ツルゲーネフ

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

ひのまどか『チャイコフスキー―「クリンへ帰る旅人」』~チャイコフスキーの生涯を知るのにおすすめの伝記!

私は元々ドストエフスキーを知るためにロシア文学やヨーロッパ史、文学を学び始めたのですが、ここで音楽家の世界においてもこうした「西欧派」「スラブ派」の戦いがあったことを知り非常に興味深いものがありました。

ヨーロッパに誇れる自分たちの文化を作り上げる。この熱意はやはり胸にくるものがあります。この伝記もおすすめです

クラシック・西洋美術から見るヨーロッパ

ひのまどか『ビゼー―劇場に命をかけた男』~カルメンの作曲家ビゼーの生涯を知るのにおすすめ伝記!

この伝記を読んで、私がこれまで学んできた文学、芸術、歴史が繋がったのを感じました。繋がる瞬間ってやはりビビッと来ますよね。これがあるから読書はやめられません。私にとって、「あぁ!そうだったのか!」という発見は読書の最大の喜びのひとつです。この本も刺激に満ちた最高に面白い作品でした。

19世紀中頃のフランス事情を知るのにもおすすめな作品です。

ドイツの大詩人ゲーテを味わう

ゲーテ『ファウスト』あらすじと感想~ゲーテの代表作の面白さを味わうために必要なものとは

かつて、『ファウスト』は私の中で苦手作品の筆頭にある存在でした。

しかし今となっては私の大好きな作品のひとつになりました。この本を「面白い!」と感じられた瞬間の喜びは生涯忘れないと思います。

この記事では私がいかにして『ファウスト』を楽しく読めるようになったかをお話していきます。いわば『ファウスト』を読むコツです。ぜひおすすめしたい記事です。

ニーチェとドストエフスキー

ヒュー・マクドナルド『巡り逢う才能ー音楽家たちの1853年』~ワーグナーやブラームスら天才音楽家が交差する奇跡の1年を描写

私はこれまでドストエフスキーを学ぶ過程でヨーロッパの歴史や文化を「文学の観点」から見てきました。

ですがこの本では「音楽という観点」から当時のヨーロッパを知ることができました。

よくよく考えてみれば本来、文学も音楽も切り離されるものではなく、互いに関連し合って存在するものです。一九世紀半ばのヨーロッパがどのような世界だったのかを音楽という側面から眺めることができたのは非常に大きな体験でした。

音楽に興味がある人だけでなく、文学やヨーロッパそのものに興味がある方にもぜひおすすめしたい作品です。

ツルゲーネフロシアの文豪ツルゲーネフ

ロシアの文豪ツルゲーネフのおすすめ作品8選~言葉の芸術を堪能できる名作揃いです

ツルゲーネフの生涯と作品をたどることでドストエフスキーの側から見たツルゲーネフ像とはだいぶ違った姿を感じることができました。

ツルゲーネフとドストエフスキーの違いを感じることができたことは非常に興味深かったです。また、文学における芸術とは何かということをとても考えさえられました。

芸術家ツルゲーネフのすごさを感じることができたのはとてもいい経験になりました。これからトルストイを読んでいく時にもこの経験はきっと生きてくるのではないかと思います。

ツルゲーネフはドストエフスキーとはまた違った魅力を持つ作家です。ぜひ皆さんも手に取ってみてはいかがでしょうか。

ロシアの文豪ツルゲーネフ

レーニンはなぜツルゲーネフを好んだのか~レーニン伝から見るツルゲーネフ

レーニンが文学をどのように見ていたのかというのは非常に興味深い問題です。指導者の好みはその国の文化にも影響を与えます。彼の方針で「何が善であるか」が規定され、それに基づいて新たな文学が生み出されたり、過去の文化を解釈していくことになるからです。

ドストエフスキーと同時代人の大文学者たちがソ連時代にどう受け止められていたのかということを知ることで、ソ連時代に書かれたドストエフスキー像がどのような背景で作られていったかを垣間見ることができます。これはドストエフスキーを知る上でとても気になる部分です。

レーニン・スターリン時代のソ連の歴史

(14)レーニンの文学観~ドストエフスキー、トルストイらをどう見たか

レーニンの文学観、芸術観を考える上で彼が保守的な考えを持っていたというのは意外な気がしました。革命家=既存の秩序の破壊というイメージが私にはありました。ロシアのニヒリストは特にそのような傾向があります。ツルゲーネフの『父と子』に出てくるバザーロフというニヒリスト青年はその典型です。

しかしレーニンはそうではなく、保守的な文化観の持ち主だったのです。

この記事ではそんなレーニンの文学観、芸術観を見ていきます。

帝政末期のロシアロシアの歴史・文化とドストエフスキー

アンリ・トロワイヤ『帝政末期のロシア』~ドストエフスキー亡き後のロシア社会を知るために

この本は小説仕立てで1903年のロシア帝政末期の社会を紹介していきます。

主人公は若いフランス人ジャン・ルセル。彼はふとしたきっかけでロシアに旅立つことになります。私たち読者は彼と同じ異国人の新鮮な目で当時のロシア社会を目の当たりにしていくことになります。

この本ではロシア正教を中心にした宗教事情、そして劣悪な状況で働く労働者、軍隊の内情、農民の生活など様々な事象を紹介しています。

当時のロシア社会がどのようなものであったかを知るのにとても便利な一冊となっています。しかも小説仕立てであるので読みやすいというのも嬉しい点です。

ロシアの大作家チェーホフの名作たち

佐藤清郎『わが心のチェーホフ』~チェーホフの魅力や面白さをわかりやすく解説した名著!

この本ではチェーホフがいかに優れた作家か、そしてその特徴がどこにあるのかということがこの上なくわかりやすく書かれています。

そしてチェーホフだけではなく、ドストエフスキーとの対比も書かれているので、チェーホフを知りたい方だけではなく、ロシア文学や演劇を知りたい方にとっても非常に面白い知見がたくさん説かれています。

この本を読めばチェーホフだけでなくロシア文学の特徴、そしてそれらが現代日本を生きる私たちにどのような意味があるのか、どのような問いかけをしているかまで学ぶことができます。

この本はとにかくおすすめです。チェーホフ関連の本で何を読もうか迷っている方がいればまずこの本をお薦めしたいです。