目次
シェイクスピア入門におすすめ!阿刀田高『シェイクスピアを楽しむために』概要と感想~これを読めばシェイクスピアが一気に読みやすくなります!
シェイクスピアの代表作といえば、『ハムレット』や『マクベス』、『ロミオとジュリエット』『ヴェニスの商人』などが挙げられますが、ここには挙げきれないほどの名作傑作を彼は生み出しています。
ただ、いきなりそれらの名作を読もうと思っても意外と苦戦することになります。
なぜなら日本の歌舞伎と一緒で、その演目の時代背景や人物、あらすじを知っていないとなかなかすぐには物語には入り込めないということが起こるのです。
シェイクスピア作品は基本的に舞台で演じられるものですので、読み始めるといきなり物語が幕を開け、登場人物の会話から始まります。
せっかく舞台が始まったのに、そこから舞台背景をわざわざ説明調で演者に解説させるのも演劇として無粋な話。
最初の段階でおおまかなあらすじや舞台背景を知れなければそのまま誰が何を言いたいのやらがまったくわからないまま物語が進んでしまいます。これだとやはり物語の面白さもわからず、読むのも挫折してしまうということになってしまうでしょう。
というわけでシェイクスピア作品を読むときにはあらかじめある程度の知識が必要となってくるのです。
そこでおすすめなのが今回紹介する阿刀田高氏の『シェイクスピアを楽しむために』という本です。
早速この本の紹介を見ていきましょう。
ハムレット→悩んだ人、
ロミオとジュリエット→悲恋、
リア王→裏切られた王様、
ご正解! でも、もう少し知りたくありませんか?
[シェイクスピア] 1564~1616 (ひとごろしイロイロと覚えます。謀略・発狂・嫉妬・情死、作品の登場人物は、考えられる限り様々な理由でこの世を去ります)。誕生目と命日は同じ4月23日。欧米の大衆娯楽演劇の原点、ハリウッドで最も売れている脚本家、世界で一番有名な作家です。名前は知っているけど、作品も大体見当がつくけど……、という方のための〈アトーダ式〉解説本。
Amazon商品紹介ページより
続いて阿刀田高氏のプロフィールをご紹介します。
1935 (昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、’78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。’79年『来訪者』で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、’95(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。他に『あらし』『シェイクスピアを楽しむために』など著書多数。
新潮社 阿刀田高『シェイクスピアを楽しむために』
阿刀田氏はこの作品の他にも『ギリシア神話を知っていますか』、『旧約聖書を知っていますか』、『新約聖書を知っていますか』、『コーランを知っていますか』など難解で長大な書物の入門書を数多く手がけています。以前当ブログでも今作の他に『ホメロスを楽しむために』を紹介しました。
そして今回ご紹介する『シェイクスピアを楽しむために』もそのひとつで、数多くあるシェイクスピアの名作をわかりやすく、そして楽しく解説してくれます。
第1話ではシェイクスピアとはそもそもどんな人物なのかを歴史をふまえてざっくりと解説し、第2話から具体的な作品解説に入っていきます。この本では以下の作品について解説していきます。
『ハムレット』
『ロミオとジュリエット』
『オセロー』
『夏の夜の夢』
『ヴェニスの商人』
『ジュリアス・シーザー』
『ヘンリー四世』
『ウィンザーの陽気な女房たち』
『リチャード三世』
『マクベス』
『リア王』
どれもシェイクスピアの名作として有名ですが、これらのあらすじや舞台背景をわかりやすく紹介してくれています。
これを読めば早くシェイクスピア作品を読みたくなりうずうずしてくるほどです。それほどシェイクスピアの作品を魅力たっぷりにお話ししてくれます。
私自身もこの本にとても助けられました。
特に『ジュリアス・シーザー』では最初何の解説もなしに読み始めたのですがなかなか物語に入り込めず挫折してしまったのですが、この本を読んであらすじや舞台背景を知った後に読み返して見るとこれが面白いのなんの!
今では『ジュリアス・シーザー』が特にお気に入りになったくらいです。
それほどこの本はシェイクスピアを読むにあたって大きな助けになります。
ぜひシェイクスピアを読む前にこの本を読んでみてください。物語の楽しみが何倍にもなること請け合いです。
強くおすすめします。
次の記事からは私が読んだシェイクスピア作品を紹介していきます。
以上、『シェイクスピア入門におすすめ!阿刀田高『シェイクスピアを楽しむために』~難しそうなシェイクスピア作品が一気に身近になるおすすめ入門書!」でした。
Amazon商品ページはこちら↓
シェイクスピアを楽しむために (新潮文庫)
次の記事はこちら
おすすめシェイクスピア作品一覧はこちら
関連記事
a
コメント