フランス文学

レ・ミゼラブル第3部『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

「第三部 マリユス」あらすじと感想~物語のキーパーソン、マリユスの登場

この巻では青年マリユスの生い立ちや彼の人柄がほぼ丸々1冊をかけて描かれることになります。

第3巻の最後にはテナルディエ一家とジャン・ヴァルジャン、そしてジャヴェールとの手に汗握る対決のシーンがあります。ここも見逃せません。

壁の穴からその顛末をのぞくマリユスの目を通して私たち読者もそのシーンを目撃することになります。

このシーンも本当に素晴らしいです。驚くべき臨場感!

こんなシーンを言葉のみで表現するユゴーの力にはただただ脱帽するしかありません。

レ・ミゼラブル第2部『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

「第二部 コゼット」あらすじと感想~薄幸の美少女コゼットとジャン・ヴァルジャンの出会い

第2巻は物語の展開がドラマチックで、なおかつ息もつかせぬ緊張感があります。

ここまで読み進めることができたらもう止まることはできません。

きっとここからは挫折することなく一気に読んでいくことができるでしょう。

いよいよ盛り上がって参りました。『レ・ミゼラブル』、非常に面白いです。

ジャヴェール『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

「第一部 ファンチーヌ」あらすじと感想~偉大なる主人公ジャン・ヴァルジャンとは!

わずか一片のパンを盗んだために、19年間の監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャン。

ジャン・ヴァルジャンという名を聞けば、おそらくほとんどの人が「あぁ!聞いたことある!」となるのではないでしょうか。この人ほど有名な主人公は世界中見渡してもなかなかいないかもしれません。

そのジャン・ヴァルジャンの過去や彼の心の支えとは何なのかということがこの第一部「ファンチーヌ」で明らかにされます。

ということで早速この本を読み始めてみると、驚きの展開が待っています。

ジャヴェール『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

ユゴー『レ・ミゼラブル』あらすじと感想~ミュージカルでも有名なフランス文学の最高傑作!

『レ・ミゼラブル』は分量も多く、原作はほとんど読まれていない作品ではあるのですが、基本的には難しい読み物ではなく、わかりやすすぎるほど善玉悪玉がはっきりしていて、なおかつ物語そのものもすこぶる面白い作品です。

しかも単に「面白過ぎる」だけではありません。この作品にはユゴーのありったけが詰まっています。つまり、ものすごく深い作品でもあります。私もこの作品のことを学ぶにつれその奥深さには驚愕するしかありませんでした。

ぜひミュージカルファンの方にも原作をおすすめしたいです

ドストエフスキーとレミゼ『レ・ミゼラブル』をもっと楽しむために

ドストエフスキーも愛した『レ・ミゼラブル』 レミゼとドストエフスキーの深い関係

ドストエフスキーは10代の頃からユゴーを愛読していました。

ロシアの上流階級や文化人はフランス語を話すのが当たり前でしたので、ドストエフスキーも原文でユゴーの作品に親しんでいました。

その時に読まれていた日本でもメジャーな作品は『ノートル=ダム・ド・パリ』や『死刑囚最後の日』などの小説です。

そんな大好きな作家ユゴーの話題の新作『レ・ミゼラブル』が1862年にブリュッセルとパリで発売されます。

ちょうどその時にヨーロッパに来ていたドストエフスキーがその作品を見つけた時の喜びはいかほどだったでしょうか!

ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『永遠の夫』あらすじと感想~美人妻と寝取られ亭主、不倫男の奇妙な三角関係

『永遠の夫』は何をしでかすかわからない深層心理の混沌を描くという、ドストエフスキー得意の心理描写が冴えわたった作品です。ドストエフスキー入門としては少々厳しいものがありますが、ドストエフスキーにはまり出した方にはぜひおすすめしたい作品です。

小説の分量も中編小説ということでドストエフスキーにしてはお手軽なページ数になっています。

冬に記す夏の印象ドストエフスキー作品

ドストエフスキー『冬に記す夏の印象』あらすじと感想~西欧社会を厳しく批判!異色のヨーロッパ旅行記

この『冬に記す夏の印象』はドストエフスキーのヨーロッパ観を知る上で非常に重要な作品です。

また「奇妙な旅行者」ドストエフスキーの姿を見ることができる点もこの作品のいいところです。小説作品とはまた違ったドストエフスキーを楽しむことができます。

文庫化された作品ではありませんが、『冬に記す夏の印象』はもっと世の中に出てもいい作品なのではないかと強く感じます。

日本人には特に共感できる内容なのではないかと思います。

ゾラとドストエフスキーブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

エミール・ゾラとドストエフスキーまとめ―「ルーゴン・マッカール叢書」を読んで

この記事ではゾラとドストエフスキーについての所感をまとめています。

私自身、フランスのことをここまでやるとは考えていなかったので、遠回りになってしまったなと思いつつ、思いがけない収穫があったのでとても満足しています。

正直、私はフランスのことがあまり好きではなかったのですが、今はむしろ好きになってきている自分がいます。恥ずかしながら今やパリに行きたくて仕方がないほどになっています。

食わず嫌いだったというわけではありませんが、相手のことをよく知ってみると意外といいところも見えてくるなと改めて思わされた体験となりました。

木村泰司ブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

木村泰司『印象派という革命』ゾラとフランス印象派―セザンヌ、マネ、モネとの関係

前回までの記事では「日本ではなぜゾラはマイナーで、ドストエフスキーは人気なのか」を様々な面から考えてみましたが、今回はちょっと視点を変えてゾラとフランス印象派絵画についてお話ししていきます。

私はゾラに興味を持ったことで印象派絵画に興味を持つことになりました。

それとは逆に、印象派絵画に興味を持っている方がゾラの小説につながっていくということもあるかもしれません。ぜひともおすすめしたい記事です

ゾラとドストエフスキーブログ筆者イチオシの作家エミール・ゾラ

ゾラとドストエフスキーの人間観の違い・空白の有無について考えてみた

この記事ではゾラとドストエフスキーの人間観、そして空白の有無という切り口から2人の作家を考えていきます。

空白の有無が謎を呼び、その謎が議論を生み、議論が議論を拡大する。

ゾラとドストエフスキーの違いがこうした面からも見れたのは私にとっても非常に興味深いものでありました。