MENU

おすすめドストエフスキー伝記一覧~伝記を読めばドストエフスキーのことが好きになります。

ドストエフスキー
目次

おすすめドストエフスキー伝記一覧

フョードル・ドストエフスキー(1821-1881)Wikipediaより

今回の記事ではこれまで紹介してきました伝記を一覧できるようにまとめてみました。

それぞれの伝記にはそれぞれの個性があります。

また、読み手の興味関心の方向によってもどの本がおすすめかは変わってくることでしょう。

簡単にですがそれぞれの伝記の特徴をまとめましたので、少しでも皆様のお役に立てれば嬉しく思います。

伝記のタイトルをクリックしますとそれぞれの伝記の紹介記事に飛びますので興味がある方はぜひご覧になって頂ければと思います。

アンリ・トロワイヤ『ドストエフスキー伝』

あわせて読みたい
アンリ・トロワイヤ『ドストエフスキー伝』あらすじと感想~最もおすすめなドストエフスキー伝記の王道 アンリ・トロワイヤの伝記の特徴は物語的な語り口にあります。 読み進めている内にいつの間にかドストエフスキーに感情移入してしまい、最晩年のドストエフスキー栄光の瞬間には涙が出そうになりました。もはや感動的な物語小説を読んでいるかのような感覚です。 苦労人ドストエフスキーの人生がまるで映画を見ているかのように目の前を流れていきます。 非常におすすめなドストエフスキー伝記です。

フランスで活躍した著名な伝記作家アンリ・トロワイヤによる伝記

読みやすさ、そして伝記の内容と非常にバランスの取れた作品です。

この伝記の特徴は物語的な語り口にあり、 読み進めている内にいつの間にかドストエフスキーに感情移入してしまいます。最晩年のドストエフスキー栄光の瞬間には涙が出そうになりました。もはや感動的な物語小説を読んでいるかのような感覚です。

私の一番のおすすめの伝記です。

アンリ・トロワイヤ『ドストエフスキー伝』最もおすすめなドストエフスキー伝記の王道

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエフスキー伝 (中公文庫 M 284-6)

ドストエフスキー伝 (中公文庫 M 284-6)

レオニード・グロスマン『ドストエフスキイ』

あわせて読みたい
グロスマン『ドストエフスキイ』あらすじと感想~ソ連の権威ある学者による硬派なドストエフスキー伝記 作者のグロスマンは1888年にオデッサで生まれたソ連の著名な学者です。 グロスマンはこの伝記でドストエフスキーが何を読んで何を考え、そこから何を生み出したのかにフォーカスしてくれます。 そういう意味でこの伝記は硬派な見た目の通り、ドストエフスキーを研究しようとする際にとても役立つ伝記であるのではないかと思います。

ソ連の著名なドストエフスキー学者による伝記です。

この本の特徴は、

あり余るほど豊富な原資料を駆使し、加えて新しく発見された資料や長年蓄積した知識やドストエフスキイ夫人に直接会って聞きただした事実などをもとにして書いている点に大きな強みがある。

P429のあとがきより

という点にあります。

実際、この伝記が引用元となっているドストエフスキー書籍をよく見かけます。研究の基本文献としての評価も定まっているようです。

本のサイズも大きく、内容、文章共に固めなので気軽な読み物としてはあまりおすすめ出来ませんが、研究の資料として重要なものになるのではないかと私は思います。

グロスマン『ドストエフスキイ』ソ連の権威あるドストエフスキー伝記

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエフスキイ (1966年)

ドストエフスキイ (1966年)

E・H・カー『ドストエフスキー』

あわせて読みたい
E・H・カー『ドストエフスキー』あらすじと感想~小林秀雄が参考!冷静な記述が魅力のイギリス人作家に... カーの筆はどこか一歩引いたような冷静な視点です。正直、ところどころ、冷たすぎるんじゃないかと思ってしまったところがあるくらいです。 ですがその代わり過度にドストエフスキーを神格視したり、不当に貶めるようなこともしません。いいところも悪いところも含めて、出来るだけ客観的に資料を分析していくという姿勢が感じられます。

イギリスの国際政治学者、歴史家 E・H・カーによる伝記で小林秀雄も重要視しました。

イギリス的な客観的な叙述スタイルで、カーの筆はどこか一歩引いたような冷静な視点です。

過度にドストエフスキーを神格視したり、不当に貶めるようなこともしません。いいところも悪いところも含めて、出来るだけ客観的に資料を分析していくという姿勢が感じられます。

しかし、これを一冊目に読んでしまうと、若干ドストエフスキーに対して淡白な感想を抱いてしまう危険性があるような気がします。以前紹介しましたアンリ・トロワイヤの『ドストエフスキー伝』のようにドラマチックで感情移入してしまうような伝記とは若干毛色の違う伝記であります。

ですので、まずは他の伝記を読んでから二冊目以降にこの伝記を読めばドストエフスキーの違った側面を知ることが出来て非常にバランスよくドストエフスキーを知ることが出来るのではないかと私は思います。

E・H・カー『ドストエフスキー』小林秀雄が参考!イギリス人作家によるドストエフスキー伝

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエフスキー (筑摩叢書 106)

ドストエフスキー (筑摩叢書 106)

ピエール・パスカル『ドストエフスキイ』

あわせて読みたい
ピエール・パスカル『ドストエフスキイ』あらすじと感想~キリスト教的な視点から描かれたコンパクトな... ピエール・パスカルはこの伝記でドストエフスキーがいかにキリスト教から影響を受けていたのかということを検証していきます。 ドストエフスキーを理解するにはキリスト教の理解は避けて通れません。しかし、伝記においてそのことにフォーカスしている作品は意外と多くはありません。 伝記の本文もおよそ150Pほどと、分量もお手軽です。

著者のピエール・パスカルは1890年生まれのフランス、ソルボンヌ大学の名誉教授で、ロシア文学やロシアの農民文化、旧教徒・分離派教徒の研究で有名です。

この著者による伝記の特徴は何と言っても、ドストエフスキーと宗教の関係性に焦点を当てているところにあります。

ドストエフスキーと宗教について関心のある方にはぜひおすすめな伝記です。

ピエール・パスカル『ドストエフスキイ』キリスト教的ドストエフスキー伝

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエフスキイ (1975年) (作家と人間叢書)

ドストエフスキイ (1975年) (作家と人間叢書)

ドリーニン編『ドストエフスキー 同時代人の回想』

あわせて読みたい
ドリーニン編『ドストエフスキー 同時代人の回想』あらすじと感想~ドストエフスキーを身近に知る人間... この本では他の伝記とは異なるドストエフスキーの描写が見られたり、ドストエフスキーが過ごした生活の様子をよりリアルに知ることができます。 特にドストエフスキーが学生だった頃の様子は興味深いものがありました。

著者のドリーニンは1883年に生まれたソ連の著名な学者です。

この伝記の特徴は書名どおり、ドストエフスキーと同時代に生き、かれの身近にいた人々の証言で伝記が構成されているところにあります。

そのため、他の伝記とは異なるドストエフスキーの描写が見られたり、ドストエフスキーが過ごした生活の様子をよりリアルに知ることができます。

ドリーニン編『ドストエフスキー 同時代人の回想』ドストエフスキーを知る人間の証言

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエフスキー同時代人の回想 (1966年)

ドストエフスキー同時代人の回想 (1966年)

V・ネチャーエワ『ドストエフスキー 写真と記録』

あわせて読みたい
V・ネチャーエワ『ドストエフスキー 写真と記録』あらすじと感想~写真と絵で学ぶドストエフスキー伝 この伝記は書名にもありますように、写真や絵がとにかく大量に掲載されています。ここにこの伝記の最大の特徴があります。 文字中心のこれまでの伝記とは明らかに一線を画す伝記です。 これまで見たこともなかったドストエフスキー作品の挿絵やロシアの風景、ドストエフスキーに関わる人たちの顔写真がどんどん出てきます。 参考資料としてとても便利な伝記です。

書名のごとく、 写真や絵がとにかく大量に掲載されています。

この伝記を読んでいると中学生や高校生の時にお世話になった日本史の資料集を思い出します。写真とイラストでいっぱいだったあの本です。

これまで見たこともなかったドストエフスキー作品の挿絵やロシアの風景、ドストエフスキーに関わる人たちの顔写真がどんどん出てきます。

資料集や副読本としてとても便利な1冊です。

V・ネチャーエワ『ドストエフスキー 写真と記録』写真と絵で学ぶドストエフスキー伝

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエフスキ- 写真と記録

ドストエフスキ- 写真と記録

アンナ・ドストエフスカヤ『回想のドストエフスキー』

あわせて読みたい
アンナ・ドストエフスカヤ『回想のドストエフスキー』あらすじと感想~妻から見た文豪の姿とは。これを... 私はこの本を読んでドストエフスキーを心の底から好きになりました。 ギャンブル中毒になりすってんてんになるダメ人間ドストエフスキー。生活のために苦しみながらも執筆を続けるドストエフスキー、愛妻家、子煩悩のドストエフスキーなど、意外な素顔がたくさん見られる素晴らしい伝記です。ぜひ読んでみて下さい。きっとドストエフスキーのことが好きになります!

ドストエフスキーの妻であるアンナ・ドストエフスカヤ夫人によって書かれた出会いから死別までの14年間を綴った回想記

夫であり父である家庭人ドストエフスキーの姿をこの伝記から知ることができます。

暗くて厳めしいイメージが先行するドストエフスキーですが、この伝記では奥さんを溺愛し、驚くほどの子煩悩っぷりを発揮しています。

ドストエフスキーのイメージが変わること請け合いです。

アンナ夫人と出会う前のドストエフスキーは描かれていませんので、他の伝記を読んでからこちらの本を読むことをおすすめします。

私が最も好きな伝記です。 私が心の底からドストエフスキーを好きになれたのはこの伝記のおかげです。 この本がもっと世に広まることを願うばかりです。

アンナ・ドストエフスカヤ『回想のドストエフスキー』ドストエフスキーの奥様による回想記

Amazon商品ページはこちら↓

回想のドストエフスキー〈1〉 (みすずライブラリー)

回想のドストエフスキー〈1〉 (みすずライブラリー)

アンナ・ドストエーフスカヤ『ドストエーフスキイ夫人 アンナの日記』 木下豊房訳 河出書房新社

あわせて読みたい
ドストエーフスカヤ『ドストエーフスキイ夫人 アンナの日記』概要と感想~ドストエフスキーのギャンブ... この日記にはドストエフスキーの狂気がとことんまで描かれています。 賭博に狂い、有り金全てを賭けては負け、挙句の果てに結婚指輪まで質に入れ賭博場へと駆け出していくドストエフスキー。 もはや壮絶としか言いようがないです。並の小説を読むよりはるかに劇的でショッキングなものになっています。

ひとつ前に紹介しました『回想のドストエフスキー』の著者アンナ夫人による日記です。

ドストエフスキーと2人きりで出発したヨーロッパ旅行の1年目の様子が赤裸々に記されています。

この伝記の最大の見どころはドストエフスキーの賭博中毒という狂気の生活がこれ以上ないというほどの迫力で記されているところにあります。

ドストエフスキーが最もダメ人間であった頃の姿を知るにはこの日記が最も強烈な印象を与えてくれるでしょう。

もはや壮絶としか言いようがないです。並の小説を読むよりはるかに劇的でショッキングなものになっています。

『回想のドストエフスキー』と合わせて、こちらの『アンナの日記』も読むことをおすすめします。

ドストエーフスカヤ『ドストエーフスキイ夫人 アンナの日記』ドストエフスキーの奥様による日記

Amazon商品ページはこちら↓

ドストエーフスキイ夫人アンナの日記 (1979年)

ドストエーフスキイ夫人アンナの日記 (1979年)

終わりに

以上、私のおすすめのドストエフスキー伝記の一覧でした。

ドストエフスキーは小説作品の面白さもさることながら、ドストエフスキーその人自身が1番面白いのではないかとも言えるのかもしれません。

ぜひ、ドストエフスキーの伝記を手に取って頂けたらなと思います。

ドストエフスキー作品の見え方がきっと変わることでしょう。

次の記事からはドストエフスキーを学ぶための参考書、研究書を紹介していきます。

次の記事はこちら

あわせて読みたい
モチューリスキー『評伝ドストエフスキー』あらすじと感想~圧倒的な情報量を誇るドストエフスキー評伝... 『評伝ドストエフスキー』は1947年にロシア語で出版され、瞬く間に多くの国で翻訳され「あらゆる言語で書かれたドストエフスキー文献のうちもっともすぐれた研究書」と呼ばれるようになりました。 ロシア正教の教義と実践に詳しいモチューリスキーによる詳細な作品解説がこの評伝の最大の特徴です。 この評伝はドストエフスキーを研究する際にものすごくおすすめです。

関連記事

あわせて読みたい
ドストエフスキーおすすめ作品7選!ロシア文学の面白さが詰まった珠玉の名作をご紹介! ドストエフスキーといえば『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』など文学界では知らぬ者のない名作を残した圧倒的巨人です。彼は人間心理の深層をえぐり出し、重厚で混沌とした世界を私達の前に開いてみせます。そして彼の独特な語り口とあくの強い個性的な人物達が織りなす物語には何とも言えない黒魔術的な魅力があります。私もその黒魔術に魅せられた一人です。 この記事ではそんなドストエフスキーのおすすめ作品や参考書を紹介していきます。またどの翻訳がおすすめか、何から読み始めるべきかなどのお役立ち情報もお話ししていきます。
あわせて読みたい
「なぜ僧侶の私がドストエフスキーや世界文学を?」記事一覧~親鸞とドストエフスキーの驚くべき共通点 親鸞とドストエフスキー。 平安末期から鎌倉時代に生きた僧侶と、片や19世紀ロシアを代表する文豪。 全く関係のなさそうな2人ですが実は重大なつながりがあるとしたらいかがでしょうか。 このまとめ記事ではそうした私とドストエフスキーの出会いと、なぜ僧侶である私がドストエフスキーを学ばなければならないのかを紹介しています。
あわせて読みたい
ドストエフスキー年表と作品一覧~ドストエフスキーの生涯をざっくりと この記事ではドストエフスキー作品一覧と彼の生涯を簡潔にまとめた年表を掲載します。 ドストエフスキーの生涯は簡易的な年表では言い尽くせない波乱万丈なものです。特にアンナ夫人とのヨーロッパ外遊の頃は賭博に狂った壮絶な日々を送っています。 ドストエフスキー作品は彼の生涯とも密接な関係を持っています。彼の生涯を知ることは作品を知る上でも非常に大きな助けとなるのではないでしょうか。
あわせて読みたい
おすすめドストエフスキー解説書一覧~これを読めばドストエフスキー作品がもっと面白くなる! この記事ではこれまで紹介してきましたドストエフスキー論を一覧できるようにまとめてみました。 それぞれの著作にはそれぞれの個性があります。 また、読み手の興味関心の方向によってもどの本がおすすめかは変わってくることでしょう。 簡単にですがそれぞれのドストエフスキー論の特徴をまとめましたので、少しでも皆様のお役に立てれば嬉しく思います。
あわせて読みたい
ドストエフスキーとキリスト教のおすすめ解説書一覧~小説に込められたドストエフスキーの宗教観とは ドストエフスキーとキリスト教は切っても切れない関係です。 キリスト教と言えば私たちはカトリックやプロテスタントをイメージしてしまいがちですが、ドストエフスキーが信仰したのはロシア正教というものでした。 そうした背景を知った上でドストエフスキーを読むと、それまで見てきたものとは全く違った小説の世界観が見えてきます。 キリスト教を知ることはドストエフスキーを楽しむ上で非常に役に立ちます。
あわせて読みたい
『作家の日記』あらすじと感想~ドストエフスキーの人となりを知るならこの作品! 『作家の日記』は子供たちや女性など、虐げられた人々に対しての優しいまなざしであふれています。 私自身、『作家の日記』を読むことで初めてドストエフスキーの人柄、優しいまなざしを感じたものでした。 ドストエフスキーの人となりを知るには最適の書です。 かなり分量がある作品ですが、ドストエフスキーに興味のある方にはぜひおすすめしたい作品です。
あわせて読みたい
謎の国ロシアの歴史を年表を用いてざっくり解説! 正直、ドストエフスキーを学ぶまで私はほとんどロシアのことを知りませんでした。 「極寒の薄暗いどんよりした恐い国」 そんなイメージが頭にあるだけでした。 いつ頃からロシアという国が成立し、どんな歴史を経て今に至っているかなど全く想像すらできなかったのです。いや、興味関心もなかったというのが正直なところかもしれません。 謎の国ロシア。 ですが、いざ調べてみると実はこの国の歴史は非常に面白いことがわかってきました。
あわせて読みたい
ツルゲーネフとドストエフスキーの出会い―因縁のはじまり ツルゲーネフとドストエフスキーの不仲は有名な話となっています。 それは文学における思想の違いだけでなく、性格の違いや個人的ないざこざも絡み、二人の最晩年までそのライバル関係は続くことになりました。 今回の記事ではそんな二人が初めて出会ったシーンを紹介していきます。
あわせて読みたい
スラブ派・西欧派とは?ドストエフスキーとツルゲーネフの立場の違い―これがわかればロシア文学もすっき... ドストエフスキーやツルゲーネフ、トルストイの作品や解説を読んでいてよく出てくるのがタイトルにもあるスラブ派・西欧派という言葉。 当時のロシア文学は純粋な娯楽や芸術としてだけではなく、国や人間のあり方について激論を交わす場として存在していました。 彼らにとっては文学とは自分の生き方、そして世の中のあり方を問う人生を賭けた勝負の場だったのです。 その尋常ではない熱量、覚悟が今なお世界中でロシア文学が愛されている理由の一つなのではないかと私は考えています。
あわせて読みたい
ロシア文学史に残るドイツでのドストエフスキーとツルゲーネフの大喧嘩 1845年に初めて顔を合わせ、間もなく犬猿の仲となったドストエフスキーとツルゲーネフ。 彼らの因縁は2人の最晩年まで続くことになります。 そんな2人が決定的な衝突をした有名な事件が1867年、ドイツのバーデン・バーデンという世界的に知られる保養地で起こることになりました。
あわせて読みたい
ツルゲーネフとドストエフスキー『悪霊』の関係~芸術家ツルゲーネフの粋な行動とは ツルゲーネフはドストエフスキーとは仲違いしてしまいましたが、彼の作品についてはその価値を十分に評価しているのです。そして公正にもフランスの作家に彼を紹介するということまでしているのです。これは芸術を愛するが故に行われた尊敬すべき行動だと私は思います。
あわせて読みたい
ツルゲーネフ側から見たプーシキン講演~ドストエフスキーとの最終決戦の結末はいかに!? ドストエフスキー伝記や参考書ではこのプーシキン講演がドストエフスキーの名声の絶頂として描かれることが多く、ツルゲーネフはその引き立て役、あるいは敵役として描かれがちです。 ですが今回はツルゲーネフ側から見たプーシキン講演を見ていきたいと思います。
あわせて読みたい
高橋保行『ギリシャ正教』あらすじと感想~ドストエフスキーとロシア正教を学ぶならこの1冊!おすすめ... そもそもロシア正教とは何なのか。 カトリックやプロテスタントと何が違うのか。 それらがこの著書に詳しく書かれています。 ドストエフスキーに関してもかなりの分量を割いて解説されています。
あわせて読みたい
フーデリ『ドストエフスキイの遺産』あらすじと感想~ソ連時代に迫害されたキリスト者による魂のドスト... 本書は内容も読みやすく、伝記のようにドストエフスキーの生涯に沿って作品を論じています。作品理解を深めるという意味でも非常に懇切丁寧でわかりやすいです。 ロシア正教の宗教者としてのドストエフスキー像を知るにはこの上ない一冊です。
あわせて読みたい
『ロシア正教古儀式派の歴史と文化』~ドストエフスキーは無神論者で革命家?ドストエフスキーへの誤解... この記事では「ドストエフスキーは無神論者であり、革命思想を持った皇帝暗殺主義者だった」という説について考えていきます。 これは日本でもよく聞かれる話なのですが、これはソ連時代、ソ連のイデオロギー下で発表された論説が基になっていることが多いです。 この記事ではなぜそのようなことになっていったのかもお話ししていきます。
あわせて読みたい
サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝―ロシア版明治維新を断行した規格外の皇帝に迫る ロシアの広大な土地を統御するにはそれほどスケールの大きな人物でなければ成り立たない。 並の人物では到底成しえないことを彼らは軽々とやってのけます。 ドストエフスキーやトルストイが活躍するロシアはこうした規格外の皇帝たちが作りあげたものなのです。 ロシアの近代化を成し遂げ、サンクトペテルブルクを作った男ピョートル大帝も非常に興味深い人物でした。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

真宗木辺派函館錦識寺/上田隆弘/2019年「宗教とは何か」をテーマに80日をかけ13カ国を巡る。その後世界一周記を執筆し全国9社の新聞で『いのちと平和を考える―お坊さんが歩いた世界の国』を連載/読書と珈琲が大好き/

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次