに恋するアンデルセンの猪突猛進ぶりはかなり衝撃的です。そしてそんなアンデルセンとメンデルスゾーンの繋がりもまた非常に興味深かったです。

この本はとにかくおすすめです。ものすごく面白いです!音楽ファンならずとも楽しめること請け合いです!

ぜひぜひ手に取って頂きたい作品です!

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芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)

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星野宏美『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』あらすじと感想~代表作スコットランド交響曲の成... この本では名曲「スコットランド交響曲」がいかにして生まれてきたかを知ることができます メンデルスゾーンにとって20歳のイギリス・スコットランド旅行がどんな意味を持っていたのか。 そしてその旅とはいかなるものだったのか。 この本を読めば実際にメンデルスゾーンが辿ったイギリス・スコットランドの風景を見てみたくなります。

メンデルスゾーンの曲の中で私が最も好きなのがこのスコットランド交響曲です。

その曲について詳しく解説してくれるこの本は私にとって非常にありがたいものでした。

この本は著者の星野宏美氏の博士論文が基になって出来上がった本だそうです。

ですが、この本は一般読者が読んでもわかりやすいように書き直されています。ですので私のように音楽の知識がない人でも気軽に読むことができます。

特に「スコットランド」交響曲が生まれるきっかけとなった、メンデルスゾーンのイギリス・スコットランド旅行についての箇所は非常に興味深いものでした。

メンデルスゾーンは1829年、彼が20歳の時にイギリス・スコットランドに大旅行に出かけます。

この時代の名家の跡継ぎたちは教養旅行(グランドツアー)という名目でヨーロッパ中を旅するという習慣がありました。若い頃に旅に出て経験を積み、さらには人脈も広げることも目的とされていました。

メンデルゾーンもそうした教養旅行の一環としてこのスコットランドを訪れたのでした。

そしてそこで目にしたある建築物から彼の「スコットランド交響曲」は始まることになります。

それがエディンバラのホリルード宮殿の廃墟となった礼拝堂でした。

ホリルード宮殿の廃墟となった礼拝堂 Wikipediaより

ここで得たインスピレーションから彼の13年にもわたる「スコットランド交響曲」の作曲の道が始まったのでした。

この本を読んで驚いたのは、メンデルスゾーンがいかにこの曲を大切にし、何度も何度も推敲して書き上げていたかということでした。

スコットランドで得たインスピレーションをそのまま一気に曲にして書き上げるのではなく、長い年月をかけてじっくりと作り上げていったということをこの本で知ることになります。

メンデルスゾーンにとって20歳のイギリス・スコットランド旅行がどんな意味を持っていたのか。

そしてその旅とはいかなるものだったのか。

この本を読めば実際にメンデルスゾーンが辿ったイギリス・スコットランドの風景を見てみたくなります。

大好きな「スコットランド交響曲」がいかにして生まれてきたかを知ることができて非常に楽しい読書になりました。

星野宏美『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』代表作スコットランド交響曲の成り立ちを詳しく解説するおすすめの1冊!

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メンデルスゾーンのスコットランド交響曲

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中島俊郎『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』あらすじと感想~貴族の必須教養として... この本を読んで、メンデルスゾーンがグランド・ツアーに出掛けた理由が鮮明に見えてきたような気がしました。自身の教養を高め、実践によって「正確にして繊細」な感性を養い、同時に世界各地で人脈も広げていく。当時の有力な子弟の黄金パターンとしてメンデルスゾーンが旅に出たことがわかります。 西欧の旅文化・美学を知れる非常に面白い本です!おすすめ!

上の記事ではドイツの作曲家メンデルスゾーンの名曲『スコットランド』が生まれるきっかけとなった彼のイギリス旅行についてお話ししました。

メンデルスゾーンはユダヤ人大銀行家の息子として生まれ、20歳の時にイギリスへ出発します。その後もパリやイタリアを巡る長期の旅に出ました。

こうしたヨーロッパを巡る長期旅行はグランド・ツアー(教養旅行)と呼ばれ、当時の裕福な若者が通る通過儀礼のようなものとなっていました。

今回ご紹介する中島俊郎著『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』はまさしくこの旅の歴史とその意味を知るのに最適な1冊となっています。当時の時代背景や、芸術の都イタリアがイギリス、フランス、ドイツ人にとってどのように思われていたのかということを知ることができる素晴らしい作品です。

中島俊郎『英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで』貴族の必須教養としての世界旅行を解説するおすすめ作品!

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英国流 旅の作法 グランド・ツアーから庭園文化まで (講談社学術文庫)

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『メンデルスゾーン(夢人館7)』

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作曲家メンデルスゾーンは絵もプロ級だった!『メンデルスゾーン(夢人館7)』私もお気に入りのおすす... メンデルスゾーンはモーツァルトに並ぶ神童と呼ばれ幼い頃から抜群の才能を示していましたが、彼にはなんと絵の才能までありました。 この画集にはずっと見ていたくなるような癒される絵がたくさん収録されてます。音楽家としてのメンデルスゾーンだけでなく、画家としての顔も見れるこの画集には大満足でした。

メンデルスゾーンはモーツァルトに並ぶ神童と呼ばれ幼い頃から抜群の才能を示していましたが、彼にはなんと絵の才能までありました。

この画集ではそんなメンデルスゾーンの素晴らしい絵を堪能することができます。

ここでその一部を紹介しましょう。

ダーラムのカテドラル=イギリス 1829年

こちらは本の表紙に出ていました絵です。これが作曲家のメンデルスゾーンによる作品だというのは驚きですよね。対象物の精密さから色彩の優しさ、絶妙な構図取りなど、もはやプロ顔負けです。初めて観た時は衝撃でした。

メンデルスゾーンは風景画を好んでいました。そしてその視覚的な芸術センスは音楽にも生かされています。

上でも述べましたが、メンデルスゾーンの曲の中で私が一番好きなのは「スコットランド」です。

特にこの曲の第一楽章、第二楽章はまるでその風景が浮かんでくるような音楽です。ぜひこれは聴いてみて下さい。メンデルスゾーンは「音の風景画家」と称されることもありますが、まさにぴったりの名だなと感じました。

この本ではそんなメンデルスゾーンの絵画について様々な解説を読むことができます。メンデルスゾーンの音楽と絵のつながりを学ぶには最高の一冊です。

作曲家メンデルスゾーンは絵もプロ級だった!『メンデルスゾーン(夢人館7)』私もお気に入りのおすすめ画集!

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メンデルスゾーンについて語るならこのシェイクスピア作品ははずせません。

この作品は若い男女4人の恋の四角関係と、それをさらにかき回す妖精たちが織り成すドダバタ喜劇になります。

タイトル通り、この物語ではまさに夢を見ているかのような不思議な展開が繰り広げられます。

訳者の福田恆存は解説で『読後の印象は「夢」のように豊穣である』と述べていました。

実際この作品はそんな満足感を味わえる作品です。『リア王』『マクベス』などのように重厚なストーリー展開を追っていくというよりは、気軽に笑って楽しめる作品となっています。

そしてこの作品において特にお伝えしたいのはドイツの作曲家メンデルスゾーンについての関係です。

メンデルスゾーンはこの作品を子供の頃から愛していました。彼は16歳の時には兄弟や友人たちとこの作品を演じて遊んだり、17歳の時にはなんと、『夏の夜の夢』の序曲を完成させてしまいました。

17歳の段階でこの曲を完成させるメンデルスゾーンの圧倒的な才能には驚くしかありません。モーツァルトに匹敵する才能と称賛されるのも納得です。

そしてこの動画のコメント欄を見て驚いたのですが、この曲はドラえもんの映画にも使用されていたとのことです。たしかによくよく思い返してみればそんな気がしてきました。これには驚きでした。

メンデルスゾーンはその後も『夏の夜の夢』に愛着を持ち続け、1841年から1843年にかけて本格的にこの作品の付帯音楽の制作に取り掛かりました。

そして完成した曲の中でも特に有名なのがこちらです。

「結婚式といえばこの曲!」という誰もが知るこのメロディーはメンデルスゾーンが『夏の夜の夢』のために作ったものだったのです。私もこの事実を知った時は本当に驚きました。

大好きなメンデルスゾーンが愛した作品ということで、私も『夏の夜の夢』がもっともっと好きになりました。

『夏の夜の夢』は『ハムレット』『オセロー』『ヴェニスの商人』などの有名どころの作品と比べて、たしかに影の薄い作品かもしれませんが、私は大好きな作品です。いや、メンデルスゾーンにはまっている今、この作品が一番好きとすら言えるかもしれません。とにかく笑える愛すべき作品です。この作品に出てくる「スパニエル」、「石垣」がもう愛しくてたまりません。心がふっと軽くなる夢のような楽しい劇です。

シェイクスピア作品でこんなに笑える劇と出会えるなんて思ってもいませんでした。なぜこの作品がそんなに笑えるのかはこの記事で詳しくお話ししていますのでぜひリンク先もご覧になって頂ければなと思います!

ぜひぜひおすすめしたい作品です!

シェイクスピア『夏の夜の夢』あらすじと感想~恋人たちと妖精のドタバタ喜劇!メンデルスゾーンの序曲でも有名なおすすめ作品

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メンデルスゾーン20歳のロンドン公演の衝撃

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メンデルスゾーンのイギリス・スコットランド旅行は彼が20歳の1829年に行われました。

そしてイギリス滞在の最初のロンドンにて、彼はコンサートを指揮します。その時の大歓迎、大成功ぶりはイギリス音楽界でも歴史上稀に見るものだったと言われています。

この記事ではそんなメンデルスゾーンロンドン公演の様子を彼の伝記『メンデルスゾーン家の人々 三代のユダヤ人』を参考にご紹介していきたいと思います。

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これを読めばメンデルスゾーンがいかに優れた指揮者、演奏家だったかにきっと驚くと思います。また、現在では当たり前のように使用されている指揮棒が広く使われ出したのもメンデルスゾーンがきっかけでした。現代の指揮スタイルは彼が開発したものだったのです。この記事ではそのエピソードについてもお話ししていきます。

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メンデルスゾーン家の人々: 三代のユダヤ人

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メンデルスゾーンのスコットランド旅行と文学のつながり

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この記事では星野宏美著『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』を参考に彼のスコットランド旅行について見ていきます。

彼のスコットランド旅行は単に物見雄山で行われたのではなく、文学的な教養も深めるという確固たる目的もありました。

スコットランドを代表する作家、ウォルター・スコット、そしてドイツの大詩人ゲーテ。

メンデルスゾーンは文学に非常に造詣の深い音楽家でした。

そんなメンデルスゾーンの旅と文学のつながりをこの記事ではお話ししていきます。

『スコットランド交響曲』がいかにして出来上がっていったかと絡めてお話ししていきますので非常におすすめしたい記事となっております。

メンデルスゾーンのスコットランド旅行と文学のつながり~あの名曲『スコットランド交響曲』はこうして生まれた

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メンデルスゾーンのスコットランド交響曲

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メンデルスゾーンとゲーテの交流と友情~『イタリア紀行』に強い影響を受けたメンデルスゾーン

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ゲーテとメンデルスゾーン。

二人の天才の親交は年齢を超えた深いものがあったと私は感じています。

くしくも両者とも文学や音楽の幅を超えた万能の天才です。

二人にしかわからない何かがあったと想像するのはロマンがありますよね。

私はゲーテもメンデルスゾーンも大好きです。

その結びつきを感じることは、私にとってとても幸せな時間でした。

この記事を通してゲーテとメンデルスゾーンの魅力が少しでも伝わってくれたなら嬉しく思います。

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星野宏美『メンデルスゾーンの宗教音楽』

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著者の星野宏美氏は上でも紹介した『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』の著者でもあります。

今作『メンデルスゾーンの宗教音楽 バッハ復活からオラトリオ《パウロ》と《エリヤ》へ』はメンデルスゾーンの宗教音楽にスポットを当てた作品になります。

上の動画が『パウロ』、下が『エリヤ』になります。

動画時間を見て頂ければわかりますようにものすごい大作です。

これを全て聴くのはなかなか至難の技です。私もCDを借りて聴いてはみたのですが部分部分でしか聴けていません。

さらに言えば、宗教音楽ということで『スコットランド』や『イタリア』などと比べてとっつきにくさがあるというのも難しい点でした。気軽に聴いてみようという風になかなかならないのが『パウロ』と『エリヤ』だと思います。

ですが星野宏美氏の『メンデルスゾーンの宗教音楽 バッハ復活からオラトリオ《パウロ》と《エリヤ》へ』を読めばこれらの曲がどのような意図で書かれ、どこにその特徴や素晴らしさがあるのかを知ることができます。

これはこれらの曲を聴く上で素晴らしい道案内になります。おかげで私はものすごくこれらの曲に興味を持つようになりました。

やはり曲が作られた背景や、楽しむポイントを教えてもらえれば断然イメージも変わってきますよね。

この本はそんなメンデルスゾーンの宗教曲を楽しむための格好の解説書となっています。正直私は音楽家ではないので細かい音楽理論はわかりません。ですがそれでも楽しくこの本を読むことができました。

タイトルをパッと見ると難しそうな本だなと思ってしまうかもしれませんが読んでびっくりの読みやすさです。

星野宏美『メンデルスゾーンの宗教音楽』忘れられていたバッハを再発見したメンデルスゾーンの偉業を知るのにおすすめ!

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メンデルスゾーンのスコットランド交響曲

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おわりに

ひのまどかさんのスメタナの伝記から始まった私とクラシック音楽との出会い。

これまで全くクラシックに関心のなかった私でしたが、まさかこんなにはまるとは思ってもいませんでした。

そしてその中でもやはりメンデルスゾーンと出会えたのが何より大きかった・・・!

なぜ私はこんなにも彼に惹かれたのか。

音楽はもちろん、彼の生涯、性格、そして文学とのつながりなどなど、考えてみればきりがないのですが、この記事で紹介した内容を読んで頂ければその魅力がきっと伝わってくれるのではないかと思います。

クラシックと出会えたことでヨーロッパの歴史や文化に対する見え方がまた変わってきたのを感じます。

本当に素晴らしい出会いでした。

ぜひぜひメンデルスゾーンの魅力を皆さんにも体感して頂ければ嬉しく思います。

以上、「ドイツの天才作曲家メンデルスゾーン記事一覧~驚異の家系とその生涯、作品を知るのにおすすめの書籍もご紹介」でした。

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この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

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