共産主義

産業革命とイギリス・ヨーロッパ社会

A・ワーナー『写真で見るヴィクトリア朝ロンドンとシャーロック・ホームズ』~ホームズ人気の秘密や時代背景も知れるおすすめ本!

この本ではシャーロック・ホームズの魅力や「なぜこんなにも人気になったのか」ということが余すことなく説かれています。たくさんの写真や資料と共に解説されるので読みやすさ、イメージのしやすさも抜群です。

マルクスの生きた時代背景を知るために元々手に取ったこの本ですが、その狙い通りヴィクトリア朝後期のイギリスの社会情勢を知る上でも非常に役に立ちました。

これはぜひぜひおすすめしたい作品です!

名作の宝庫・シェイクスピア

扇田昭彦『日本の現代演劇』~戦後日本と演劇の流れをリンクして学べるおすすめ参考書

この本では1960年代に始まった小劇場運動からバブル経済を経た90年代の演劇までその歴史の流れを概観することができます。

特に思想の吹き荒れた安保闘争、学生紛争時代における演劇界には強い関心があったのでこのことについて詳しく知ることができたのは非常にありがたいものがありました。

そしてこの本を読んでいてとにかく感じたのは演劇人たちの熱気です。しかも並大抵の熱気ではなく、それこそ「すべてを賭けて戦う」という恐るべき本気さ・・・

時代の空気感と演劇の関係を重ねながら学べる本書は非常に興味深い作品でした。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(29)最愛の子アリョーシャの急死と『カラマーゾフの兄弟』のつながり~子煩悩の父としてのドストエフスキー

前回の記事では愛妻家ドストエフスキーの姿をご紹介しました。

そして今回の記事では父親としてのドストエフスキーを紹介して私の旅行記の締めくくりとしたい。

愛妻家ドストエフスキー、子煩悩の父ドストエフスキー。

妻と歩んだドストエフスキーを知る上で絶対に欠かせないエピソードをこれから皆さんにお話ししていきます。

子を愛したドストエフスキーということを知った上で『カラマーゾフの兄弟』を読めば読者の皆さんの心の中にきっとまた何か違うものが芽生えるのではないかと私は信じています。

名作の宝庫・シェイクスピア

バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』~蜷川幸雄が座右の書とした名著!

蜷川さんの人生やその言葉を通して私も今たくさんのことを学ばせて頂いています。その蜷川さんが「座右の書」と呼ぶバフチンの『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』。これがどんな本なのかやはり気になります!そして実際に読みながら感じたことをある意味率直に書いてみたのが今回の記事です。率直過ぎたかもしれませんがどうかご容赦ください。

ドストエフスキー、妻と歩んだ運命の旅~狂気と愛の西欧旅行

(17)共産主義、社会主義革命家を批判したドストエフスキー~ジュネーブでの国際平和会議の実態とは

前回の記事ではジュネーブでのドストエフスキー夫妻の仲睦まじい姿をご紹介しましたが、今回の記事ではドストエフスキーという人物を考える上で非常に重要なポイントをお話ししていきます。

ドストエフスキーのジュネーブ滞在は共産主義、社会主義に対する彼の反論が生まれる契機となりました。

ここでの体験があったからこそ後の『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』に繋がっていったと考えると、やはりドストエフスキー夫妻の西欧旅行の持つ意味の大きさというのは計り知れないものがあると私は思います。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

上田隆弘『秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅』記事一覧~トルストイとドストエフスキーに学ぶ旅

2022年8月中旬から九月の中旬までおよそ1か月、私はジョージアを中心にヨーロッパを旅してきました。

フランス、ベルギー、オランダ、ジョージア・アルメニアを訪れた今回の旅。

その最大の目的はトルストイとドストエフスキーを学ぶためにジョージア北部のコーカサス山脈を見に行くことでした。

この記事では全31記事を一覧にして紹介していきます。『秋に記す夏の印象』の目次として使って頂けましたら幸いです。

秋に記す夏の印象~パリ・ジョージアの旅

(25)アルメニアのわからなさ、ソ連的どん詰まり感にショックを受け体調を崩す。カルチャーショックの洗礼

アルメニア滞在の3日目、私はノアの箱舟の聖地アララト山や世界遺産エチミアジン大聖堂を訪れました。

しかし実はその前日の夕方から私の身体に異変が生じ、エチミアジンの辺りで完全にダウンしてしまったのです。

これは単に体調が悪くなったで済まされる話ではありません。私とアルメニアという国についての根本問題がそこに横たわっていたのでありました。

私の身に何が起こったのか、この記事でお話ししていきます。

ドストエフスキーとキリスト教

高橋保行『迫害下のロシア教会―無神論国家における正教の70年』~ソ連時代のキリスト教はどのような状態だったのか

ソ連時代のことは現代を生きる私たちにはなかなかイメージしにくいかもしれません。同時代を生きていた人にとっても情報が制限されていたため限られた範囲でしかその実態を知ることができませんでした。

そんな中ソ連政権下でタブー視されていた宗教については特に秘密にされていた事柄だと思います。

ソ連が崩壊した今だからこそ知ることができるソ連とロシア正教の関わり。

そのことを学べるこの本は非常に貴重な一冊です。

ドストエフスキーを知る上でもこの本は非常に大きな意味がある作品だと思います。

ローマ帝国の興亡とバチカン、ローマカトリック

南里空海 野町和嘉『ヴァチカン ローマ法王、祈りの時』~ヨハネ・パウロ2世やヴァチカンの貴重な写真が満載の一冊!

この作品では通常なかなか見ることも取材することもかなわない貴重なヴァチカンの写真を見ることができます。

私もヴァチカンについてはこれまで様々な本を読んできましたが、「祈りの時」に特化して儀式の最中の模様を取材しているこの本は非常に貴重なものだと思います。私にとってもこの作品はとてもありがたいものとなりました。

また、この作品ではヨハネ・パウロ二世の生涯についてもまとめられていて、彼がいかに突出した存在だったかがよくわかります。

解説もとてもわかりやすく、ヴァチカンやヨハネ・パウロ二世についての入門書としてもこの本は優れていると思います。

マルクス・エンゲルス著作と関連作品

中嶋洋平『社会主義前夜-サン=シモン、オーウェン、フーリエ』~マルクスによる空想的社会主義者のレッテルは不当だった?

マルクス・エンゲルスによって「空想的社会主義者」のレッテルを張られたサン=シモン、オーウェン、フーリエ。この本はそんな三人がはたして本当に空想的な社会主義者だったのかということを見ていく作品になります。

上の本紹介にもありますように「空想的でも社会主義でもない」その実態を知ることができる刺激的な作品です。